日本のスマホ代は高い?携帯料金の仕組みや安くする方法もわかりやすく解説|トラムシステム
毎月かかるスマホ代、高いと感じたことはありませんか?日本のスマホ代は海外と比べて高いと聞きますが、実際のところどうなのでしょうか。
本記事では、海外の携帯料金との比較や日本の携帯料金の仕組み、誰でも簡単にできる値下げテクニックなどについてわかりやすく解説します。
目次
日本の1ヶ月の平均スマホ料金
日本では、1ヶ月のスマホ代にどの程度かかっているのでしょうか。次の表は、モバイル専門のマーケティング機関であるMMD研究所の調査結果で、通信サービス別に月々の支払い平均金額をまとめたものです。
調査元:MMD研究所
期間:2021年11月15日~11月17日
対象者:スマートフォンを利用している18歳~69歳の男女
有効回答数:36,006人
この表から、通信サービスによって平均金額に大きな差があることがわかります。大手3キャリアが最も高い傾向にあり、MVNOと比べた通信+通話代は2.5倍程度となっています。
契約データ容量によって実際の通信量は異なってきますが、自分の毎月のスマホ代が高すぎるのかどうかを考える際、一つの指標となるのではないでしょうか。
海外と比較して日本のスマホ代は高い?
日本のスマホ代は、海外と比較して実際に高額なのでしょうか。
2022年1月にICT総研に「2022年1月 スマートフォン料金と通信品質の海外比較に関する調査」を発表しました。これは、先進国6ヶ国(※)のスマートフォン料金(2021年12月1日時点)に加え、各アンケート調査や公開資料をまとめたものです。
この結果から、日本のスマホ代の特徴や携帯料金が高くなる理由を分析してみましょう。
※日本、米国、英国、フランス、ドイツ、韓国の6ヶ国
スマホ代
「スマートフォン料金プランの平均」についての調査結果からは、日本のスマホ代は、6ヶ国の中で最も安い水準となっていることがわかります。データ容量ごと(2GB、5GB、20GB、無制限)の、日本の1ヶ月の平均スマホ代は次のとおりです。
・2GB:1,477円
・5GB:2,376円
・20GB:2,445円
・無制限:6,169円
6ヶ国で比較した場合に、日本は2GBと20GBにおいて最も安く、5GB(2,222円)と無制限(3,777円)では英国が最安です。
日本は全てのデータ容量において6ヶ国の平均金額を下回っています。また、2020年に行なわれた前回の調査では日本は中位レベルでしたが、今回の調査では平均金額が大きく低下しています。
なお、米国とドイツは全てにおいて平均を上回る高水準という結果でした。つまり、ここだけを見れば日本のスマホ代は決して高くなく、むしろ安いことになります。
通信品質と料金の関係性
「日本のスマホ代が高いのは通信品質が高いから」という声も聞かれますが、スマホの通信品質と料金に関係性はあるのでしょうか。
ICT総研が参照した株式会社Agoopの調査データによると、日本の4G接続率は99.4%で6ヶ国中トップとなっています。加えて、3G接続割合と圏外・タイムアウトはどちらも0.3%となっており、6ヶ国の中でも通信品質の高い国と言えるでしょう。
日本のスマホ事情は、平均金額は最も安く、かつ通信品質は最高レベルという恵まれた利用環境であることがわかります。
スマホユーザーの料金満足度
海外に比べて、日本のスマホ代は安く通信品質は高いことが確認できましたが、ユーザーの実感はそうではないようです。
スマホユーザーに対して「サービスエリア満足度」「通信速度満足度」「料金満足度」についてアンケートをとった結果は以下のようになっています(数字はポジティブな回答をした人の割合)。
・サービスエリア満足度:65.8%
・通信速度満足度 :61%
・料金満足度 :48%
「サービスエリア」と「通信速度」は6割を超えていますが、「料金」の満足度はまだ半数に届かないようです。それでも、前回調査時の38.1%から改善されています。
この結果から、日本のスマホユーザーは、6ヶ国中最安、最高品質の通信サービスの提供を受けているにも関わらず、料金については不満があるという見方ができるでしょう。
日本の携帯料金の仕組み
「日本の携帯料金は高い」との声が依然として多いのは、その仕組みに理由があります。
実際、多くの要素によって携帯料金が決定されているため、複雑だと感じる方も多いのではないでしょうか。毎月同じようにスマホを使っているつもりでも、月額料金に波があるという方も多いでしょう。
ここでは、携帯料金の要素や仕組みについてわかりやすく説明していきます。
基本料
基本料とは通話をするための料金、電話インフラの使用料のことです。スマホを利用するためには必ず必要になる料金です。基本料は国内通話の無料時間によって料金が異なり、次のようなタイプに分類できます。
・電話をかけた時間ごとに課金される従量課金タイプ
・1回の通話時間が5分まで無料のタイプ
・1回の通話時間が10分まで無料のタイプ
・1ヶ月あたりの合計通話時間において無料時間制限が決まっているタイプ
・24時間いつでも無料のタイプ
オプション料
オプション料は、追加サービスの申し込みによって発生する料金です。故障時の保障サービスや紛失時の捜索サービス、ショッピングや動画・音楽を楽しめるサービスなど多岐にわたっています。
通話・データ通信料
通話・データ通信料とは、基本料以外の通話料と、データをやりとりする際に発生するデータ通信料のことです。
ほとんどのキャリアでは無料通話時間を超えた場合に、通話料は30秒ごとに22円課金されます。0570から始まる電話番号などの有料通話サービスも通話料に該当します。
データ通信料は次の2種類に分かれます。
・1ヶ月に使用したデータ量に関係なく料金が固定されているタイプ(無制限プラン含む)
・使用したデータ量に応じて料金が変動するタイプ
機種代金
機種代金は、スマホを新しく買う際に発生する端末費用です。支払方法は一括払いか分割払い(割賦払い)を選択できます。割賦払いの場合には、その支払い回数分、毎月のスマホ代に加算して請求されます。
その他
その他、利用者が一律で負担する必要のあるユニバーサルサービス料があります。これはユニバーサルサービス制度に基づくもので、加入電話や公衆電話、緊急通報など国民の生活に不可欠な電話サービスを、全国どこでも利用できる環境確保のための費用です。
また、インターネット上での買い物をスマホのキャリアを通して決済した場合に、毎月の請求額に加算されることがあります。
毎月のスマホ代を下げる方法
毎月のスマホ代が高いと感じたときに、何か簡単にできる対策はないでしょうか。使い勝手に影響がない範囲でコストダウンができれば理想的ですよね。
ここからは、今すぐできるスマホ代の値下げテクニックを紹介します。ぜひ参考にしてください。
不要なオプションを外す
大手キャリアでは、契約の際にさまざまな有料オプションが提案されることが多いです。店員の熱心な提案に押されてしまい、内容をよく知らないまま、不要な有料オプションを契約してしまっているケースも少なくありません。
また、キャンペーンプランの中には、最初から一部のオプションを無料提供していることがありますが、キャンペーン期間が終わると有料に戻ることも多いです。
定期的に契約内容を確認し、不要なオプションがあった場合は速やかに解約するようにしましょう。
通話プランを見直す
通話プランの見直しも効果的です。スマホの通話プランには「時間無制限のかけ放題プラン」と「一定時間までかけ放題プラン」の2種類が用意されています。
通話時間が多い人は、無料通話が多く使えるプランにしましょう。無料通話時間を過ぎると追加の通話料金が発生してしまい、コスト増の原因になります。逆に、電話をほとんどしない人なら無制限かけ放題プランは割高です。
自身の利用状況に適した通話プランを選択することで、コストダウンができないか検討してみましょう。
データ容量を見直す
スマホ利用においてはデータ容量はとても重要です。しかし、容量が増えるほど料金が増える仕組みになっているため、適切なプランを選びましょう。
Wi-Fiなどを上手く活用することで、データ容量が少ないとしても十分にスマートフォンを楽しめます。データ容量を超過したとしても、速度制限が生じるだけなので、メールや記事の閲覧程度なら支障がない場合も多いです。
多少の不足はオプションでデータ容量を追加購入してしのぐようにし、データ容量の固定費を減らすという考え方で対策を考えていくとよいでしょう。
格安SIMに変更する
大手の携帯電話会社のインフラを借りてサービスを提供する、MVNOと呼ばれる事業者があります。MVNOでは格安SIMを提供し、大手キャリアよりも安い料金プランを提供していますので上手に活用しましょう。
格安SIMについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。
まとめ
日本は海外と比べ、安い料金で通信品質の高いスマホ利用ができる環境が整っています。それでも毎月のスマホ代が高い、と感じる場合には、プランの見直しや格安SIMへの変更などでスマホ代を下げることも可能です。ぜひ一度、ご自身のスマホ代について見直してみてはいかがでしょうか。

WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。