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2021.02.12

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IP電話(050)で緊急通報をするには?緊急時に使えるアプリや発信方法を解説|トラムシステム

電話番号が050から始まるIP電話は、月額料金や通話料が安いことから人気である一方、110や119などの緊急通報ができません。IP電話(クラウドPBX)でも同様です。

この記事では、IP電話で緊急電話をかける方法について解説しますので、業務やプライベートでお使いの方は参考にしてください。

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IP電話(050番号)で緊急通報ができない理由

IP電話(050番号)で緊急通報が不可能なのは、位置情報提供機能がないためです。

110や119からはじまる緊急電話番号には、電話をかけた人物の位置を特定する機能が備わっています。固定電話であれば市内の地図情報が、スマートフォンであればGPSによる位置情報が消防車や警察署に発信され、それをもとに現場へ急行する仕組みです。

しかし、音声情報のやり取りに特化したサービスであるIP電話(050番号)には、位置情報を相手側に発信する機能が備わっていません。

ただし永続的なものではなく、2024年からはじまる公衆交換電話網(PSTN)のIP網移行で少しずつ解消されていくでしょう。NTTが提供する「ひかりPBXクラウド」のように、IP電話(クラウドPBX)で緊急電話にかけられるサービスも登場しています。

また、「VoIPゲートウェイ」によってアナログの電話回線とインターネット回線を繋いでIP電話を構築している場合は、通常通りの緊急通報が可能です。

IP電話から発信できない番号

IP電話で発信できない電話番号は緊急電話だけではありません。ただし一律ではなく、IP電話サービスを提供するベンダーによって利用できない番号が異なります。サービスを契約する前に、利用できない電話番号を確認しておきましょう。

【IP電話で発信できない番号の一例】

・110:警察への緊急通報
・119:消防・救急への緊急通報
・118:海上事件・事故の緊急通報
・177:天気予報
・115:電報の申し込み
・117:時報
・113:設定・トラブルサポート
・144:迷惑電話お断り
・0570:ナビダイヤル

IP電話で緊急電話をする方法

IP電話で緊急電話を利用したい場合は、いくつかの対策を講じる必要があります。2つ存在しますので、自分によりマッチした方法を選択しましょう。

1.「緊急通報ナビ」アプリを利用する

「緊急通報ナビ」は最寄りの警察署の住所と電話番号をマップ上に表示する無料アプリです。マップをタッチすればすぐ警察署へ連絡できるため、110番号よりも迅速に通報できます。火災の場合は同じシリーズの「火事・救急通報ナビ」で消防署を表示可能です。

ただし、これらは公的機関の公式アプリではありません。情報の正確さや動作の安定性がどこまで保証されているかは未知数です。更新頻度を確認しながら利用しましょう。

2.連絡先を個別に登録する

活動地域周辺の警察署、消防署の連絡先を登録しておく方法もあります。警察署や消防署には3桁の緊急番号の他に市外局番からはじまる電話番号もあるため、スマートフォンの電話帳に登録しておけばいざという時の緊急通報に不自由しないでしょう。

しかし、旅行や出張などで一時的に滞在している場所で、管轄内の警察署や消防署を都度調べるのは効率的ではありません。自宅や勤務先にいる時は最寄り施設の連絡先に連絡する、遠方にいる時は「緊急通報ナビ」を利用するといった使い分けがおすすめです。

緊急通報ができないのはクラウドPBXも同じ

クラウドPBXとは、内線通話や外線と内線の接続を行う機器PBX(電話交換機)をクラウド化し、インターネット回線を通じて利用可能としたIP電話サービスです。会社にPBXや回線を設置する必要がなくなり、スマートフォンも内線端末にできる点が人気を集めています。

このクラウドPBXも、インターネット回線では位置情報を取得できない仕組み上、110や119などの緊急電話番号に発信できません。(一部のサービスでは利用可能)

スマートフォンの内線化や電話設備のデジタル化を成し遂げるソリューションとして企業での採用が進んでいるため、業務用で導入する場合は注意が必要です。特に建設や警備など安全管理が重要な業務では、思わぬ落とし穴になる可能性もあります。

先ほど紹介したIP電話で緊急電話をする方法はクラウドPBXでも使えるため、アプリのダウンロードや連絡先を登録しましょう。

万が一のために緊急番号は事前に確認を

050番号アプリやクラウドPBXをはじめとするIP電話サービスには、緊急通報などの特殊番号を利用できないというデメリットが存在します。導入する場合は、いざという時に備えて発信できない番号を確認し、最寄りの警察署や消防署の連絡先を登録しておきましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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