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2018.12.04

2020年停波丨PHSのサービス終了に向けた個人・法人・病院の対応|トラムシステム

1995年にサービスが開始されたPHS。より便利な携帯電話やスマートフォンの普及に伴い、利用者の減少していき、2020年7月末、唯一サービスを提供しているワイモバイルのサービス提供が終了します。この記事では、サービス終了までに取るべき手続き、PHSに替わるスマートフォンやクラウドPBXについて解説します。

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PHSとは

PHSは「Personal Handy-phone System」の略で、一般電話回線からPHS用のアンテナを設置して使用します。

PHSは電波の出力が弱いため多くの基地局を設置し通話範囲をカバーするマイクロセル方式を採用しています。基地局のカバー範囲は500mと、数キロを範囲とする携帯電話と比べて狭いですが、携帯電話に比べて小型のため電柱の上や電話ボックスの屋根、公共施設のビル内などに取り付けることができます。

音質はクリアで、常に最適なチャンネルを割り当てる方式のため通信の混雑が生じにくい反面、
田舎や山間部ではつながりにくい、移動時にエリアの切り替えが生じ音声の途切れやすいといった特徴があります。

PHSの通話サービスは1995年に開始されました。当時は地下鉄駅や地下街などの携帯電話が利用できない場所で通話できたり、料金が当時の携帯電話に比べて安価なのが売りで、1997年には契約数を約710万件まで伸ばしました。
その後、携帯電話の本体価格や通話料金の値下げが進みPHSとの価格差が小さくなったことや通話範囲が携帯電話より狭いことが要因となりPHSは解約が相次ぐようになります。

契約数の減少が現在も続いているPHSですが、端末から出る電磁波が携帯電話に比べて小さ
く電磁波に弱い医療機器が置かれている病院では現在も利用されてます。

2020年7月末に終了するサービス

唯一展開しているソフトバンク・ウィルコム沖縄のY!mobileブランドですが、2018年3月31日に新規契約受付を終了し2020年7月末でのサービスの終了を決定しました。

2020年7月末以降は通信・通話すべてのサービスが利用できなくなります。そのためサービス終了までにスマートフォンや携帯電話への切り替えが必要です。なお、法人向けに展開しているテレメタリングサービス向け料金プランは2020年7月末以降も引き続き利用できます。

終了までのサポート体制

現在の受付状況について説明します。既に終了しているサービスもありますが、サービスが終了する2020年7月末まで受付している業務・保証サービスもあります。なお、法人での契約の場合は専用の相談窓口が設けられてます。

2019年4月時点、既に受付を終了している業務は下記になります。(2018年3月末に終了)

・PHSの新規契約
・機種変更
・料金プラン変更

2020年7月末まで受付している業務・保守サービスは下記になります。なお、これらのサービスも2020年7月末以降は受付を終了します。

・ワイモバイルのスマートフォン・携帯電話への機種変更
・解約・MNP転出
・修理
ワイモバイル以外のメーカーは、機種により受付状況が異なるためワイモバイルサイトで 最新情報の確認が必要
・住所変更・支払い方法変更など
・あんしん保証サービス プラス、あんしん保証サービス
(利用中の電話機が故障・水濡れ・紛失した際に修理は無料、良品交換が5,000円で可能に なるサービス)
・ウィルコムあんしんサポート
(利用中の電話機やデータ通信カードが故障・水濡れ・紛失した際に、低価格で修理・良 品交換ができるサービス)

また、現在使用している電話番号を2020年7月末以降も継続して利用したい場合、7月末までに乗り換えを終了させておく必要があります。

終了後は法人向けテレメタリングのみ継続

2020年7月末にPHSの通話サービスが終了しますが、法人向けのテレメタリングのみ継続して利用できます。

テレメタリングサービスとは

テレメタリングサービスではガスメーターや自動販売機などの業務機器に通信モジュールを接続することで、機器のデータ収集やメンテナンスなどの管理が遠隔で可能となります。PHSを利用することにより、電話回線や専用線より配線が少なくなるため導入コスト・ランニングコストの削減が可能です。

2019年3月末で受付終了

ソフトバンク株式会社および株式会社ウィルコム沖縄は、2019年3月末をもってPHSテレメタリングサービス向け料金プランの新規・変更受付を停止しています。現在契約中の場合は継続して利用できますが、今後PHSテレメタリングサービスが終了し利用できなくなる可能性も考えられます。

サービス終了の背景

前述のとおり、1995年にサービスが開始したPHSは1997年に約710万件の契約数まで伸ばしましたが、以降は携帯電話やスマートフォンの登場により挽回することはありませんでした。要因として以下の点が挙げられます。

・サービス開始当初に比べて携帯電話との価格差が小さくなった
・基地局の設置が不十分のため「つながらない」苦情が続出し、PHSの特徴を生かすまえに 解約が相次いだ
・携帯電話・スマートフォンの高機能化

終了後の対応

停波するPHSに対する準備ですが、個人、病院、法人により対策が異なります。

スマートフォン・携帯電話への移行

PHSからスマートフォン・携帯電話に移行することによりPHSでは利用できなかったツールやアプリを利用することができます。PHSと違い電波を強く発することができるため通話エリアも広くなります。2020年7月末までに移行するとMNPによりPHSの電話番号を引き継ぐことができます。

ワイモバイルでは、PHSからワイモバイルのスマートフォン・携帯電話にきりかえた方に向けてキャンペーンを実施中です。特典は下記の通りとなります。(2019年4月時点)

特典1 国内通話24時間ずーっと無料
「スーパーだれとでも定額」オプション(月額1,000円)が次回機種変更までに無料となります。
「スーパーだれとでも定額」とはワイモバイルのスマートフォン・携帯電話はもちろん他者のスマートフォン・携帯電話や固定電話との通話が0円になります。
PHSの通話量が安いということで契約していた方にはとてもおすすめです。

特典2 契約事務手数料が無料
通常、契約事務手数料が3,000円のところ無料になります。

病院・医療機関の対応

医療機器への影響が懸念されていたスマートフォンですが、現在は技術の進歩によってPHSと同水準の電波に抑えることができます。

スマートフォンを利用することにより院内サーバーにアクセスできる他、電子カルテを病室の患者のそばでも確認ができるなど業務の効率化が見込まれます。また、スタッフ同士のやり取りをチャットで行うなど、コミュニケーションの活性化にも繋がります。

【法人向け】クラウドPBXの導入

現在PHSを利用している企業の中には、PHSに替わる新たな通信設備としてクラウドPBXの導入が進んでいます。クラウドPBXを利用することでPHSでは活用できなかった機能を利用することができます。クラウドPBXの主な機能・メリットは下記のとおりです。

・BYODの活用
インターネットに接続できる電話機器であればスマートフォンでも利用可能です。従業員の私物の端末でも業務に利用することができるため、新しい電話機器の用意が不要になります。

・会社の番号で発信が可能
スマートフォンから会社の番号で発信が可能となり、個人のスマートフォンの番号を外部の取引先などに漏れる心配が無くなります。

・どこでも内線電話が可能
インターネットに接続できていれば、外出先や自宅からでも内線通話が可能です。

・メンテナンスが不要
クラウド上にPBXが存在するため、機能の追加の際に機器の購入や工事・メンテナンスが不要となります。

・設置工事が不要
物理的なPBXの設置が不要であるため、社員増加にともなうレイアウト変更や増設の作業コストが抑えられます。

まとめ

インターネット黎明期にサービスを開始したPHSは携帯電話やスマートフォンに対して優位性が無くなり一部のサービスを除いて役目を終えようとしています。時代の進化に伴い、新たな技術に取って代わるのは世の常です。最新の情報に注視し業務の効率化をはかっていきましょう。



WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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