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2022.09.02

業務効率化 / AI / RPA /

【RPA事例集】企業や自治体の導入事例12選を紹介丨事務・経理など|トラムシステム

今まで人間が行っていた事務作業を自動化するRPAは、金融業、製造業、建設業、自治体などで採用され、定型作業の多い総務部門や経理部門の業務効率化を実現しています。

RPAが企業へどのような経緯で導入され、どのような成果をあげているか事例を紹介しますので、導入を検討中の方は参考にしてください。
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RPAとは

RPAとはホワイトワーカー(企業の管理部門で事務労働に従事する労働者)がパソコンで行っている業務を自動化し、業務効率化や人件費削減を実現するソフトウェアロボットです。データ入力や転記など、定型的で反復性の高い業務の自動化に効果を発揮します。

RPAを業務で活用するメリットは、以下の通りです。

・定型業務を人間よりはるかに早いスピードで遂行し業務効率化を実現
・パソコン1台でさまざまな業務を自動化し人件費を削減
・労働者の業務時間に余裕が生まれ生産性が向上

人間の業務を代行することから仮想知的労働者(デジタルレイバー)とも呼ばれており、日本企業の課題である人手不足解消や生産性向上に欠かせない存在です。

RPAでできること

RPAができることを具体的に見ていきましょう。現在広く流通しているクラス1(単純作業のみ自動化できるクラス)では、以下の業務を自動化できます。

・情報収集(競合企業の商品価格調査)
・データ登録(Excelへのデータ転記)
・データのチェック(納品書と検品の数量が一致するかチェック)
・メール送信(特定の条件を満たしたときに共有メールを自動送信)

AIとの連携を行うクラス2(情報解析や非定型データの読み取りが可能)やクラス3(業務だけでなく企業の意思決定も自動化)であれば、より高度な業務を任せられます。

RPAの仕組み

記録と実行の2ステップでソフトウェアロボットに業務を学習させるのが、RPAの仕組みです。

記録

学習させたい業務の手順を記した「シナリオ」と呼ばれるデータを編集し、RPAに学習させます。シナリオはドラッグ&ドロップでフローチャート図を作成する、Excelマクロのようにキーボードやマウスの動きを学習するなど、専門知識がなくても編集可能です。

実行

事前に作成したシナリオを実行するようRPAに指示を出します。特定の日時に稼働するようスケジューリングを行えば、指示を出さずとも自動で起動することが可能です。RPAは自らマウスや画面を操作し、学習した業務を自動で遂行し続けます。

【業界別】RPAの活用事例12選丨事務・経理・営業など

RPAは事務、経理、営業など多種多様な業務に導入され、多くの企業で成果を挙げています。活用事例12選を紹介しますので、自社に応用できる業務がないかチェックしてみましょう。

【金融】三井住友銀行

2017年に「3年で500億円、中期的には1,000億円のコスト削減を実現する」財務目標を掲げ、そのために必要な業務改革の一環としてRPA「UiPath」を導入しました。複数のコンサルティング会社がパートナーとして参画しており、運営管理体制構築の支援に当たっています。

RPAを導入した結果、顧客往訪前情報収集業務を80%、金融商品モニタリングに関する集計業務を35%効率化するなど多数の業務の自動化を実現しました。2019年までに350万時間分の業務量削減に成功しており、これは社員1,750人分の業務量に匹敵します。

2020年の新中期経営計画では「次の3ヵ年でさらに業務時間300万時間(1,500人相当)を削減する」と新たに発表されました。RPA導入で得たノウハウをもとに、グループ外の企業に生産性向上施策を支援する新事業「SMBCバリュークリエーション株式会社」も設立しています。

参考:三井住友フィナンシャルグループ

【金融】楽天カード

約200種類に及ぶ事務作業の効率化を測るため、RPAツール「WinActor®」の実証実験を実施しました。社員に体験してもらった結果、Excelなどの表計算ソフトを利用した事務作業への投入が適していると判明し、最終的に12種類の業務が自動化対象に選定されています。

事前に業務の選別を行ったため自動化はスムーズに進行し、業務時間を75%削減することに成功しました。今後は人間、ロボットが担当する業務を明確に切り分け、より作業品質を高めていく予定です。

参考:NTTデータ

【住宅・建設業】フジ住宅

同社で行われている「経営理念感想文」にてRPAのレポートが掲載され、関心が高まりました。担当者へのヒアリングや課題の抽出を積極的に行った結果「最初から複雑な業務を担当させない」方針で開発がスタートし、2018年にRPAツール「AutoMate」の本格導入に至ります。

主にExcelを利用した定型業務27種類で平均73%の業務時間削減を実現し、年間1,000時間以上を余力化することに成功しました。今後は、他のRPAシステムとの使い分けや開発済みシステムを別のシステムに応用する部品化を行い、ロボットの開発をスピーディに進める予定です。

参考:iMagazine

【住宅・建設業】LIXIL

建材大手5社が合併して誕生した同社は、これまでバラバラだったIT部門の業務改善やデジタル化を課題としていました。社員を基幹系システム統合業務に集中させる必要があったため、働き方改革推進も兼ねてRPAツール「SynchRoid」とAI-OCRサービス「DX Suite」を導入しています。

結果、1年間で約250種類のソフトウェアロボット開発に成功し、グループ全体でのRPA活用に成功しています。業務部門主導でロボット開発を行う運用体制作りのため、開発者の育成にも力を入れており、最終的に700名の開発者を育成する予定です。

参考:
Softbank
JBPress

【インフラ業界】西部ガス情報システム

四半期決算に伴う300項目以上の仕分け入力およびチェック業務に4時間を要しており、経理部門の長時間労働が課題でした。そこで、2017年にRPA活用に関する取り組みを開始し、Excelへの仕分け入力を行うRPAツール「メロン2号」を開発しています。

「メロン2号」を投入した結果、仕分け入力およびチェック業務が5分で完了するようになり、所要時間の大幅な短縮に成功しました。今後は浮いた人的リソースの活用やロボットに任せられる業務範囲の拡大を行い、さらなる業務効率化を実現する予定です。

参考:RPA奉行

【情報通信】フォーバルテレコム

事業展開が多岐に渡ったことで、請求書だけでも毎月20万件の処理が必要となり、煩雑さを解消するためにRPAの導入を決定しました。画像認識と座標で操作を記録するタイプは挙動が不安定だったため、HTMLやファイル内容を解析して認識する「SynchRoid」を導入しています。

「SynchRoid」はフォーバルテレコムの環境で安定して稼働し、年間約5,000時間分の業務量削減に成功しました。時間的余裕が生まれたことで、さらなる業務効率化やDX推進に挑む気運を高めることにも成功しています。

参考:Softbank

【製造業】サッポロビール

小売店百数十社が公開するPOSデータを分析業務に活用してきたものの、1週間で約160回もの操作が求められるなど膨大な作業量を必要としました。単純作業の連続によるミスやモチベーション低下も問題となり、RPAツール「Autoブラウザ名人」の導入に踏み切りました。

結果、自動的にPOSデータのダウンロードが可能となり、年間5,700時間の労働時間削減、1,100万円の人件費削減に成功しています。

参考:東洋経済

【製薬業】中外製薬

2018年からCFO(最高財務責任者)の直轄プロジェクトとして開始され、RPA案件の一元管理するシステム「RPA IDEA BOX」を運用しています。2023年までに年間10万時間分の業務量削減を目標としました。

2021年には全社を挙げて「CHUGAI RPA推進活動計画書」を作成し、RPA案件数を前年と比べて5倍に増加させています。

2021年だけで181件の業務、4.3万時間の業務時間削減に成功し、当社計画の2023年から1年前倒しで年間10万時間分の業務削減を実現する見込みとなりました。RPAの基礎から応用までをまとめたコンテンツ「RPAスクエア」も開発し、社員のITリテラシーを高めています。

参考:
中外製薬
日刊ケミカルニュース

【医療業界】名古屋大学医学部付属病院

人手不足が叫ばれる医療業界の問題を解決するため、2018年からRPAによる定型業務の自動化を行うプロジェクトチームを編成しました。業務の洗い出し、RPAに関する研修、ソフトウェアロボットの開発を行い、2019年5月にRPAツール「BizRobo!」を導入しています。

合計21体のソフトウェアロボットを開発し、年間841.1時間に相当する事務作業の代替に成功しました。最終的には年間9,800時間の削減を目指し研究が進行中です。ロボットとの親和性を高めるため、紙で配布していた資料のペーパーレス化も推進しています。

参考:RPAテクノロジーズ

【自治体】神奈川県庁

2018年、行政サービスのスリム化と働き方改革の推進を両立させるために検討されたのが、RPAツール「OCEVISTAS」を利用した業務プロセス自動化の実証実験です。実証実験は約3ヶ月行われ、正確性、迅速性、継続性の3つの指標で導入効果を検証しました。

通勤手当の認定業務は1件当たり20分→7分に、災害時の職員配備計画作成は30日→5日に短縮することに成功しました。人間とは違い24時間365日稼働できるため、より多くの業務を任せれば効果を高められる点も評価されています。

参考: OCE

【自治体】東京都葛飾区

2017年、マイナンバー制度の開始に伴い、源泉徴収に関連する業務が年間約10,000件と激増し問題となりました。解決策として浮上したのが、RPAツールによる源泉徴収清算処理業務自動化です。テスト環境を構築し、コスト削減効果が見込めるかテストを行いました。

使用したのはRPAツール「BizRobo!」および「BizRobo!mini」と、AI-OCRサービス「ApeosWare Record Link」です。

テストの結果、源泉徴収精算処理業務の工数を年間444日削減出来ると判明したため、RPAの本格導入を決定しました。現在は源泉徴収清算処理以外の業務にも利用されており、年間3,000件の保育園入園申し込み業務の自動化にも成功しています。

参考:
キーマンズネット
TECH+

【自治体】鹿児島県奄美市役所

2020年4月、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、住民基本台帳に記録されている住民に一律10万円の特別定額給付金支給が決定しました。窓口となる市区町村にスピーディな対応が求められたため、株式会社NTTデータから無償提供されたRPAソリューションを活用しました。

申請書の読み取りをAI-OCRサービス「NaNaTsu™ AI-OCR with DX Suite」が、システム登録をRPAツール「WinActor®」が担当し、申請から最短4日での給付を可能としました。これにより、2020年6月初旬には給付作業がおおむね完了し、住民サービスの向上に成功しています。

参考:NTTデータ

RPAの導入時のポイント

RPAツールは多種多様なサービスが展開されており、自社に適したサービスを選択するのは容易ではありません。導入時のポイントについて解説しますので、自社で運用するときの参考としてください。

業務の棚卸しを行う

RPAは万能のツールではなく、むやみに導入するとかえって混乱を引き起こす可能性があります。まずは日々の業務の棚卸を行い「どの業務を自動化するのか」をじっくり検討してみましょう。業務は様々な要素で構成されており、分解することで全体像が見えてきます。

・部署
・担当者
・システム
・工数
・業務概要
・情報経路

棚卸を行うことで、RPA以外の解決策発見、業務フロー改善などの効果も期待できるでしょう。

自動化できる業務・できない業務を切り分ける

高度な判断が求められる業務、ルールが複雑な業務はRPAに適していません。「検索」や「入力」など、RPAに任せる業務を最小単位まで切り分けるほうがエラー率が低下し、ソフトウェアロボット開発の労力も減少します。

スモールスタートする

RPAは高度なシステムや高価な機器が不要で、スモールスタートが可能です。最初から大規模な業務自動化を行わず、最低限の環境から状況に応じてシステム構成や機能を調整するスモールスタートがおすすめです。

まとめ

RPAは2010年代後半から導入が始まり、2020年代となって多くの企業で成果を上げています。今からRPAを導入する企業は、先行事例の研究やリサーチをしっかりと行い、小規模での運用から開始しましょう。

UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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