チャットボット導入前に検討するべきメリットとデメリット|トラムシステム
物珍しい最新技術ではなく、すでに一般的な言葉となっているチャットボット。多くの企業が導入しているだけでなく、個人でも気軽にチャットボットを利用することができます。チャットボットを運用していく上で、どのようなメリット・デメリットが存在しているのでしょうか。チャットボットは今後、どのように進化していくと考えられているのでしょうか。チャットボットの現状と将来に関する解説をします。
目次
チャットボットとは
チャットボットとは、「chat(会話)」と「robot(ロボット)」を合わせた言葉で、ロボットと会話ができるシステムのことを指します。その特徴から、会話bot、おしゃべりbotと呼ばれることもあります。
チャットボットのメリット
様々な業種の多くの企業が導入しているチャットボット。具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
業務の効率化
チャットボットは機械であるため、顧客からの問い合わせなどに対し即座に対応することが可能。24時間対応が可能で深夜でも難なく業務を続けることができます。コールセンターにありがちな、顧客を長い時間待たせるという事もチャットボット活用で減少させることが期待できます。また、チャットボットが対応しきれない問い合わせに関しては、すぐに専門の部署へ振り分けてくれます。
人材コスト削減
スタッフが行っていた仕事の一部をチャットボットが代わりに行うため、人員を削減することが可能。また、基礎的な作業を任せることから、スタッフへの仕事の負担も軽減させることができ、離職率やスタッフのストレスを減少させる効果も期待されています。特に、顧客対応にオペレーターが多く必要なコールセンターや問い合わせセンターは離職率が高い職場として有名ですが、離職者対策と共にオペレーター数を減らすこともできます。
問い合わせ品質の均等化
スタッフは人間であるため、ヒューマンエラーは想定しておかなければなりませんが、データが揃っていればチャットボットは正確な情報を即座に提供することが可能。
ヒューマンエラー防止の観点からも、チャットボットによる対応や振り分けを行います。また、コールセンターのオペレーターにはスキルに差があるため、せっかくオペレーターに繋がっても「私にはわからないので他の所へ回します」といった基礎的知識の部分でのたらい回しを避けることができるでしょう。
クレーマー対策
企業には顧客からの苦情なども多いですが、中には悪質なクレーマーも存在しています。長引く苦情や悪質クレーマーはスタッフの負担となり、離職率上昇にも繋がってしまうため、任せられる部分はチャットボットに任せ、機械的に対応をしましょう。
チャットボットのデメリット
メリットがある反面、チャットボット導入にはデメリットもあります。チャットボットを導入した企業では「思ったよりも効果が無い、期待外れ」という声も上がっています。
開発・運用コスト
スタッフを減少させるといった面からコスト削減の効果もあるチャットボットですが、導入費用などのコストはかかります。小規模の効果しか得られなかったため、コストがかかったというケースもあります。
データ内の回答しかできない
チャットボットは自身に登録された、もしくは学習した知識をもとに回答を出します。とっさに別の所から必要な情報だけを調べて回答を出す、といった臨機応変な対応はできません。自身のデータに必要な情報が無ければ、会話として成立しない回答を出すことも珍しくありません。
回答を学習できないケースも
チャットボットには「ルールベース型」と「機械学習型」の2種類があります。チャットボットは自分で学習して成長していくと知られていますが、積極的に学習してくれるチャットボットは後者の機械学習型。ルールベース型チャットボットは、データとして登録した情報と規則正しいルールをもとに会話を行います。
また、機械学習型チャットボットでも、放っておいた場合も自ら情報収集を行い学習していくという訳ではありません。積極的に利用する環境が無ければ、情報も蓄積されず学習しないため、会話の程度も成長しません。チャットボットを導入した後も、学習とメンテナンスが必要です。
まとめ
チャットボットは使い方次第で多くのメリットを生み出すことができますが、期待しすぎには注意が必要です。実際、一度はチャットボットを導入したものの運用がうまくいかず打ち切りにした企業も珍しくありません。具体的な運用方法などを検討した上で、チャットボットを導入しましょう。
WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。