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2020.11.05

コールセンター / 課題 / 在宅 / デメリット /

在宅コールセンターの4つの課題と対処法丨セキュリティ対策も解説|トラムシステム

新型コロナウイルスの影響もあり、在宅コンタクトセンター・コールセンターへの注目が集まっています。しかし、いざ在宅のコンタクトセンターを導入したものの、デメリットや課題があり解決策を探している人もいるでしょう。この記事では、在宅コンタクトセンターで起こりがちな4つの課題と対処法について解説します。

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在宅コールセンター(コンタクトセンター)とは

在宅コールセンターとは、オペレーターが自宅からコールセンターの業務を行うことを指します。

会社がコールセンター業務を行う場合、専用ルームを設置し、機材やシステムを導入し、オペレーターを雇用する必要がありました。一方の在宅コールセンターでは、オペレーターは自宅で業務を行うため専用ルームを設置する必要がなく、業務委託など柔軟な労働契約を結ぶことができます。

またオペレーターは女性が多いということもあり、結婚や夫の転勤などを機に会社を退職する人も少なくありません。しかし在宅コールセンターなら、下記のメリットから仕事を辞める必要がなくなり、離職の防止や従業員満足度の向上といった効果が期待できます。

・必ずしも出勤する必要がないため、遠方に引っ越しても勤務を継続できる
・出産や育児など、ライフスタイルの変化にあわせた時短勤務を実施しやすい
・出勤のストレスが無くなるため、従業員満足度が向上しやすい

コールセンター・コンタクトセンターのテレワークが進められている理由

新型コロナウイルスによる外出自粛の要請により、コールセンターでも在宅勤務が浸透中です。実はコールセンターのテレワーク化が進められている背景には、外出自粛以外の理由があります。在宅コールセンターにはどのようなメリットがあるのか解説します。

人材不足解消のため

コールセンター業務を在宅勤務に対応させることで、人手不足の課題を解消できます。

コールセンターの離職率は決して低くありません。女性が多い職場なので、出産や結婚、夫の転勤を理由に退職する人がいます。引っ越し先に自社のセンターが無ければ転勤させることもできず、従業員は退職するでしょう。

コールセンターのテレワーク化は、こういった事情が引き起こす人材不足を解消するための手段として注目されています。在宅コールセンターであれば出勤する必要がないので、出産・結婚・配偶者の転勤といった理由で会社を辞める人を引き留めることが可能です。

新規採用を行う時、勤務地に縛られず全国から人材を募集できるのも人材を確保するうえでの強みとなります。

人件費の効率化のため

在宅コールセンターの導入は、人件費の効率化にも役立ちます。

コールセンター業務には、キャンペーンなどのイベントや年末年始などのシーズンなどの繁忙期があるものです。臨時スタッフを雇うための採用・教育コストは決して少なくありません。自社へ出勤できる人が採用条件となるため、雇用できる人の地域が限定されてしまう点は、従来型コールセンターのデメリットといえます。

一方で在宅コールセンターなら、オペレーターを全国各地から採用可能。従来型のコールセンターよりも人員補充を行いやすくなります。閑散期には在宅オペレーターに対して、インシデント(案件)完了件数を基準にした「単価契約」へ契約変更することで、人的リソースを調整しやすくなります。

採用コスト・教育コストを抑えつつ人的リソースを調整しやすい在宅コールセンターは、人件費の効率化に役立ちます。

設備の効率化のため

在宅コールセンターを導入すれば、設備投資の効率化が期待できます。

従来型のコールセンターでは対応能力を増やす場合、スペースの増床や新規オフィスの契約、パーティションの設置工事など、多額のイニシャルコストが発生するものです。

しかし在宅コールセンターなら、パーティションの設置工事や増床といった改装工事が不要。必要最低限のシステムと機材を導入することで、コストを抑えつつコールセンターの対応能力を増強できます。

設備投資の効率化を狙うのであれば、コールセンター業務の在宅勤務化を検討してみてはいかがでしょうか。

BCP対策のため

在宅コールセンターの導入は、BCP対策としてもおすすめです。

BCP(事業継続計画)とは、自然災害や重大事故などが発生したときに、事業への被害を最小限に抑えるための行動指針です。従来型のコールセンターでは被災した場合、次のような影響が考えられます。

・交通機関の乱れによるスタッフの遅刻または欠勤
・スタッフ数の不足による対応能力の低下
・十分なサポートを受けられない顧客満足度の低下
・通常よりも高負荷な環境で働く必要があるため、従業員満足度が低下しやすい

一方で在宅コールセンターでは、上記で挙げた問題点をほぼ解決できます。

出勤する必要がないため交通機関の乱れやスタッフの確保を行いやすく、通常に近い状態で業務を行えます。台風や不規則・不安定な交通状況のなか出勤する必要もないため、従業員の安全も確保されます。

業務や拠点の分散化は、BCPを考えるうえで重要なポイントです。

オペレーターのワークライフバランス向上のため

在宅コールセンターの導入は、オペレーター側の視点では下記のメリットがあります。

・勤務時間を調整しやすく、家事・育児と両立しやすい
・自宅で働けるため、通勤によるストレスが発生しない
・通勤時間がないため、時間を有効活用しやすい
・在宅コールセンターは「成約ごとに〇円」という成果報酬になることが多く、時給制よりも稼ぎやすい

在宅コールセンターにはこれらのメリットがあるため、オペレーターの満足度向上やワークライフバランス向上が期待できます。

在宅コールセンター・コンタクトセンターの4つの課題とデメリット

メリットの多い在宅コールセンターですが、導入するデメリットも注意すべきです。オペレーターがテレワークを行うことによって起こりやすい課題・デメリットについて解説していきます。

応対品質の低下

コールセンターの在宅化により、以下の理由から応対品質の低下が懸念されています。

・トラブル発生時に管理者が気付きにくいため、適切なタイミングでオペレーターへアドバイスできない
・新人オペレーターの教育を行いにくく、理解度をチェックしにくい
・共有された情報をオペレーター全員が把握しているかチェックしにくく、応対品質にムラが発生するリスクがある

対面でのディスカッションや情報共有ができる従来型のコールセンターでは起こりえなかった問題が、在宅コールセンターでは発生します。

上記の問題を解決するため、FAQの整備やウィスパー(オペレーターへの助言機能)の積極的な活用、テレビ会議やリアルタイムモニタリングといった方法で対策が企業では行われています。

労務・勤怠管理などのマネジメント

在宅コールセンターの普及がなかなか進まなかったことの原因の一つに、労務管理の難しさがあります。具体的には、下記のようなマネジメントの難しさが挙げられます。

・在宅オペレーターをどのように評価するべきか、判断指標がうまく作れない
・在宅オペレーターのモチベーション低下や悩み事の発見などがうまくできない
・在宅オペレーターを新規採用する場合、どのように遠隔で教育を行うか決まっていない

在宅オペレーターのスキルアップ方法や悩みごとを相談しやすい環境の整備、人事評価の方法など、マネジメントの整備が遅れているという問題点があります。オペレーター側としても在宅勤務になることで、オンとオフのメリハリがつかず、仕事に集中できなかったり逆に常に仕事が気になったりする人もいます。

このような問題を解決するには、専用ツールの導入や評価制度の再設計を行うことが重要です。勤怠管理はシステムを導入することで、オペレーターが稼働しているか休憩しているか、客観的に数値で把握できます。

定期的に1on1ミーティングを実施することで、オペレーターの悩みを早期発見することも可能。新規オペレーターに対しても、ビデオ会議システムやマニュアル動画を活用すれば、遠方でも十分に教育を行えます。

在宅オペレーターの労務・勤怠管理は大きな課題でしたが、ITシステムの発達により徐々に課題解決へのハードルが下がっています。他社の事例を参考にするなど、在宅コールセンターでも適切な労務管理が行えるように、まずは社内環境の見直しを行ってみてはいかがでしょうか。

コミュニケーション不足

オペレーターが在宅勤務になることで、同僚や上司と雑談する機会が減り、コミュニケーションが不足。これによって、下記のような弊害が発生しています。

・相手の表情が読み取れず、オペレーターが心理的な負担を感じるようになった
・一部の人がチャットツールを使いこなせず、返信が遅かったりメッセージを読んでいなかったりとコミュニケーションロスが発生するようになった
・雑談をする機会がなく、オペレーターは会社への帰属意識を持ちにくい

基本的にメッセージだけでコミュニケーションを行う在宅オペレーターだからこそ、上記のようなデメリットを感じやすいもの。これらの問題を解決するには下記の方法がおすすめです。

・コミュニケーションツールを導入し、情報共有はもちろん雑談もしやすい環境を整える
・出社日を設けて、実際に顔を合わせる場を定期的に作る
・Web会議システムを導入し、顔を合わせて話をする機会を定期的に作る

コミュニケーションの不足は応対品質のムラや低下を招くだけでなく、従業員満足度の低下や離職率の悪化を招くもの。効率的なシステムを導入するのはもちろんのこと、オペレーター同士のコミュニケーションを促進させるような仕組み作りも、在宅コールセンターを導入する上で大切です。

セキュリティリスク

在宅コールセンターを導入する上で一番気がかりとなるのが、セキュリティリスク。第三者に話を盗み聞きされるリスクがほとんどない自社コールセンター内とは異なり、オペレーターの自宅にはあらゆるリスクが存在します。

・通話内容をだれかに盗み聞きされるリスク
・パソコンが盗難されるリスク
・通信内容やデータが流出するリスク

これらのリスク対策については次の章で詳しく解説しましょう。

セキュリティリスクは3つの観点から対策

在宅コールセンターのセキュリティを高めるためには、下記の3つの観点から対策を行いましょう。

1.技術面の対策:ウィルス対策ソフトの導入やVPNの活用など
2.物理面の対策:デバイスに紛失対策を施す、情報の持ち出しルールを整備する、など
3.人事面の対策:テレビ会議システムを活用して業務を見守る、デバイスの私的利用を行わないよう教育を徹底する、など

これらの対策を行うことで在宅でもセキュリティレベルを高度に保ち、万が一のときはすぐに問題のあった端末からのアクセスを遮断できるようになります。さらにシンクライアントに対応したノートパソコンを導入して顧客情報をローカルドライブに保存するのをやめたり、VPNやセキュリティソフトを導入したりすることで、データ流出リスクをより抑えることができます。

在宅コールセンターのセキュリティ対策をさらに充実させたいとお考えであれば、以下の記事もご一読ください。

まとめ

在宅コールセンター・コンタクトセンターには様々なメリットがあるものの、セキュリティ対策やオペレーターの教育など、克服すべき課題も残っています。しかし専用システムの導入や人事評価制度の再構築など体制を整えれば、センターの在宅化は決して難しいことではありません。

採用力の強化や効率的な人件費の配分を考えているなら、この機会にコールセンター・コンタクトセンターの在宅化を、本格的に検討してみてはいかがでしょうか。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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