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2019.10.20

高速大容量・低コストを実現する5Gで私達の生活はどう変わる?|トラムシステム

「5Gってなんだろう。最近よく聞けどちゃんと理解してないなぁ…」で終わっていませんか?第5世代のモバイル通信規格である5Gは、2020年には本格的に始動します。現在の4Gから通信速度を筆頭にあらゆる面が急激に変化するので、今のうちに概念を理解して備えなければなりません。本記事で5Gの特徴、4Gとの違い、世界がどう変わるか分かりやすく解説します。

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5Gとは

5Gは「第5世代移動通信システム」「Fifth Generation」と呼ばれる、新世代の通信技術です。現在の4Gに代わる新たな世界標準規格として、2020年の実用化に向けて研究が進んでいます。

2020年代はあらゆるモノがネットワークで繋がり管理される「IoT」、仮想現実を体験出来る「VR」、一部分野では人間の脳を凌駕した「AI」が台頭すると予測されていますが、5Gはこれらの発展に欠かせない技術です。パソコン、スマートフォン、家電、車などあらゆる機器に5Gが適用され、これまで技術的に開発困難だった超高速通信や新技術が実現します。

では、具体的に5Gはどのような仕組みとなっているのでしょうか?「高周波帯」「超多素子アンテナ技術の開発」という2つのキーワードで説明しましょう。

「高周波帯の利用」とは、4Gでは活用できなかった高周波帯域を、通信に利用する技術の開発です。基本的に、周波数が高くなればなるほど通信スピードは上昇し、取り扱えるデータ量も増えます。5Gは高周波帯を利用することで、4Gよりも高速・大容量通信が可能となったのです。

もう一つが、「超多素子アンテナ技術の開発」です。膨大な量のデータを並列に伝送する「マルチビーム空間多重」が可能なアンテナ技術で、5Gには欠かせない存在となっています。施設が大型化してしまうのが難点でしたが、近年は小型化が進み、屋外での通信実験にも成功しています。

参考:三菱電機とドコモ、5G屋外実験で世界最速の27Gbpsを達成

2035年までの5Gによる経済効果は、イギリスの研究機関の予測で1,380兆円に上るとされています。設備投資や法律整備など導入までに複数の障害は残っていますが、それらを乗り越えたとき、通信業界に革命が起こることでしょう。

5Gの特徴

それでは、5Gには具体的にどのような特徴があるのでしょうか。4つのポイントを紹介します。

1.高速大容量
現在使われている4Gの通信速度は100mbps~1Gbpsほどです。これが5Gになると100Gbpsを超える、約100倍まで速くなるといわれています。4K/8Kテレビに代表される高微細映像や、VRに代表される臨場感あふれる映像もスムーズに視聴可能です。

2.低遅延
ダウンロードに時間がかかっていた動画やオンラインゲームも、5Gになれば1瞬でダウンロードが完了します。これまで電波が届きにくい・遅延しやすかった地方都市や離島でも、通信機器を快適に利用可能です。

3.低コスト/省電力
Io Tや自動運転実現のため、低コスト化や省電力を目指した研究も盛んです。4Gよりも高効率で運用できる・高周波帯域は同じ消費電力でより高い処理性能を得られるというメリットもあります。

4.多接続
機器の同時接続数は4Gの3〜40倍まで増えると言われており、スマホやパソコンだけでなく、家電やセンサーなどあらゆる電子機器がネットワークで接続されます。IoTが実現できるのも、5Gによって大量の機器による同時接続が可能となったからです。

1G~4Gまでの歴史

このように5Gによって大幅な進化を遂げる通信技術ですが、1G〜4Gまで長い間進化を続けたからこそ得られた成果と言えます。通信技術が、今までどのように発展してきたのかおさらいしましょう。

1.アナログ携帯電話の1G
1985年に登場したアナログ携帯電話ショルダーフォンから、1Gの歴史が始まります。ショルダーフォンの重さは3kgと非常に重く、通話料金も非常に高額で、一般市民はなかなか手に入れることが出来ませんでした。主な利用用途は業務用でした。

2.デジタル化の2G
2Gが登場した1993年から、一般市民も携帯電話を手に入れるようになります。メールの送受信やインターネットへの接続が可能となり、利便性が格段に向上しました。ただし、情報はテキストとなっており、動画を見ることは通信速度上困難でした。

3.高速データ通信の3G
2Gまで各自バラバラだった通信規格を、一つに統一して1999年に開始されたのが3Gです。
大容量・高速化が進み、通話品質も向上してストレスなく利用できるようになりました。動画やwebサイトの閲覧も、スムーズに行えるよう進化しています。

4.スマートフォン用通信の4G
当時急速に普及していたスマートフォンに対応するべく、2012年から開始したのが4Gです。さらに大容量・高速化が進み、外での通信や動画投稿サービスも流行しはじめました。我々が現在利用しているのは、大半が4Gです。

5Gサービス開始で生活はどう変わる?

5Gによる生活の激変は、私たちの予想をはるかに上回るペースで進んでいきます。以下で挙げていく例も、ほんの一部にすぎません。最新情報を常にチェックし、変化に置いて行かれないようにしましょう。

働き方改革の促進

企業によっては浸透していないところもある「働き方改革」ですが、5Gの登場によって一気に進むと予想されます。高微細画像による鮮明なテレビ会議、途切れないライブチャット、3Dによる立体映像が導入され、まるで「オフィスにいるような感覚で働くこと」が可能となるからです。自宅にいながらでも、日本企業が重んじる「顔を合わせたコミュニケーン」が再現できます。

地域格差の是正

人手不足にあえぐ地方にも、5Gによる革新がやってきます。まず、バス・自動車の全自動化により、都市部から離れていても交通手段に困りません。医療機器はネットワーク化され、東京にいる医師が地方の患者を手術出来るようになります。学校ではオンライン教材が標準となっており、教師は生産性の高い業務に従事可能です。

自動運転車のさらなる普及

詳細なマップデータの入手、タイムラグのない操作の実現など、5Gによって自動運転車は完成します。現在では人間の補助を必要としますが、将来的には完全自動運転化することが技術者の目標です。単に自動運転化するだけでなく、センサーの充実による事故防止技術や故障を発見するためのリアルタイムチェック技術などの研究も行われています。

IoTの普及

あらゆる電子機器がネットワークで繋がるモノのインターネット化「IoT」も、5Gの登場によってその真価を発揮します。2020年には 500億の機器がIoTによって繋がるとされており、高速・大容量の5Gでなければ扱えないほど膨大なデータ量です。センサーが適切なタイミングで野菜に水をやる、マーケティングに必要なビッグデータをIoTから入手するなど、人手不足の時代に欠かせない技術となります。

より快適なネット体験

5Gが導入されれば、回線の遅延や動作の不安定化といった、現在のインターネット環境を取り巻く問題がほとんど解決されるでしょう。コミュニケーションツールとして画像ではなく動画を利用することが当たり前となり、ライブ中継も場所を選ばずに見ることができます。VR・AR技術を併用すれば、「遠く離れたスタジアムの光景を、まるでその場にいるかのように全身で楽しむ」事も可能です。

世界の5G事情

急ピッチで導入が進んでいる5Gですが、日本と世界で開発・普及状況に差異があります。世界の5G事情を確認して、適切な行動を取れるようにしましょう。

アメリカ

大手キャリアのSprint(スプリント)が、ニューヨーク、ロサンゼルス、ワシントンなどの大都市で、すでに5Gサービスの導入をスタートさせています。2019年時点で1100万人の人口をカバーしており、2020年にはさらに範囲を広げていく予定です。

ただし、4Gのころとは違って、5Gでは中国の華為(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)が先行しており劣勢です。巻き返しのために200億ドル(約2兆円)の資金を投入する一方、すでに「6G」の導入をにらんだ研究を促しています。

中国

ハイテク振興策「中国製造2025」の重点項目である5Gの導入を、華為(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)を中心に急ピッチで進めています。知的財産の獲得や独自技術の獲得などでアメリカに先行しており、「当面は優位性を築く」というのが専門家の分析です。

ただし、華為(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)との取引を停止するよう自国企業に求めるなど、アメリカも対抗措置を打ち出して対抗しています。通信機器パーツの供給源が絶たれるため、パーツの内製化が今後の課題です。

日本

すでに一部地域で5Gを導入した中国、アメリカ両国と比較すると、未だに利用できない日本は遅れていると言わざるを得ません。総務省が全国に5G網を展開するための政策を、急ピッチで打ち出しています。

ユニークな技術としては、大流行している「ポケモンGO」や「ドラゴンクエストウォーク」と行った位置情報ゲームへの利用が期待されています。大型イベント時に、特定の場所へ1,000人が集合するといったことも5Gなら可能です。

日本での5Gサービス開始時期

日本の各キャリアは、2020年に5Gを導入するスケジュールで動いています。ドコモは2020年春、ソフトバンクが2020年3月、楽天が2020年6月開始予定で調整しており、キャリアごとにスケジュール違うので注意が必要です。2020年夏のオリンピックで、5Gスマートフォンや関連技術が公開される可能性もあります。

まとめ

通信業界だけでなく、生活すべてを一変させてしまう可能性を秘めた5G。残念ながら日本での導入が遅れ気味ですが、今の内に技術への理解を深めるチャンスです。最新情報を収集し、来るべき5G時代に備えましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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