カフェでのテレワークは禁止?自宅以外から仕事をするときの注意点とは|トラムシステム
自宅でのテレワークに少し疲れてしまい、気分転換を兼ねてカフェなど外で仕事をしたいと考える人も多いでしょう。しかし、セキュリティ面から自宅以外でのテレワークを禁止する企業もあることや、お店の迷惑にならないように配慮することなどには十分な注意が必要です。
本記事では、自宅以外でのテレワークの場所や各場所の特徴、禁止される理由、自宅のテレワークで集中する方法などについて解説します。
目次
自宅以外でテレワークができる場所とは?
自宅の他にテレワークができる場所には、どのような所があるのでしょうか。場所によって電話やインターネット、利用時のルールやマナーなどは異なります。
テレワークに使える代表的な場所について、それぞれの特徴、メリット・デメリットなどを解説します。
カフェ・レストラン
今や、カフェやレストランでの仕事や勉強は珍しい光景ではなくなりました。
カフェやレストランは店舗数も多く、気軽に足を運べて飲食もできるため気分転換に最適です。店内のBGMや程よい喧噪があるほうが仕事がしやすい人なら快適に仕事に取り組める点や、低コストで利用できる点もメリットでしょう。
一方で、お店が満席の場合や、店内が非常に騒がしい場合もある点には注意が必要です。不特定多数が出入りするため、離席時の盗難などはもちろん、画面の覗き見などセキュリティ面にも気を付けなければなりません。
仕事のために席を占有しているとお店への迷惑になるため、お店のルールやマナーにも注意しましょう。
コワーキングスペース
コワーキングスペースとは複数の個人や法人が共同利用するためのオフィス空間で、オフィスのように生産性高く仕事をするための仕組みや設備が整っています。
コワーキングスペースはWi-Fiや机、複合機などのインフラが整っており、仕事がしやすいのがメリットです。周囲にも仕事をしている人がいるため、自然と気持ちも引き締まります。
コワーキングスペースはまだ数が少ないため、誰にとっても利用しやすいわけではありません。利用料金もかかります。複数の人が場所や設備を共有するため、ネットワーク経由でのマルウェア感染や画面の覗き見などにも注意が必要です。
カラオケ
カラオケ店でもWi-Fi利用が可能で、テレワークOKという店舗も増えてきました。「ひとカラ(=1人カラオケ)」という言葉もあるように、1人でお店へ行くことも自然になっています。
防音個室で飲食も可能、気分転換にカラオケもできるというカラオケの特性はテレワークにも最適です。カフェやレストランに比べて気兼ねなく長居できるため、長時間の作業にも向いていると言えるでしょう。
一方で、イスや机の配置や大きさは仕事向けではなく、体に合わないとつらく感じるかもしれません。また、他の部屋からの音が大きく集中しにくいこともあるでしょう。特に電話や会議の必要がある場合は注意が必要です。
ホテルなど宿泊施設
ホテルなどの宿泊施設でもテレワークプランなどを用意している場合があります。数は多くはありませんが、アイデアとして持っておくとよいでしょう。
自分だけの静かな空間を持つことができるため、情報漏洩の心配が少ないため安心です。電話や会議のときに周囲を気にする必要がありません。テレワーク利用を勧めている施設ならWi-Fiやコピー機などのインフラも充実しています。
宿泊施設の数は地域によって差があるため、利用しにくい地域もあるのがデメリットです。また、利用には予約が必要なことや、少々コストが高い点から使いにくいと感じる人もいるでしょう。
カフェなどでのテレワークを禁止する企業が多い理由
会社によっては、カフェなどの公共の空間ではテレワークを禁止しています。テレワークの場所についてのルールは、事業の性質や扱う情報の種類による部分が大きいため、会社の規定を確認しておくことが大切です。
なぜ企業がカフェなどでのテレワークを禁止にするのか、その理由について見てみましょう。
セキュリティが確保できない
企業がテレワークの場所を制限する理由の最たるものが、セキュリティの問題です。
業務の中では機密情報を扱うこともありますが、公共空間ではデータを入れた端末やUSBメモリの盗難・紛失や覗き見などの情報漏洩リスクがどうしても生じます。
機密情報には、たとえば取引先リストや契約書、財務情報や製品の設計・開発に関する資料などさまざまなものが考えられます。電話や会議で話す内容の中には機密情報が含まれることも多いでしょう。
また、公共のネットワークを使うため、セキュリティ状況によっては通信内容を傍受されたり、ネットワーク経由でマルウェア感染などが生じたりする可能性もあります。
集中できない
テレワークはオフィスと比べて周囲からの監視が緩く、また環境によっては騒音などの問題があることから集中できないことも多いものです。
企業がテレワークを導入するのは、従業員のワークライフバランスへの配慮や感染症対策などであり、決して生産性を犠牲にしてよいと考えているわけではありません。
カフェなど自宅以外の環境がダメというよりは、会社側が「集中できない環境で仕事をするべきではない」という意図で禁止にすることがあります。
トラブルになる可能性がある
テレワークでお店やコワーキングスペースなどの施設を利用する場合、お店や利用者との間でトラブルが生じることも懸念されます。長時間の場所や設備の占有、大声での電話などから口論などのトラブルに発展することは想像に難くありません。
電話などでのやりとりから、勤め先が周囲の人に知られてしまうこともあるでしょう。熱心に仕事をしていても他の利用者から見てマナーが悪い場合は、最終的に企業のイメージダウンにもつながってしまいます。
お店に迷惑をかけてしまう
自宅以外の場所でのテレワークが、他のお店や利用客に迷惑をかけてしまうこともあります。コーヒー1杯で何時間も長居し、混雑時にも席を譲らない客は、お店にとって非常に迷惑と言わざるを得ません。
また、店内での大声での電話、ビデオ会議や外国語のレッスンなどをするのも他の利用客に迷惑です。度々の迷惑行為があった場合は、出入り禁止になってしまう可能性もあります。
自宅以外のテレワークで情報漏洩を防ぐためには
自宅以外の場所でテレワークをする場合は、セキュリティに関する基本的な知識、特に情報漏洩を防ぐためのノウハウが必要です。いくつかのポイントに注意するだけでも、セキュリティ事故を防げる可能性は高まります。
ここからは、自宅以外のテレワークで情報漏洩を防ぐためのポイントについて解説します。
席の配置に注意する
仕事に集中していると、誰かが画面を覗き見していても気付きにくいものです。そのため、公共の空間ではできるだけ壁が背になるような席を取るなど、場所選びに注意しましょう。
可能であれば、席と席の間が広いお店や、隣に人がいない席を選ぶなどの工夫も大切です。また、後ろが窓になっている席も覗き込みができるため避けたほうが無難です。
フリーWi-Fiは安全性を確認する
フリーWi-Fiは誰でも利用しやすい半面、セキュリティが甘いため利用時は注意してください。不特定多数の利用者の中に、悪意を持ったハッカーなどがいる場合には通信内容を傍受されたり、ネットワーク経由のサイバー攻撃を受けたりするリスクがあります。
暗号化されているWi-Fiは錠のマークがついており、パスワードなどで利用者を制限しているため、できるだけ安全なWi-Fiを利用しましょう。
できれば店舗で利用可能にしているWi-Fiではなく、スマホのテザリング機能やモバイルルーターなど、自前でインターネット環境を用意したほうが安全です。
オンライン会議・電話はしない
オンライン会議や電話の中で伝えられる情報には機密情報も多いため、ホテルなど個室が確保できる環境以外ではしないようにしましょう。今はスマートフォンという録音・録画ができる端末を誰もが持っているため、危機感を持つ必要があります。
また、オンライン会議や電話は、相手に聞こえやすいようについ大声になりがちです。知らない間にお店の雰囲気を壊したり、他の利用客の迷惑になっていたりする場合もあるので、「しない」と決めておいたほうがよいでしょう。
離席時には貴重品を持っていく
トイレや電話対応のために離席する場合、必ず貴重品は持っていくようにしましょう。財布やスマートフォンは持っていく人も多いですが、ノートパソコンやタブレットも盗難リスクがあることを忘れてはいけません。
また、名刺入れは個人情報の宝庫ですし、カードケースなどにクレジットカードや会社のIDカードを入れている場合もあるので注意しましょう。
家では集中できないときの対処法
情報漏洩やその他のトラブルのリスクがあるため、基本的にテレワークは自宅で行うことが推奨されます。しかし、どうしても家では集中できない場合もあるでしょう。
そのような場合は、なぜ集中できないのか、どうすれば集中できるのかを考えてみることが大切です。ここからは、家で集中するためのポイントを解説するので、仕事環境作りに役立ててください。
余計なものが視界に入らないようにする
自宅で集中できない理由の1つは、仕事に関係のない余計なものが多く目に入ることです。人間は視覚から取り入れる情報に大きく影響されるため、テレビやマンガ、趣味関係のものなどはできるだけ仕事用のスペースから遠ざけましょう。
また、机の上が散らかっている場合も仕事に集中しにくいです。普段からきれいにしておき、仕事の際には仕事道具を机に広げるようにすることで、仕事のものだけが視界に入り、集中しやすくなります。
作業用BGMをかける
完全に音がない環境より、適度に音があったほうがいい場合は作業用のBGMをかけるとよいでしょう。作業用BGMはYouTubeなどの動画サイトでも数多く公開されています。
ただし、ラジオやお気に入りの歌を作業用BGMとすると、そっちに意識が取られて逆に集中できない可能性もあります。できるだけ耳障りがよく、歌詞のないBGMのほうが聞き流しやすいのでおすすめです。
快適な作業環境を整える
仕事をする上で環境は非常に大切です。オフィスのようには難しいとしても、自宅でもできる限り快適に仕事ができるように環境を整えましょう。
たとえば、インターネットの速度は仕事効率に大きく影響するため、できれば自宅に光回線を導入しましょう。プリンターやサイズの大きなモニターなども作業の効率化を助けてくれます。
多少のお金はかかりますが、広い机や座り心地のよいイス、書類ケースなどもあれば非常に便利です。長く使えるものですので、自分への投資として検討してみてください。
オンオフの切り替え方を決める
テレワークはプライベートとの区分が難しいため、自分で仕事モードに入るためのスイッチを決めておくこともポイントです。
オフィスの場合は身支度をして出勤する、という行為が準備運動になりますが、テレワークではそういったプロセスが抜けがちです。仕事の前に身支度をする、コーヒーを飲む、軽く散歩する、作業用BGMをかけるといったスイッチを決めておきましょう。
オフのスイッチは盲点になりやすく、仕事のことが頭から離れずに疲れてしまう人もいます。終わったら机の上をきれいに片づける、パソコンは完全にシャットダウンする、おやつを食べるなどオフのためのルーティンも決めておきましょう。
ポモドーロテクニックを実行する
ポモドーロテクニックとは、30分などの短い時間を定めてその間に決めた仕事や勉強をしては小休止をはさむ、というサイクルを繰り返す時間管理法です。短い時間でタスクを終わらせることに集中できるので、集中力を発揮しやすくなります。
ポモドーロテクニックは集中して仕事ができる点がメリットですが、タスクを分解する習慣がつくのでビジネススキルの向上や業務改善にも役立ちます。タイマーを準備したり、目標達成時には自分にごほうびをあげたりと工夫すると楽しいです。
まとめ
カフェやコワーキングスペースなどの公共空間では、情報漏洩や周囲への迷惑などを懸念してテレワークを禁止する企業も多いです。
リスクを減らすためにも、外出時のテレワークはセキュリティやマナーに気をつけ、できるだけ自宅を中心に仕事をするのがよいでしょう。自宅でのテレワークがはかどるように、環境整備やセルフマネジメントに少しずつ取り組んでみてください。
WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。