【ブログ】成功するテレワークへの道④具体的な取組みと効果(現場編)|トラムシステム
企業がテレワーク導入を成功させる道筋をブログ形式で紹介する記事の第4弾です。
第4回は、テレワークによって発生する諸問題をどのように解決していくのか、社員の目線から解説していきます。テレワークで評価されるための働き方、体験して分かったテレワークの良さについても解説しますので、これからテレワークを始める方はぜひご覧ください。
目次
ストレスフリー・快適・集中できるテレワークのためにやったこと
テレワークを体験してみた結果、これまでの業務ではなかった不都合やストレスに苛まれることが分かった。上層部側でさまざまな対策を講じてくれるそうだが、それを待っているだけでは成果は生まれない。他の社員を巻き込みつつ、自分なりのテレワーク対策を複数実行した。
コミュニケーション方法の見直し
テレワークのコミュニケーションが疲れるのは、これまで通りの方法でコミュニケーションを取ろうとするからである。直接会って顔色や声の調子を見ながら行える通常のコミュニケーションとは違い、意図や想いをはっきり伝わらないことも多い。なので、コミュニケーション方法を抜本的に見直してみた。
・スケジュールの共有
オフィスで働くときとは違い、メンバーがどのような仕事をやっているのかどうかが見えにくい。そのような状況が続くと「みんなきちんと仕事をしているのだろうか」という不信感や「今のプロジェクトはちゃんと進んでいるのだろうか」という不安が生まれる。スケジュール管理ツールやチャットツールを使い、仕事の状況や連絡が取れない時間帯を共有することにした。
・雑談や成果報告を積極的に行う
単なる情報共有だけでは味気ないので、雑談や成果報告もメンバー間で行っている。仕事がひと段落ついてリラックスしているときは雑談、仕事が終わった時には成果報告を行い、連帯感やモチベーションを高めあうようにした。特に成果報告は、チームの中で信頼を勝ち得るだけでなく、業務上の悩みや課題を相談できるので重要視している。
・オンライン朝礼でコミュニケーションを実施する
雑談や成果報告を自然な形で行えるよう、オンライン朝礼も導入した。決まった時間にオンライン上で集合し、メンバーそれぞれの状況をオンラインで確認する。毎日実施することで、情報共有や連帯感の強化を目に見えて感じられた。
・感謝の言葉をかけあう
メンバー間の顔が見えないテレワークだからこそ、感謝の言葉をかけあうことが重要になる。チャットツールなら、笑顔やお礼を顔文字で表現することも可能だ。さりげない感謝の言葉や行動が企業への帰属意識を生み、次も頑張ろうというモチベーションに繋がる。
これらの実施により、テレワークを利用したコミュニケーションはかなり活発となった。対面での会話以上に感情や情報をきちんと伝えようとする意識が強くなり、業務効率が着実に向上している。
Web会議・チャットのルールの設定
以前いくつか挙げた案をもとに、チームメンバーとWeb会議やチャットに関するルールを設定してみた。
・Web会議に関するルール
参加する際は、自宅でも身だしなみや周囲の背景に気を使い、家族が映りこまないようにする。参加者を必要最低限にし、だらだら続かないよう議題を明確にする事も重要だ。マイク付きのイヤホンを利用する、自分が発言しない時はマイクをミュートにするなど、音声に対する配慮もメンバーに求める。
・チャットに関するルール
業務連絡であることを意識しながらも、なるべく感謝や労わりなどの感情を表現するのが重要だ。全てをチャットで行うのではなく、社外のとのやりとりや重要事項の連絡はメールを用いるよう心がける。チャットの返信はクイックレスポンスを基本とするが、業務時間外や相手が忙しい場合を考慮に入れなければならない。
ルールに沿った運用を行うことで、情報の伝達ミスや謝った機器操作などが随分と減った。余裕ができたメンバーは、Web会議やチャットになじみがないベテラン社員を積極的にサポートしている。
集中できる環境づくり
家の中は集中力がそがれるため、単に自室でテレワークを実施すると業務効率が落ちてしまいがち。集中できる環境を構築するため、以下の工夫を実行した。
・仕事専用のスペースを作る
日常生活の共用スペースではないところに、テレワークに集中できる専用スペースを設定した。基本は、ここから出ることなく業務を遂行する。
・できるだけオフィスと同じ環境とする
従来デスクに置いていた私物はすべて撤去。ペン立て、タスクリスト、卓上カレンダーといった仕事に関するものだけ設置する。
・椅子やデスクの新調
これまでとは違い長時間デスクで作業することになるため、無理ない姿勢で作業できる身長に合った椅子を購入した。立ったまま作業ができるため集中力が高まる「スタンディングデスク」の導入も検討している。
環境が変わると、人間も変わる。仕事専用スペースを設置することにより、誘惑や雑念に惑わされず、集中して仕事できるようになった。
やる気のコントロール
やる気やモチベーションといった、目に見えない要素にも気を配ることにした。これらを他人がコントロールするのは難しいため、自分から対策を講じなければならない。
・身だしなみ
外出の予定がなくても、業務開始するときの髪や服装は、ビジネスシーンに適したすものに整える。あえて身だしなみを変えることで、気持ちにスイッチを入れられるのだ。
・時間を区切る
テレワークは周りとの共同作業ではないので、時間が単調に過ぎてしまう。だらだらと働いてしまわないよう、タイムテーブルにタスクを落とし込んでから業務を開始しよう。タイムテーブルは目に見える位置に置き、時間内に業務を終わらせられるよう意識する。
・外部の音や風景を遮断する
視界にスマートフォン、漫画、ゲームなどが目に入ると集中力をそがれてしまう。室内用のテントで作業場をすっぽり覆い隠し、外部の誘惑を全てシャットダウンした。耳栓も購入し、作業が完了するまではテントから出ないよう心掛ける。
これらの対策により、オフィス内と同じレベルの緊張感を持ちながら、やる気をもって作業を進められるようになった。家族とも仕事のタイムテーブルを共有して、仕事が中断されないよう配慮をお願いする。
生活リズムを整える
家に引きこもりがちで不健康になるテレワークとならないよう、生活リズムも整えようと意識する。安定した生活リズムが、心身の健康を保つのだ。
・起床、就寝時間を一定とする
通勤から解放されたとはいえ、起床時間を定めずダラダラと起きていては、一日を有意義に過ごせない。起床時間をオフィスに出社していた時間と同じにし、早めに仕事を始められるようにする。就寝時間も統一し、朝気持ちよく起きられるよう7時間睡眠を心がけた。
・運動習慣や企業以外のコミュニケーション接点を持つ
テレワークで不足しがちとなる運動や対面でのコミュニケーションを、休日や余暇時間に解消できるよう心がけている。コミュニケーションや運動は、人が健康的な生活を送るために欠かせないものだ。体を動かすイベントへの参加や友人とのコミュニケーションは積極的に行おう。
生活リズムを一定とすることで、テレワークによる体の不調やストレス増加を抑えられていると感じる。特に休日はだらだら過ごすのではなく、計画的に行動しよう。
テレワークで評価されないなら働き方を変えてみよう
リアルであれテレワークであれ、どうせ働くなら評価されたい、出した成果は適切に評価してもらいたいと思うのは当然だ。しかし、テレワークとオフィス勤務では「評価されやすい人間」が違う点に注意しなければならない。テレワークで手ごたえを感じない場合は、働き方を変えてみよう。
オフィス勤務で評価されやすい人とは
オフィス勤務は、コミュニケーション、身だしなみ、ビジネスマナー、上司に対する従順さ、業務終了後の付き合いなど、仕事とは直接関係ない要素も評価に絡んでくる。
はっきりと言えば、仕事そのものはいまいちでも、上司や取引先に好かれていれば首にはならない。成果のデータ化がそこまで進んでいなかった一昔前なら、それでも問題なく務めあげられる場合が多かった。
テレワークで正しく評価されるための方法
しかし、リモートワークでは人柄や礼儀作法といった要素が評価に絡んでこない。大きな声での挨拶や上司への追従もうまく伝わらないので、アプローチを変える必要がある。
テレワークに必要なアプローチとはすなわち、自分の状況をオープンにすることだ。自分が担当している業務や成果物はもちろん、懸念事項まで目に見える状況になっていなくてはならない。
そのために必要な試みは、以下の3つだ。
・リアクションは瞬時に行う
・良いことでも悪いことでも情報の開示を怠らない
・ツールを利用して進捗状況や予定を可視化する
企業の中で自分の貢献や存在意義が一目でわかる「何をしているか分かる人」になれるよう心がけよう。
結局テレワークは何がいいの?
ここまでテレワークについて語ってきたが「じゃあテレワークって何がいいの?」というのが分からなくなってきた。最初思い浮かべていた理想からは遠い存在であるのは事実だが、オフィスで働く時よりよい点もあると感じる。どこが良いポイントなのか、整理してみよう。
ワークライフバランスの実現
移動時間の削減やペーパーレス化によって業務時間は削減され、ワークライフバランスの実現がもたらされた。家族や友人と時間を過ごす、副業や創作活動に挑戦する、育児や介護に充てるなど、空いた時間の利用方法は無限大である。ただし、空いた時間をどう過ごすかは自分で考えなければならない。
ストレスの軽減
満員電車に揺られる、他人に急な頼まれごとをされるといったオフィス業務でありがちだったストレス要因が無くなり、自分がこなすべき業務に集中して取り組めるようになった。特に通勤時間の削減は大きく、あわただしく過ごしていた朝をゆっくりと過ごせる。
業務効率化
今まで以上に積極的なコミュニケーションや業務連絡を取り合う風潮が生まれ、社員一丸となった業務効率化を実現した。チーム同士の情報共有がこれまで以上に活発となり、スケジュール管理ツールやファイル共有ツールによって「業務の見える化」も達成している。
テレワークを楽しめるかは自分次第
第4回のまとめ
・コミュニケーション、ルール設定、環境の整備、モチベーションのコントロールがテレワークでは重要となる
・テレワーク時代に評価されるのは「何をしているか分かる人」
・うまくテレワークに適用できれば、ワークライフバランス軽減や業務効率化を実現できる
会社の体制やルールも大切だが、個人でできる対策もあるのがテレワークだ。積極的に対策を実践し、新しい働き方に適用しよう。
*このブログはフィクションです。
WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。