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2023.03.12

コンタクトセンター / コールセンター /

クラウド型コールセンターのメリットとシステムの比較ポイントを解説|トラムシステム

お客様からの問い合わせ内容の管理や着信の振り分けを行うコールセンターシステム(コンタクトセンターシステム)。このコールセンターシステムをクラウド化し、インターネットを通じてサービスとして利用する運用方法が広がっています。この記事では、コールセンターシステムをクラウド化するメリットとシステムベンダーの選び方を解説します。

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クラウド型コールセンターシステムとは

コールセンターシステムとは、お客様からの問い合わせを受けるためのコールセンターやコンタクトセンターの業務をサポートするシステムです。具体的には、電話がかかってきた時点でオペレーターに顧客情報や過去の問い合わせ内容などを表示します。

コールセンターシステムのクラウド化とは、コールセンターシステムを提供するベンダーと契約し、クラウド上に置かれたコールセンターシステムをインターネットを通じて利用することです。短期間で構築ができる点や他システムとの連携のしやすさ、さらにインターネットに接続するだけでサービスが利用できる手軽さから導入が広がっています。

コールセンターシステムを構築方法には、クラウド化以外にシステムを自社で新しく構築していくオンプレミス型があります。オンプレミス型は自社でシステム構築を行うため初期費用や導入期間がかかる一方で、セキュリティ要件や機能要件を自社にあわせて設計できる点がメリットです。

コールセンターシステムの導入メリット

クラウド型、オンプレミス型に関わらず、コールセンターシステムを導入することで以下のようなメリットが受けられます。

1.コールセンター業務の効率化

着信があった際、オペレーターにつなげる前に自動音声で応対したり、待ち時間の長いオペレーターに優先的に振り分けたりなど、オペレーターの稼働状態を確認しながらお客様対応を効率的に進めることができます。

2.お客様対応の品質向上

これまではお客様と話して初めて問い合わせ内容を把握するため、対応したオペレーターの担当外であったり、質問内容が高度すぎて回答ができないといったことでお客様を待たせてしまうことが多くありました。

コールセンターシステムの導入により、お客様からの問い合わせ内容を事前に自動音声で振り分け、専門スキルを保有したオペレーターにつなぐことも可能になります。また、先輩社員やスキルの高いオペレーターの対応音声を録音し、新人研修やスキルアップ研修の教材として利用すれば、コールセンター全体のレベルアップにもつながります。

3.お客様情報の有効活用

日々コールセンターには、相談、質問、クレームなど様々な問い合わせがあり、今後のマーケティング活動や営業活動に役立つ情報が多く集まります。CRMシステムとの連携によってそういった貴重な情報を別部署に共有することができます。

クラウド型コールセンターシステムのメリット

コールセンターをクラウド化するメリットは以下の通りです。自社のコールセンターで抱えている問題が解消・軽減されるか確認してみましょう。

1.導入コストが低い

クラウド化の大きなメリットは、導入コストがオンプレミス型に比べるとかなり安く抑えられることです。

オンプレミス型の場合はデータセンターの確保やネットワーク回線の契約、各種サーバの調達から設定、また立ち上げるまでのプロジェクト管理などの人件費など、多くの導入コストがかかります。

クラウド化することでこれらの導入コストは不要となり、設定を行うだけで使用することが可能になります。

2.導入期間が短い

オンプレミス型の場合は一からシステム構築していくことになるため、要件定義から設計、構築、テスト、リリースと各プロセスを経た上で初めて利用できるようになります。小さなコールセンターであっても数ヶ月、大規模となると1年以上かけて構築するため、コールセンターを利用できないビジネス上の機会損失が発生します。

クラウド型ならサービスの申し込みや設定など1週間~1ヶ月程度で開設可能です。キャンペーン対応で臨時コールセンターを設置したい、コールセンターの体制強化のために座席数や機能を拡張したいといった要望にもクラウド型なら直ぐに対応ができます。

3.運用コストを抑えられる

コールセンターを自社構築からクラウド化することで運用コストが圧縮できます。オンプレミス型の場合、構築した各種サーバの運用保守や障害時の対応のために社員を待機させる緊急時の体制も確保する必要があります。

クラウド化した場合はクラウドベンダーが一括して運用保守を行うため、こういった運用コストがかかりません。

4.外部システムとの連携が可能

クラウドコールセンターシステムは、外部システムとの連携が容易に行えます。そもそもクラウド自体が複数環境からのアクセスに対応できる設計になっており、各クラウドベンダーも他システムとの連携をすることで差別化を推進しているためです。

連携できるサービスはクラウドベンダーごとに異なるため、現在使用しているシステムとの連携可否は事前に確認しておきましょう。

5.リモートワークへの対応

リモートワークとは、オフィスに出社するのではなく自宅やレンタルオフィスなどの離れた場所で業務を行う勤務形態のことです。

コールセンターシステムをクラウド化することにより、都心部だけでなく地方にもコールセンターを設置することが可能になります。家族の転勤などで本社から離れた場所に引っ越すことになった人や、地元で働きたいという人の雇用に繋がるでしょう。

6.BCP対策にも

BCP(Business Continuity Planning)は事業継続計画と訳されます。自然災害やテロといった緊急事態が発生した際に最小限に被害を抑えつつ、事業を継続・復旧を目指すための計画や施策のことです。

オンプレミス型の場合は自社の拠点のみにデータが保有されることから、自然災害で自社の拠点に甚大な被害が及んだ場合には早期復旧、事業継続は困難になるでしょう。

一方、クラウド化することでデータのバックアップが複数拠点で行われることから、データが紛失して以前の状態に復旧することが難しい状況を回避できます。また、物理的に拠点が複数に分かれているため、例えば大阪で被害が出たとしても東京や福岡にあるサーバを使ってすぐにデータ復旧、事業継続が可能になります。

クラウド型コールセンターシステムのデメリット(注意点)

コールセンターのクラウド化には多くのメリットがありますが、デメリットや注意するべき点もいくつかあります。クラウド化の際にはデメリットが発生しないように、事前に対策を講じましょう。

1.継続的なライセンス料

デメリットの1つ目が継続的に発生するライセンス料です。オンプレミス型の場合は多額の初期費用が必要にはなりますが、一度構築してしまえば日々の運用保守費用のみとなります。

一方、クラウド型の場合はユーザー数や利用機能に応じた月額料金が発生します。長期的に利用する場合にはオンプレミス型よりもトータルコストが高くなってしまうこともあるため、初期費用のみならず中長期的なコストを試算するようにしましょう。

2.使いたい機能がない場合も

オンプレミス型は自社の業務に合わせて必要な機能を事前に設計して構築していきます。しかし、クラウド型の場合には独自仕様に合わせた機能の搭載はできず、あくまでクラウドベンダーが用意した機能の中から選ぶ必要があります。

自社の運用に合わせて使いたいと思った機能があったとしても、クラウドベンダーによっては提供されていないこともあるため注意が必要です。

クラウド型コールセンターシステムの比較ポイント

コールセンターをクラウド化する際のメリット、デメリットを理解したところで、システムベンダーを選ぶ際のポイントを確認しておきましょう。

コールセンターの規模

これから立ち上げるもしくはリプレースするコールセンターの規模がどのくらい必要か検討します。

例えば利用するのが単独部門のコールセンターなのか、会社全体の商品を受け付けるコールセンターなのかで必要な規模が異なってきます。特に大規模になればなるほど検討する項目も多くなり、一度導入してしまうと後から調整ができない部分も出てきてしまうため注意しておきましょう。

業務タイプ(インバウンド/アウトバウンド)

利用するコールセンターの業務タイプがインバウンドのみか、インバウンドに加えてアウトバウンドも実施するのか決定します。

インバウンドで求められる機能とアウトバウンドで求められる機能は大きく異なります。インバウンドのみの業務しかないのにアウトバウンドにも対応した機能を搭載するとそれだけ費用も膨らむため慎重に判断しましょう。

機能

コールセンターで必要とする機能を選定します。インバウンド、アウトバウンドで機能が異なっているように、インバウンド内でも様々機能があります。

もちろんすべての機能を搭載しているシステムは理想ですが、まずは業務遂行に必要最低限な機能に対応しているベンダーを選定するのが基本です。具体的な業務の棚卸しをしつつ、必要な要件の確認をしていきましょう。

カスタマイズ性

将来必要になる機能や事業規模が大きくなった場合の拡張やカスタマイズにどこまで対応できるかを確認します。クラウドベンダーからサービスとして利用することになるため、オンプレミス型と比べて機能拡張の点では制限があります。

特に今後規模が拡大した場合に必要となるであろう機能や拡張性の容易さなどは後々問題になる可能性があるため、忘れずに確認しておきましょう。

外部連携の可否

現在のコールセンターでは様々なシステムと連携することでコールセンター運営を行っているため、それらの連携が問題なく行われるかどうかも重要なポイントです。

クラウドベンダーによっては外部連携があまり得意ではないサービスや、外部連携のために追加費用が発生するケースもあるため、業務上連携が必須なシステムがある場合はその可否やコストを確認しておきましょう。

コスト

導入検討を進める上で重要なコストについて確認します。クラウドシステムは各種設定を管理画面で行えることから、初期費用は事務手数料などのみであることが一般的です。

検討ポイントとしては、必要な機能を搭載した場合の月額費用がどのくらいになるかです。複数社で相見積もりを取った上で適正な価格がどのくらいかを判断します。あまりに月額費用が高いようであればオンプレミス型の導入検討も必要になってくるため、どのくらいの期間を利用するかを検討した上でトータル費用が比較しましょう。

サポート体制と導入実績

導入後のサポート体制と導入実績を確認します。導入後の運用フェーズには問い合わせ対応のスピード感や対応品質、対応範囲が重要になってきます。

業務や業界に関する知見の有無はベンダーのHPなどに紹介されている導入実績で判断します。導入企業が多ければ多いほど、それだけ多くの導入事例やトラブルへの解決策を持っています。自社と同じような業種・業界の導入実績があるかどうかも判断基準の一つとなります。

まとめ

コールセンターをクラウド化には様々なメリットとデメリットがあります。コールセンターでどのようなことを実現したいか、そのためにはどういった機能が必要なのかを検討し、最適なシステムを選択しましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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