トラムシステムのテレワーク丨クラウドツールを活用した在宅勤務とは【インタビュー・事例紹介】|トラムシステム
コロナウイルスの影響で全国に一気に普及したテレワーク(在宅ワーク)。しかし、いざ導入してみたが、コミュニケーションや生産性などの問題でうまくいかない…という企業もあるようです。社員はもちろん、企業にとってもプラスとなるテレワークのためには、どのような対策が必要なのでしょうか。
今回は、本メディアの運営企業であるトラムシステムが実施しているテレワークについて、具体的な内容やテレワークの感想を営業部のSさんに伺いました。
目次
現在トラムシステムが行っているテレワークについて教えて下さい
弊社では現在、週2,3日でテレワークをやっています。テレワークをする曜日はフレキシブルに決めることができるため、業務や個人の都合で「今週は月曜日と金曜日がテレワーク」といったように決めています。
個人の都合で決めているため、出社をしても他の社員はテレワークをしていることもあります。また、部署やチームごとに共通の出勤日を設けているケースもあります。
テレワークの日はそれぞれ自宅から業務を行うことになりますが、就業時間は通常と変わりません。勤怠管理アプリを使い、始業・終業時にPCやスマホから打刻を行います。残業代も勿論計上されるので、テレワークと言ってもオフィスで働いているのと同じような感覚です。
いつからテレワークをやっていますか?
現体制のテレワークが普及したのは、やはりコロナウイルスがきっかけです。しかし、それ以前でも、弊社では柔軟な働き方に対する取組みをしていました。
具体的には「働き方改革」という言葉が聞かれ始めた3,4年前から、直行直帰など、必ずしも1日1回オフィスに行かなくても良い体制づくりを進めていました。
こういった取組みがあったからこそ、いざテレワークをせざるを得ない状況になった時にもスムーズに実行することができたのだと思います。
スムーズなテレワークのための取組みについて教えて下さい
オフィスで働くことが普通だった企業や従業員が、いきなりその体制のままテレワークに移行することは難しいかもしれません。なぜ弊社ではテレワークでもオフィスと同じように働けているのだろうと考えてみると、色々な取組みを思い浮かべることができます。
ペーパーレスが浸透
まず、社内ではすでに大部分でペーパーレスが進んでいます。資料はクラウド上のドライブで保管し、共有はビジネスチャット(スラック)経由で行います。
テレワーク中の資料共有はもちろん、オフィスでの対面の会議においても、資料は基本的にデータで共有。会議の場では、参加者は共有された資料を各自のパソコンで確認しています。今は、資料をプリントアウトすることはほとんどないですね。
ZoomなどのWeb会議ツールも活用しているため、会議中に新たに資料が必要になった場合の共有もスムーズ。必要に応じて自分のパソコンの画面共有をしながら説明できるのも便利です。
勤怠はタイムカードやハンコではなくWebで管理しているため、こちらもペーパーレスです。
コミュニケーションにはクラウドPBXを活用
クラウドPBXを扱っている会社だけに、社内ではクラウドPBXを使ったコミュニケーションが浸透しています。社員同士の連絡には、クラウドPBXで内線化したスマホを使っています。
クライアントに電話をかけるためにわざわざオフィスに出勤したり、外出中の社員宛の電話の対応をしたりすることがないので、非常に便利です。
テレワーク中に会社にかかってきた電話は、クラウドPBXからスマホに転送されるようになっています。休憩中にコーヒーを入れたり、ちょっと子供の相手をしたりしている時にクライアントから連絡があることもありますよ。
クラウドPBXにはチャット機能もあるため、電話が繋がらない同僚にはメッセージを送っておけばいいので、頃合いを見て掛け直す必要もありません。
基本の報連相をしっかり行う
スムーズなテレワークのためには、ツールの活用だけでなく、働いている社員同士のコミュニケーションも重要だと思います。その点、弊社では社員がお互いに信頼しあえるよう、密にコミュニケーションを取り合う文化が出来上がっています。
働いている様子が見えないテレワークでは、オフィス勤務よりも綿密な報連相が大切です。例えば、私達の場合、顧客からの連絡に誰が返信するとか、ランチに行くとかのやり取りを頻繁に取っています。小さなことではこまめに共有しあうことが、円滑なコミュニケーションの鍵ですね。
テレワーク用の評価制度はなし
テレワーク導入に際して、評価成果を見直すかどうかという議論もありますが、弊社ではテレワーク用の評価制度というものはありません。
しかし、互いが働いている様子が見えないからこそ、会社と社員(上司と部下)の信頼関係は大切です。
互いに信頼できないと、上司は「ちゃんと働いているのか」、部下は「ちゃんと評価してくれるのか」という疑念を持ってしまいますからね。
信頼関係を築き、正当に評価するためにも、社員には報連相の徹底が求められています。
テレワーク下のセキュリティ対策はどのようにしていますか
セキュリティを理由にテレワーク導入が進まない企業や業界もありますが、しっかりと対策をすれば、必要以上に恐れる必要はないと思います。
例えば、クラウドPBXはすでにベンダーによってセキュリティ対策がされています。クラウドPBXを通じて行う通話、チャット、データのやり取りなどに対して、各社が追加で対応する必要はありません。
Web会議やビジネスチャットもベンダーによる対策が行われているので安心です。
ただし、顧客情報などの機密情報を扱う場合には個別のルールが設定されています。弊社では、営業部など顧客情報など社内に保管されているデータ(機密情報)が必要な場合は、VPNを経由して通信を行います。
それ以外には、業務に使うパソコンに余計なソフトをインストールしないなどの基本的なセキュリティルールは徹底します。こういったルールは、テレワーク・社内勤務によらず有効で、全ての社員が守るべきものでしょうが。
Sさんが実感するテレワークの効果について教えて下さい
週に2,3日とは言え、通勤時間がカットされるのはとてもありがたい。その分の時間を使って家族と過ごしたり、軽く運動をしたりとプライベートを楽しむことができます。
また、ずっとオフィス勤務をしてきたため、家という違った環境で働くのも新鮮味があって楽しいです。とは言え、本格的にテレワークをやり始めてまだそんなに経過していないので、これを1年、2年と続けていくとまた違った風に感じられるかもしれません。
「家だと集中できない」「プライベートとのオンオフがつけづらい」という話も聞いたりしますが、私はそのようなことはないですね。
朝礼や夕礼を行って、その日の予定や業務の進捗を確認しているため、働きすぎたり、逆にサボりがちになったりすることもありません。朝礼や夕礼で「今日はここまで」と合意したら、それに従うというルールになっているため、テレワークで起こりがちな過剰な成果主義も防げます。
働いている側としても、「ちゃんと評価されないかもしれない」と焦ったり、余計に頑張ったりすることがなく、安心してテレワークができています。仕事によってはものすごく時間と労力をかけた結果、出した成果は資料1枚にまとめられているなど、成果だけではその裏にある頑張りが見えづらいこともありますから。
ただ「何も言わなくても、上司や周りは自分の頑張りを見てくれている」と思ってしまうのは危険かもしれません。今日何をする予定なのか、何をしたのか、どのような課題を解決しなければいけないのかなど、自身の業務内容をきちんと整理・把握して、それらを伝えることは意識しています。
貴重なお話、ありがとうございました。
WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。