クラウドPBXと5G丨超高速通信のメリットと音質比較ポイントを解説|トラムシステム
ビジネスフォンに代わる新たな通信手段として広がりを見せているクラウドPBX。すでに多くのベンダーで高速・安定した通信が実現されていますが、次世代通信規格5Gによってさらに進化すると見られています。
この記事では、現在利用されている4Gとの違い、5GによってクラウドPBXが今後どのように変化するのか解説します。
目次
クラウドPBXとは
オフィスに欠かせない電話の外線、内線、転送を司るPBX(電話交換機)をクラウド化したのがクラウドPBXです。インターネット回線を利用してシステムを構築するので、従来必要だった機器や電話回線が不要となります。
電話機、スマートフォン、パソコン(ソフトフォン)、Web会議システムなどと連携が可能で、端末を選ばないのも大きな特徴です。
クラウドPBXを導入した際のメリットは、数多く存在します。
1.回線敷設や機器設置工事がないため、早ければ数日~1週間で導入できる
2.地域の影響を受けないインターネット回線のため、移転しても電話番号が変わらない
3.回線の増減をブラウザからすぐ設定できる
4.一定の初期設定費用と月々の利用料金のみで運用可能
5.CTIやIVRを始めとする各種機能やオプション豊富
ビジネス環境の急激な変化、働き方改革の推進といった状況に対応できる優秀な通信システムです。
5Gとは
5Gとは「第5世代移動通信システム」の略で、携帯電話やスマートフォンの通信に用いられる次世代通信規格の5世代目となります。
通信規格は、1世代目である1Gから以下のような進化を遂げてきました。
1.音声通話のみをサポートする1G
2.テキストメッセージが可能となった2G
3.インターネットアクセスとビデオ通話を実現した3G
4.速度向上による高速通信が特徴の4G
5Gは4Gと比べインターネットアクセスが大幅に強化されており、通信速度の向上や同時接続数の増加をもたらすのが特徴です。2021年現在は限定的な範囲のみの適用に留まっていますが、各企業が5G対応のスマートフォンやサービスの開発を急ピッチで進めており、今後の運用範囲は日本全国に拡大していくと予想されます。
4Gとの違い
4Gの違いをより分かりやすく比較してみましょう。
1.高速・大容量な通信速度(4Gの約20倍)
2.低遅延(4Gの約10分の1)
3.同時接続数(4Gの約10倍)
通信速度の強化により、携帯端末やインターネット機器で視聴できる画像および動画は、より高精細なものとなります。4K/8Kの動画配信はもちろん、在宅医療や顔認証システムにも応用可能です。
また、低遅延によるほぼリアルタイムに近い通信が実現するため、これまで以上に素早いフィードバックも可能となります。万が一の事故が許されない自動運転の制御、人体の動きの反映が重要なVR/ARを利用したコンテンツも5Gあってのものです。
同時接続数の増加は、あらゆる機器にセンサーを設置してデータを収集するIoTに欠かせない要素です。IoTを利用して環境改善や人々の生活品質向上を目指すスマートシティの実現にも貢献します。
このような5Gの特徴を生かし、リアルとサイバー空間を完全に融合させるSociety 5.0という概念が実現すると言われています。
これまで人の手で行われていたインターネット空間の情報処理をAIやIoTが自動的に行い、解決に向けたアクションを提案可能です。少子高齢化や格差拡大といった社会問題を解決するテクノロジーとして期待されています。
5Gの普及でクラウドPBXはどう変わる?
電話回線を利用した通信とほぼ同じ品質で提供されているクラウドPBXですが、通信速度や回線の安定性が課題となる場面も存在しました。ですが、5Gの登場によりそれらの不安は解消され、さらなる利便性の向上が可能です。今後起こりうる変化を予想してみましょう。
通信の超高速・安定化
通信速度が最大数十倍となる大幅な高速化により、クラウドPBXによる通話や音声の品質は劇的に向上するでしょう。場合によっては必要だったネットワークの中継装置も完全に不要となるだけでなく、通話料金の低価格化も進行します。超低遅延化により、遠距離にいる相手ともリアルタイムで通信可能です。
同時接続数が飛躍的に向上
同時接続数も10倍となるため、多くの接続が集中して発生するパンクや品質低下もほとんど発生しません。繁忙期には数百人からの問い合わせを一斉に処理する必要がある大規模コールセンターでも安心して運用できます。混雑が予想されるパンデミックや災害発生時でも、通信網がそのまま利用可能です。
サービスが多様化する可能性も
これまでインターネットに接続されていなかった家電やビジネス機器なども5Gで接続対象となり、クラウドPBXと連携できるようになる可能性も存在します。従来のクラウドPBXには存在しなかった新たなサービスや商品が誕生し、オプションや機能の多様化が進むでしょう。
クラウドPBXの音声品質の比較ポイント
5Gで音声の高品質化が予想されているクラウドPBXですが、そもそも品質の悪いサービスを選ばない努力も必要です。クラウドPBXを契約する際の音声品質チェックポイントを紹介しますので、今後導入予定のある方は参考にしてください。
自社開発しているか
他者が開発したシステムを販売する企業より、自社開発したシステムを運用する企業の方がおすすめです。高い技術力の証となるだけでなく、システムごとの連携やアフターサービスの品質も期待できます。また、アップデートやバグ修正も迅速です。
弊社(トラムシステム)では自社開発のクラウドPBX「TramOneCloud」を販売しております。
音声システム導入実績3000社およびリピート率92%を誇る弊社が提供する製品で、高品質と豊富なUC(ユニティファイドコミュニケーション)機能を兼ね備えています。
小規模事業向けでより安価な「TramOneCloud Essential」も利用できます。
口コミ・満足度は良いか
口コミや満足度調査も念入りにチェックしてみましょう。企業のホームページでは音声品質の高さをアピールしていても、実際に導入している企業では「さほど良くない」と評価されている場合があります。
実際に利用したユーザーの満足度、システムを利用している企業の数(導入実績数)をもとにチェックするのがおすすめです。
トライアルで確認してみる
無料トライアルが提供されているサービスはぜひ利用し、品質を徹底的に確認しましょう。音声が気になる場合におすすめなのが「音声品質が悪くなるシチュエーションで利用してみること」です。
1.アクセスが集中する混雑時に利用してみる
2.大規模なファイル送受信を行い、わざと回線容量を圧迫して利用してみる
3.電磁波の影響がないか、業務で利用する様々な家電や電子製品と共に利用してみる
これらの環境下でも安定して稼働していれば、実際に導入しても品質の劣化を恐れる心配はないと言えるでしょう。
まとめ
「インターネット回線なので音声品質が不安…」と感じる意見も多いクラウドPBXですが、現時点で電話回線を利用したサービスと大差はありません。
インターネット通信に確信をもたらす5Gの登場後は品質が完全に逆転し、ビジネスフォンがクラウドPBXへ急速に代替されると予想されます。企業の通信網をビジネスフォンからクラウドPBXへと変更し、5G時代の到来に備えましょう。

WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。