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2022.09.21

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カスタマージャーニーとはをわかりやすく!マーケティング担当者必見|トラムシステム

カスタマージャーニーは顧客心理の理解やマーケティング施策の策定に用いられるフレームワークです。顧客が企業の商品やサービスと出会い、見込み客から購買客となるまでの過程を1枚のマップに落とし込み、可視化して共有します。

この記事ではカスタマージャーニーとは何か、どのようなメリットがあるのか、具体的な事例をわかりやすく解説します。マーケティング業務に携わる方はぜひ参考にしてください。
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カスタマージャーニーとは?をわかりやすく解説

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを購入するプロセスを見える化するため、顧客の感情、思考、行動を時系列順にまとめるフレームワークです。マーケティング施策の効果を測定し、顧客にどのようなアクションを起こしてもらいたいか整理するために作成されます。

カスタマージャーニーは、態度変容プロセス(AIDMA)に沿って整理されるのが一般的です。顧客は以下の態度変容プロセスを通じて見込み客から購買客へと変化し、企業に利益をもたらしてくれる存在となります。

1.Attention(注意):商品の存在を知る
2.Interest(興味):商品に対し興味を持つ
3.Desire(理解):商品の詳細を把握する
4.Memory(記憶):商品を覚える
5.Action(行動):商品やサービスを購入する

購入段階まで到達して初めて企業の利益となるため、企業はあらゆる手を尽くして顧客の態度変容プロセスを進めなければなりません。ただし、顧客の心理や態度は目に見えないため、分析不足による見込み違いや機会損失がたびたび発生します。

そこで必要となるのが、顧客の心理を見える化するカスタマージャーニーです。ペルソナ(企業が想定する理想的な顧客像)を設定し、ペルソナの行動や感情を洗い出しながら、認知~購入に至る1つのマップを完成させていきます。

近年はインターネット上の消費者行動モデルを具現化したAISAS(アイサス)や顧客の自己実現にフォーカスした5Aなど、態度変容プロセス以外のプロセスも用いられます。

カスタマージャーニーは日本語では?

カスタマージャーニーは日本語では「顧客の旅」を意味します。顧客が商品やサービスと出会い購入するまでの過程を一種の旅と捉えた言葉です。企業目線でなく顧客目線でマーケティングを構築することで、施策の効果向上や迅速な意思決定を可能とします。

カスタマーエクスペリエンス(CX)との違い

カスタマージャーニーと混同されがちな言葉としてカスタマーエクスペリエンス(CX)があげられます。日本語で「顧客体験」を意味する言葉で、カスタマージャーニーとの違いは以下の通りです。

カスタマーエクスペリエンス:商品の認知~購入の各プロセスで顧客に感じてもらいたい企業価値やブランド
カスタマージャーニー:商品の認知~購入のプロセス全体をまとめたもの

カスタマーエクスペリエンスが顧客体験を1シーンずつ切り取っているのに対し、カスタマージャーニーは全体のプロセスを俯瞰しています。まずはカスタマージャーニーで全体を整理し、各プロセスのカスタマーエクスペリエンスを高める施策を検討するのが一般的です。

カスタマージャーニーマップとは

カスタマージャーニーマップとは「顧客の旅の地図」を意味し、カスタマージャーニーを通じて作られる1枚のマップです。商品の認知~購入に至る流れが態度変容プロセスに沿ってまとめられ、顧客にアクションを起こしてもらうためのポイントや課題を可視化します。

カスタマージャーニーマップは複数種類存在しており、代表的なものは以下の3つです。

・マクロ型ジャーニーマップ

マーケティング戦略立案フェーズで作成されるマップで、マーケティングの全体像を鳥の目、つまり俯瞰的に見ることを目的としています。マーケティングファネル(商品の購買過程をフェーズ化したもの)に顧客との接点やKPIを設置し、どのあたりに優先課題があるか探るのが目標です。

・ミクロ型ジャーニーマップ

マクロ型と同じく、マーケティング戦略立案フェーズで作成するマップで、商品の体験価値を虫の目、つまり細かい視点で見ていきます。顧客体験の時系列や評価推移を1つずつチェックし、ボトルネック(顧客満足度や体験価値を引き下げる要因)を探っていくのが目標です。

・シナリオ型ジャーニーマップ

マーケティング施策実行フェーズに必要な、デジタルマーケティングツールの顧客育成シナリオです。マーケターの目から顧客体験を見ることを目的としており、時系列や顧客接点ごとに必要な施策を検討して組み立て、ツールに登録するのが目標です。

カスタマージャーニーの目的とメリット

カスタマージャーニーの作成には時間と労力がかかるものの、多くの企業で実際に作成されています。なぜカスタマージャーニーを作成する必要があるのか、目的とメリットを見ていきましょう。

複雑化する顧客心理・購買行動の理解

インターネットの台頭により顧客接点が増大した結果、顧客心理や購買行動プロセスは複雑化しています。Webサイトの行動ログやアンケートで断片的な情報はつかめるものの、顧客が全体的にどのような動きをしているか見極めるのは困難です。

そこで、カスタマージャーニーでペルソナの動きや心理を可視化して顧客理解を深める手法が一般的となりました。複雑な顧客体験をシンプルなストーリーと明確な時系列で理解できるため、マーケティング戦略立案やマーケター育成に役立ちます。

顧客目線でのサービス・商品の提供

カスタマージャーニーにより、これまで企業目線であやふやに行ってきたマーケティングを顧客目線で行えるようになります。モノが売れない時代とされる現代では、より顧客目線に沿った商品の開発が必要です。

購買時の顧客心理をカスタマージャーニーで整理することで、より広い視点からマーケティング施策を打ち出し、競争力の高い商品を提供できます。

社内の意思決定の迅速化

カスタマージャーニーマップをチームメンバーと共有すれば、顧客心理に対する理解が統一され、施策の検討や決定がスムーズに進みます。マーケティングオートメーションツールの導入やステップメールのシナリオ作成も、カスタマージャーニーを共有していれば迅速に実行可能です。

カスタマージャーニーのマップの作り方

カスタマージャーニーの作り方は6ステップに分類できます。なるべく多くの部門担当者を集め、部門を横断するチームを編成し、マップの精度を向上させましょう。

ペルソナの明確化

まずはカスタマージャーニーの対象となるペルソナを明確化します。ペルソナは見込み顧客の特徴を現した人物像で、年齢、性別、趣味、日常生活、日ごろ感じている悩みまで細かくリサーチします。

リサーチに必要な情報を収集する手法は、以下の通りです。

・社内の顧客データから人物像を特定する
・自社サイトの閲覧履歴から顧客の特徴を把握する
・競合商品の顧客をリサーチする
・数値化できないデータを収集する定性調査(インタビューなど)を行う
・数値や量で表せるデータを収集する定量調査(アンケートなど)を行う

既存事業であればすでに保有している顧客データや閲覧履歴から、新規事業であれば定量調査や定性調査を行い、精度の高いペルソナを作成しましょう。

ゴールの設定

作成するカスタマージャーニーマップにはゴールが必要です。航空会社であればチケット購入、美容院であれば新しいお客様の来店やリピートなど、業種によってゴールは異なります。問い合わせ、購入、リピート購入など、終着点に設置するゴールを決定し、集める情報や検討すべき施策を逆算していきましょう。

フレームの決定

カスタマージャーニーのフレームとしてよく使われるのはマクロ型、ミクロ型、シナリオ型の3種類です。それぞれの違いは以下の通りとなっています。

マクロ型:マクロ視点からマーケティングの全体像をとらえ課題点を発見する
ミクロ型:ミクロ視点から顧客体験を1つ1つ確認しボトルネックを発見する
シナリオ型:マーケーター視点からシステムに登録するシナリオを作成する

インターネット上ですぐ利用できるフレームワークやテンプレートが公開されており、ダウンロードすればすぐに用意できます。

テンプレートの作成

フレームには縦軸と横軸があり、定めたゴールに対応する軸を埋め込んでいきます。縦軸には「注意」や「興味」など態度変容プロセスに沿った顧客の心情、横軸には以下の情報を埋め込むのが一般的です。

・顧客の各プロセスごとの行動
・顧客と企業の接点(SNSや店舗など)
・顧客の思考
・判明した課題
・課題に対する対策

設定したゴールに応じて必要な情報は変動するため、これらの要素が必ず正解とは限りません。「ゴールに応じたテンプレートは何か?」を意識しましょう。

マッピング

事前に設定したフレームとテンプレートに情報を1つ1つマッピングし、顧客の行動や思考を可視化していきます。マーケターだけでなく、エンジニアやセールスも含む多様な人材で意見交換を行えば、カスタマージャーニー作りは有意義なものとなるでしょう。

カスタマージャーニーの完成

一通りマッピングが終われば、グルーピングを行いながら情報を整理し、顧客の思考や行動を一つのストーリーとしてまとめたカスタマージャーニーを完成させます。イラストなども活用し、誰もが内容を理解しやすいようにするのがおすすめです。

カスタマージャーニーマップの欠点とは

顧客体験を理解するうえで重要なカスタマージャーニーにも、欠点が存在します。

それは、顧客がYESと判断した行動や心理しか可視化できない点です。次の段階に進んでいくのを前提とするため、NOや無関心を示した顧客心理までは理解できないまま終わってしまいます。自己満足で終わるカスタマージャーニーは避けなければなりません。

もしカスタマージャーニーマップの完成度が低いと感じた時は、要所要所でNOや無反応が発生したケースを想定してみましょう。NOや無反応を示した顧客がどのような行動や心理をたどるかを併記すれば問題点が見えてきます。

カスタマージャーニー作成時の注意点

カスタマージャーニー作成にはいくつかの注意点があります。作成時に意識し、より効率的なカスタマージャーニーマップ作りを目指しましょう。

作成のゴールや目的を明確にする

単に顧客行動や心理を並べただけでは、有益な情報を見いだせないまま終わってしまいます。作成のゴールや目的を明確化し、得た知見を新たなる施策やマーケティングに生かしましょう。

希望や憶測だけで作成しない

カスタマージャーニーは顧客のYESに注目する傾向にあるため、作成者の希望や憶測が混じりがちです。現実の顧客行動と違う結果が出た時は、さまざまな人材の意見を改めて収集し、各ポイントで楽観論に陥っていないか確認しましょう。

定期的に見直しをする

カスタマージャーニーは一度作成すれば終わりではありません。顧客の心理や行動は月日がたてば変化します。一度作成したマップには何度も手を加え、状況に応じて最適化し、常に最新の状態を保ちましょう。

まとめ

カスタマージャーニーはいまや定番といえるフレームワークであり、マーケティングや顧客心理分析に欠かせないツールです。作成したマップはメンバー全員で共有し、状況に応じて適宜作り直すといいでしょう。カスタマージャーニーを業務に取り入れ、競争力の強化につなげてください。


プロフィール写真

WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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