既存PBXでスマホ内線化をするには?仕組みやおすすめサービスも紹介|トラムシステム
スマホを内線化するためには、一般的にFMCサービスやクラウドPBXなどの新しいサービスを導入しなければいけません。しかし、実は既存PBXでスマートフォンを内線化することも可能です。
この記事では、既存PBXを用いてスマホ内線化を行う方法、その仕組みやおすすめのサービスについて紹介します。
目次
スマホ内線化とは
スマホ内線化とは、個人が保有するプライベート端末や、会社が支給する業務用端末を内線電話機として利用できるようにすることです。
スマホ内線化によって時間や場所を問わずにコミュニケーションが取れる体制を作ることで、テレワークやフレックスタイム制などの多様な働き方にも対応できます。
スマホ内線化には以下のようなメリットがあります。
・外出中の社員にも内線で連絡が取れる
・外出先からも会社の番号で発信ができる
・オフィスにかかってきた着信をスマホに転送できる
・自宅や出張先からでも、オフィスにいる時と変わらずにコミュニケーションが取れる
なお、サービスによっては一部のメリットが実現できない可能性があります。スマホ内線化をする際には、具体的に期待することや必要な機能を整理しましょう。
スマホ内線化の仕組み
スマホを内線化するためには、PBX(主装置)をインターネットを接続する必要があります。それには主に次の4つの方法があります。それぞれの仕組みと特徴について説明しましょう。
クラウドPBX
クラウドPBXとは、クラウド上に設置されたPBX(構内交換機)にインターネットを通じてアクセスすることで、内線・外線・転送などの電話機能を利用するサービスです。
クラウドPBXでは従来の電話回線と物理的なPBX(ビジネスフォン)ではなく、インターネットとクラウド上のPBXで電話機能が提供されます。
このため、スマートフォンに専用のアプリをインストールし、WiFiやモバイルデータ通信などを使ってインターネットにアクセスすることで、その端末を内線端末として利用できます。
IP-PBX
IP-PBXのIPとは、インターネット上でデータのやりとりを行う際の決まり事や約束事を意味するInternet Protocol(インターネットプロトコル)の略称です。
IP-PBXとはIP回線、つまりインターネット回線を利用して動作するPBXを指し、さらにIP回線を利用して音声通話を行う電話をIP電話と呼びます。
クラウドPBXと同様にインターネットを用いてオフィスの電話設備を構築するため、スマートフォンに専用アプリをインストールするだけで、その端末を内線化できます。
クラウドPBXとの違いは、PBXそのものの設置場所です。クラウドPBXがクラウド上にあるのに対して、IP-PBXはオフィスに設置する「ハードウェアタイプ」と、サーバーなどにインストールする「ソフトウェア」のいずれかを選択する必要があります。
FMCサービス
FMCサービスはFixed-Mobile Convergence serviceの略で、インターネット通信を利用するIP電話機と携帯端末を連係させるサービスです。主に大手通信キャリアが提供しており、Softbankの「ConnecTalk」やauの「ビジネスコールダイレクト」などがあります。
FMCサービスには以下の3種類あります。
・内線ワンナンバー型
・モバイルVoIP型
・クラウドPBX型
既存のPBXや現在契約している通信キャリアとの契約を保持しながらスマートフォンを内線化できるのが大きなメリットです。
一方、オフィスとスマートフォンの内線電話はできても外線電話はできないサービスがある点や、複数の通信キャリアとの契約がある場合には契約を一本化しなければいけない点には注意しましょう。
FMCサービスについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
専用アダプター
オフィスにあるPBX(ビジネスフォンの主装置)と電話機をスマホ内線化機能を備えた専用のアダプターでつなぐことで、スマートフォンを内線化する方法もあります。
アダプターは電話回線網とインターネット回線網を中継する役割を担うため、既存のPBXの設備を保持したまま、アダプターを通じてインターネット回線にアクセスできる仕組みです。
内線化したいスマートフォンには、クラウドPBXなど他の方法と同様に専用アプリをインストールします。
既存PBXを活用してスマホ内線化をする方法
ここまで、スマホを内線化する方法をいくつか解説してきました。様々な手段がありますが、既存PBXを活用してスマホ内線化を実現したい場合には次の2つの選択肢があります。
1.専用アダプターとビジネスフォンを併用する
2.オンプレミスPBXとクラウドPBXを併用する
それぞれの方法の具体的な方法やメリットを説明していきましょう。
専用アダプターとビジネスフォンを併用する
この方法では、専用アダプター(モバイル内線アダプター)とビジネスフォンの主装置をつなぎ、ビジネスフォンからインターネット回線にアクセスできるようにします。
内線化したい端末にはアプリをインストールし、そのアプリを通じて内線電話などを行います。
この方法の一番のメリットは、導入する際の工事が小規模である点、既に保有しているPBXや電話機をそのまま利用できる点です。工事は専用アダプターをオフィスに設置するのみなので、事前の調査・打ち合わせなどが必要な回線工事や古い機器を処分する費用と手間も発生しません。
オンプレミスPBXとクラウドPBXを併用する
これはクラウドPBXでスマホを内線化したいが、既存のオンプレミスPBXもそのまま使い続けたい企業におすすめの手段です。
具体的にはインターネット回線を利用するクラウドPBXでスマホの内線化を実現しつつ、オンプレミスPBXには「VoIPゲートウェイ」を接続して、インターネット接続を可能にします。
VoIPゲートウェイとはアナログの電話回線とインターネット回線を中継する機器です。本来ならば互いにデータのやり取りができないクラウドPBXとオンプレミスPBXも、VoIPゲートウェイを通じれば可能となります。
この方法のメリットは、オンプレミスPBXでの環境がこれまで通り利用できることです。「クラウドPBXを段階的に導入したい」「既存のPBXのリース期間がまだ残っている」などの場合には、この方法がとられます。
ただし、利用するにはオンプレミスPBXとクラウドPBX両方の費用が必要になる点、VoIPゲートウェイの購入(レンタル)・設置・設定などの費用が発生する点には注意が必要です。
内線化したスマートフォンの使い方
ここまでの解説の通り、クラウドPBXやIP-PBXなどのサービスを利用すれば、スマートフォンにアプリをインストールするだけでその端末を内線化できます。
近年では、この仕組みを利用して従業員が保有するプライベート端末にアプリをインストールして、業務端末としても利用するBYOD(Bring Your Own Device)も広がっています。BYODを利用すれば、業務用端末の購入費用を削減したり、プライベート用と業務用の端末を2台持ち歩いたりする必要がありません。
BYODしたスマートフォンは、以下のように使い分けましょう。
・業務利用はアプリを通じて行う
・個人利用は今まで通り行う
重要なのは、スマートフォンが内線端末として機能するのは、専用のアプリを通じて利用した場合のみであることです。つまり、内線化したスマホであっても、アプリを経由しない発信などは個人の通話として扱われます。
専用アプリはLINEやSkypeのアプリのようなもので、無料の内線や会社が費用を負担する外線を利用するためには、必ずアプリを通じて行うことを覚えておきましょう。
まとめ
専用アダプターやVoIPゲートウェイなどを利用することで、既存PBXを残したままスマホの内線化が可能です。
それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、コストや利便性などを考慮しながら最適な手段を検討しましょう。
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WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。