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2018.12.21

チャットボット導入のススメ|トラムシステム

企業への導入が進んでいるチャットボット。「コスト削減」や「効率化」の効果がうたわれていますが、チャットボットを導入したからといって必ず期待通りの効果が得られるとは限りません。チャットボットの導入方法と、導入前に気を付けるポイントとはどういったものがあるのでしょうか。

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チャットボットの種類

「質問を受けて応える」「受け答えを重ねることで学習する」という特徴があるチャットボットですが、チャットボットのシステムも複数のパターンがあります。業務に適したチャットボットを選択しましょう。

【応答パターン】
◆ツリータイプ
読み込んだ単語に対し、用意していたシナリオ通りに回答を行います。質問を繰り返すことで内容が理解できるようになります。

◆一問一答タイプ
一つの質問に対し、一つのまとまった回答を行います。一度の質問で回答が得られるため短時間で理解できますが、質問に正確性が求められます。

導入事例

初期のチャットボットであるELIZAやPARRYは、セラピストのシミュレーションなどを目的として使用されていました。現在では、医療目的以外でも多くのチャットボットが開発され、各業界で需要も高まっています。企業が個別に作成したチャットボットは多くの現場で活用されています。AIの先駆けとなったIBM社のWatsonを利用し作成したチャットボットの活躍をご紹介します。

【東京三菱UFJ銀行】
コールセンター業務の効率化推進業務をチャットボット導入により実施。
WEBサイトでのバンキングサービスや顧客向けコンサルティングサポートなどにもWatsonを活用しています。

【楽天】
楽天社内向けシステムである「楽天AIプラットフォーム」を構築。
円滑な業務遂行のためにチャットボットを導入。
カスタマーサポートへの対応にデータベースを活用しています。

【日本航空】
バーチャルアシスタントのハワイに詳しいマカナちゃんがチャットボットで質問に答えてくれます。
投稿された画像を読み取り希望するハワイの情報を提供。
ハワイに関する情報だけではなく、性格診断も行ってくれます。
グアムに詳しいマイラちゃんもいます。

【三井住友銀行】
2014年からコールセンターのオペレーターサポートとしてWatsonを導入。
リアルタイムに音声をテキスト化させる音声認識システム「AmiVoice」も活用し、コールセンター業務の正確化と効率化を進めています。

チャットボットの作り方

チャットボットを作成する方法は複数あります。公開されているコードを活用し自身で作成する方法、チャットボット開発ツールを活用し作成する方法、専門のチャットボット開発企業へ依頼する方法…。チャットボットを作成するための便利なツールはどのようなものがあるのか、チャットボットを作成する際の注意しなければならない点はどのような事なのか。チャットボット開発前に知っておきたいポイントを解説します。

サンプルコード

チャットボット開発の基礎的なサンプルコードは複数公開されています。フレームワーク自体がオープンになっていることも多いため、チャットボット作成のハードルはどんどんと低くなっています。

LINEチャットボット

LINEチャットボットのサンプルコードです。
チャットボット開発フレームワークにより構築されているオープンソースなコード。
LINEチャットボットでは、LINEの画面上で質問を投稿すれば多少の時間はかかる場合がありますが、チャットボットにより回答が返ってきます。
チャットボットが理解できない質問も少なからず存在しているものの、自己学習機能を備えているため、ある程度の内容は質問を繰り返す内にどんどんと学習していき賢くなっていきます。

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チャットボット開発サービス

自分ではチャットボットを開発することはできない。また、エンジニアなら誰でも開発できるという訳でもない。高度なスキルを持ったエンジニアを雇用するにはコストもかかる…。エンジニアを確保していない企業にとって、チャットボットの開発はハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、チャットボット開発サービスを公開している企業サイトは多数存在し、エンジニアが不在でも作成することは可能です。チャットボット開発サービスの一部をご紹介します。

hachidori

個人用「hachidori」 料金0円〜。法人用「hachidori plus」 料金50,000円〜。国内最大のチャットボット作成サービス。有人オペレーターへの繋ぎ込みもできるため、スムーズな案内が可能。ユーザーの動向データも収集できるためマーケティング活用もできます。

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Repl-AI

NTT docomoとインターメディアプランニング共同開発。日本語対応。料金は1か月5000円〜。国内で人気のチャットボット作成サービス。チャットボット作成方法はダイアグラム形式で指定された場所に書き込んでいくだけなので、プログラミング知識はいりません。シナリオが重要となっており、自然学習機能はありません。

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Customer Engagement Solution CHORDSHIP

富士通の開発。コンタクトセンターに特化した「デジタルコンサルティングサービス」。豊富なコンタクトセンター運営のノウハウをチャットボットに詰めこんでいます。学習済みのコンテンツが利用できる上、AIチャットボットで運用しながらの学習も可能です。

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Wit.ai

Facebookが2015年に買収。料金は無料。柔軟性があるものの、多少のプログラミング知識は必要です。

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api.ai

Googleが2016年に買収。料金は有料版と無料版があります。Googleが買収しているため、Google Assistantとの連携が可能。
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チャットボット開発ツールの使い方

様々なチャットボット開発ツールが存在していますが、一般的なチャットボット開発ツールの使い方を説明します。

1,Webサイト登録
多くの場合、チャットボット開発ツールはWebサイト上でサービスを行っているため、Webサイトに登録しなければなりません。有料サービスを利用する場合はクレジットカード登録、資料請求する場合は必要なアドレス登録をします。

2,会話を登録
Webサイト上のチャットボット開発ツールの多くは、管理画面上から必要な会話データを登録します。「Q・〇〇はどこで買えますか?」「A・〇〇は△△で購入することができます」といったQ&Aなどの会話データがチャットボット登録には必要。

押さえるべきポイント

チャットボット開発の便利なツールは複数ありますが、登録と必要事項を入力さえすれば最適なチャットボットが自動的に作成されるとは限りません。

シナリオとデータが重要

チャットボットは仕様も大事ですが、それ以上に「シナリオ」と「データ」が重要です。チャットボットは、すべての会話を理解できるわけではありません。データにない言葉を話しかけられても、「それは理解できません」といったリアクションしかできません。間違った回答や回答不能を繰り返していると、せっかくチャットボットを利用してくれた顧客に不快な思いをさせ、顧客を逃がしてしまう危険性もあります。

機械学習型のチャットボットでAIによるディープラーニングが可能であったとしても、学習するには頻繁に話しかけ多くのデータを蓄積させてあげなければならないのです。学習していないチャットボットはいつまで経ってもポンコツ状態のまま。人間にも語彙力が無ければ幼稚な会話しかできないように、チャットボットにも語彙というデータを学習させてあげる必要があります。

また、データの蓄積があったとしても、その業務に適したチャットボットになれるかどうかは別問題です。金融系の問い合わせチャットボットと恋愛シュミレーションゲーム系チャットボットの役割には違いがあるため、役割に適したデータ内容と共にシナリオも重要。チャットボット開発前には具体的な会話シナリオを用意し、何度もチェックしブラッシュアップを行いましょう。

実操作の確認方法

チャットボット開発を行っている企業には、独自のチャットボット開発基盤を持っている企業が多く、完成前に開発途中のチャットボットのデモを確認することができます。開発を行う企業へ依頼する前に、確認が取れるかチェックしてください。また、開発を行う企業の専門知識量や事業継続力も確認しなければいけません。

また、チャットボットは完全な最終完成品というものはありません。学習し成長を常に行うシステムであるため、常に未完成です。現実に、試験的な公開を一度行い、ユーザーに使用してもらいリアクションを見るという使用方法も一般的に行われています。最初にプレオープンする場合は、確実性のあるポイントと実験性のあるポイントに絞り小規模で初めて見ることをお勧めします。大規模な形で進めてしまうと、問題が起きた際にユーザーからのクレーム対応に追われてしまう場合がある上、集まったデータも曖昧なものになりかねません。

まとめ

個人でも気軽に作成できるチャットボット。フレームワークも公開されていますし無料のチャットボット作成ツールも存在しています。プログラミングの知識が少なくても作成できますし、無料で作成することもできるでしょう。しかし、チャットボットのクオリティは不明です。

無料でもプログラミング知識が無くてもユーザーが満足できるチャットボットを作ることは可能かもしれませんが、ユーザーの満足度を維持し継続的に使用されるチャットボットであるかどうかは分かりません。低クオリティのチャットボットは、ネガティブな宣伝になってしまい、逆に顧客離れを進めてしまう危険性もあります。

チャットボットは開発だけでなく、維持管理にも手間がかかるシステムです。チャットボットが学習し続け、ユーザーに使用し続けてもらうためには、ケアできる環境が重要です。人間の役割の一部を任せることができるチャットボットですが、高クオリティを維持した状態での運用のためには人的ソースも必要となります。運用できる環境を確保できる状況で、チャットボット導入をしましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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