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2022.03.22

パケット通信とは|小分けされたデータで通信をスムーズに|トラムシステム

パケット通信についてご存知でしょうか。携帯電話やスマートフォンを利用する際によく耳にする言葉ですが、その仕組みや種類などは一般的には深く知られていないようです。この記事では、詳しく知りたいという方のために、パケット通信を含めたインターネットの通信方式についてご紹介します。

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パケット通信とは

パケット通信とはデータの通信方式の一つです。パケット(Packet)とは直訳すると小包という意味で、データを小包のように小分けしてやりとりするため、パケット通信と呼ばれています。パケット通信の技術は、主にインターネットを通じて音声通話や動画、画像ファイルなどをやりとりする際に用いられます。パケット通信では複数の人が同じ回線を共有できるため、一人が一つの回線を占有する音声通話に比べて伝送効率が良いことが特徴です。

また、料金は接続時間の長さではなく、データの送受信量によって決まります。そのため、携帯電話会社は月々のデータ通信量に制限を設け、それに合わせた料金プランを用意しています。

パケット通信のメリット

・パケットの多重送受信
一つの回線で複数のパケットを送受信することができます。また、パケットを別々の回線にバラバラに送ることも可能です・

・障害に強い
ネットワーク障害が起きた場合でも、別の経路を探してパケットを流すことが可能です。

・異なる機種間での接続性
送信したデータは一度蓄積されるようになっているため、速度が異なる端末同士でも容易に通信を行うことができます。

パケット通信のデメリット

・混雑時は通信が不安定になる
回線を占有できないため、混雑時は伝送効率が低下したり、パケットを消失する恐れがあります。

・通信量が大きい
パケット一つ一つにヘッダ情報を付与したり、回線切れやパケット喪失などの場合に自動再送が行われるため、トータルで見ると通信量が増えてしまうという特徴があります。

このように、パケット通信には長所と短所がそれぞれありますが、回線交換方式と比較すると、より柔軟性に優れた通信方式であると言えます。また、近年ではLINEやSkypeのようなIP電話アプリも登場し、通話においてもパケット通信はすでに主流となりつつあります。今後のさらなる通信技術の進化に期待です。
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パケット通信の仕組み

パケット通信はどのように行われているのか、その仕組みをご説明します。まず、データを送る場合、そのままの状態ではサイズが大きすぎるので、一度圧縮が行われます。次に、データは一定の大きさに分けられパケットになります。最後に、「ヘッダ情報」と呼ばれる、送信先や送信元の情報をパケットの先頭部分に記述します。

こうして完成したパケットは、いくつもの伝送経路をバラバラに通りながら相手先に届けられます。途中、通信障害などによって一部伝送できなくなっても他のルートに切り替えることが可能です。また、パケットの到着順序がバラバラでも、ヘッダ情報があれば正しい順番で組み立てて元の一つのデータに復元することが可能です。こうした柔軟なデータのやりとりが可能なことがパケット通信の強みです。

通信を行う際の取り決め

「電話する」、「Webページを閲覧する」、「ファイルをダウンロードする」といった、私たちがインターネットを介して普段何気なく行っている行為は全て「プロトコル」と呼ばれるルールに従って通信されています。プロトコルには様々な種類があります。最も有名なものとしては、インターネットを含むコンピュータネットワークにおけるプロトコル群の総称である「TCP/IP」があります。TCP/IPは通信の階層を以下の4つに分け、それぞれに役割を与えています。

①ネットワークインターフェース層
直接接続されたネットワーク内(LANなど)でデータの転送を行います。
使用されるプロトコル……イーサネット

②ネットワーク層
ネットワーク内でデータの転送を行います。
使用されるプロトコル……IP

③トランスポート層
通信を行うプログラム間でのデータの転送を行います。
使用されるプロトコル……TCP、UDPなど

④アプリケーション層
アプリケーション固有の規定に沿って、データのやり取りを行います。
使用されるプロトコル……HTTP、SMTP、FTPなど

また、音声データのパケット化はRTP(Real-time Transport Protocol)と呼ばれるプロトコルに従って行われます。RTPはデータをおよそ20msごとに区切り、1パケット(1秒間に50パケット)として送信します。普段インターネット通信を行う上で気にすることはあまりないかもしれませんが、プロトコルは知っておいて損は無い知識です。

パケットの通信制限について

全ての携帯電話会社は契約の際、毎月のデータ通信量に制限を設けています。多くの場合、決められた通信量を超過すると制限がかかり、指定の期日までデータの通信速度が著しく低下します。制限を解除するには、期日まで待つか、もしくは追加でデータ通信量をチャージする必要があります。チャージには追加料金が発生するので、お金をかけたくない場合は、Wi-Fi環境でインターネットを利用するなどの対策が必要です。また、データ通信量はスマホの設定画面から確認できるので、こまめにチェックしておくとよいでしょう。

パケット通信を利用する際の注意点

パケット通信を利用する上で最も気を付けなければならないのが通信料金です。前述しましたが、携帯電話会社が提供しているパケット通信サービスでは、料金は通信時間ではなく通信量単位で課金されます。そのため、たとえ通話をほとんどしていなくても、インターネット上で動画を閲覧したり、大容量のアプリをダウンロードしたり、オンラインでゲームをしているとあっという間に通信量が制限を超えてしまうことが多くあります。

ネット上のサービスを利用するときは、通信量に気を付け、後から高額なパケット通信料の請求を受けることのないよう工夫しましょう。具体的な対策としては、アプリはWi-Fiを利用してダウンロードする、動画もストリーム形式で見るのではなく、あらかじめダウンロードしたものを視聴するなどして、なるべく通信量を抑えるよう努力しましょう。また、最近ではスマホの通信量を抑えてくれるよう自動で設定してくれるアプリもあるので、それらも活用してみるとよいかもしれません。

回線通信方式とは

回線通信方式とは、端末間においてデータの送受信を行う方式のことです。皆さんがよく耳にする単語として3Gや4G/LTEなどがありますが、これらのことを「通信規格」と呼びます。そして、これらの通信規格に対応した通信方式が存在します。通信方式は大手携帯電話会社(ドコモ、au、ソフトバンク)ごとに異なるため、格安SIMを利用するときはどの会社のどの通信方式に対応しているのか事前に調べておきましょう。

通信方式の種類

通信規格ごとの通信方式は以下のようになっています。

・3G……W-CDMA(ドコモ、ソフトバンクが採用)、CDMA2000(auが採用)
・4G……LTE-Advanced(3社すべてが採用)

現在主流となっている4G回線に関しては、大手携帯電話会社は3社共に同じ方式を採用しています。そのため、4G回線で利用するのであれば、SIMフリーのスマホにどのキャリアのSIMを挿入しても問題ありません。一方で、一昔前の3G回線を利用する場合は、auのみ通信方式が異なるため注意が必要です。

また、SIMフリースマホはたいていの場合、データ通信に4Gを、音声通話に3Gを用いるようになっています。したがって、SIM選びで迷ったら普及率の高いW-CDMA方式のSIMを選択することをおすすめします。

パケット交換方式とは

これまで通信方式についてご紹介しましたが、先にお伝えした、データをパケットに分割して送受信する、というやりとりもパケット交換方式と呼ばれる通信方式の一種です。パケット交換方式は蓄積交換方式とも呼ばれており、その名の通りデータを小分けにして徐々に送り、届いた先で蓄積させ元の一つのデータとして復元する、という方式になっています。

パケット交換方式は主にインターネット上の通信で用いられており、この通信方式のおかげで、普段私たちはファイルのダウンロードやWebサイトの閲覧、動画の視聴などをスムーズに行うことができます。

パケット交換方式と回線交換方式の違い

パケット交換方式とよく比較される通信方式として、回線交換方式が存在します。回線交換方式とは、主に電話に使われる方式で、複数の回線を共有するパケット交換方式とは対照的に、一つの回線をまるごと占有して通信を行います。回線交換方式は、通信の始まりから終わりまで回線が接続されたままの状態となります。そのため、通話中はいわゆる「話し中」の状態となり、他の通話を一切受け付けなくなります。

回線交換方式は回線を占有し、一度に多くの通信を受け付けられないという特性上、どうしても伝送効率の悪さが目立ちます。対して、パケット交換方式は通信が必要なとき以外は回線を開放することが可能で。複数人が同じ回線を共有することができます。そのため、データ通信においてはパケット交換方式の方が優れていると言えます。

まとめ

パケット通信はデータを効率よく送る通信方式であることをお伝えしました。スマホなどで通信を利用する際は、なるべく通信量を抑えて、制限にかからないよう気を付けましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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