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2022.01.21

固定IPアドレスで出来ること・メリット・セキュリティをわかりやすく解説|トラムシステム

IPアドレスという言葉は聞いたことがあっても、固定IPアドレスや動的IPアドレスとは何かわからないという方も多いと思います。一概にIPアドレスと言っても、その設定方法や割り振り方は、どのような目的で使用するかによって異なります。この記事では、固定(静的)IPアドレスにテーマを絞り、メリット・デメリットの他、セキュリティについて詳しく解説します。

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IPアドレスとは

Webサイトを閲覧したり、メールを送受信したりする場合は、通信相手を識別する必要があります。その際の役割を担うのがIPアドレスであり、言わばネットワーク上の住所のようなものです。

このIPアドレスにはIPv4やIPv6といったバージョンがあり、現在普及しているのが、32bitで構成された「IPv4(インターネットトプロトコルバージョン4)」です。

IPアドレスは、「172.32.1.1」や「126.255.255.1」といった10進数を用いて表されます。なお、この数字だけで表されたIPアドレスを、人間が理解しやすいように、文字に置き換えたものが「ドメイン」と呼ばれるものです。

グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスとは

IPアドレスには「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」があり、それぞれ役割が異なります。

グローバルIPアドレスは、インターネットに接続する各機器に割り振られたIPアドレスで、他の機器と重複してはいけません。

そのため、ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)や、JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)といった管理団体によって、厳しく管理されています。

プライベートIPアドレスは、家庭内や企業内などの限られたLAN(Local Area Network)において割り振られるIPアドレスです。ネットワークが異なれば同一のプライベートIPアドレスが存在しても問題ありません。

グローバルIPアドレスと異なり、プライベートIPアドレスでは、インターネットにアクセスすることはできません。そこで、通常グローバルIPアドレスが設定されたルーターを介して、WAN(Wide Area Network)へとアクセスします。

グローバル/プライベートIPアドレスの調べ方

現在自分が使用しているIPアドレス情報は、どのようにして調べられるのでしょうか。

・グローバルIPアドレスの調べ方
Webサービスを利用することで知ることができます。確認したい場合はこちらのサイトにアクセスしてみてください。

・プライベートIPアドレスの調べ方
お使いのOSによって確認方法が異なります。いくつか調べ方はありますがここでは代表的な方法をお伝えします。

ーWindowsの場合
コマンドプロンプトを立ち上げ、「ipconfig /all」と入力。→「IPv4 アドレス」もしくは「IP Address」の箇所に記載されている数値が、プライベートIPアドレスです。

※コマンドプロンプトは、スタートメニューの検索から、cmd.exeと入力することで起動します

ーMacの場合
アップルメニューの「システム環境設定」から調べることができます。

固定(静的)IPアドレスとは

機器に対するIPアドレスの割り当て方には、「固定(静的)IPアドレス」と「動的IPアドレス」があります。

固定(静的)IPアドレスは、ネットワーク管理者によって手動で設定されるIPアドレスであり、一度割り振られたら設定を変更しない限り変わることはありません。

例えば、ホームページを公開する際に使用されるWebサーバーには、固定(静的)IPアドレスが使用されます。理由は頻繁に変わってしまうと、ページにアクセスできなくなってしまい、サイトを閲覧することができなくなってしまうからです。

動的IPアドレスとは

固定(静的)IPアドレスとは反対に、頻繁に変わってしまうIPアドレスが、動的IPアドレスです。

通常、プロバイダからルーターのWAN側(インターネット側)に与えられるグローバルIPアドレスは、動的IPアドレスです。ルーターを再起動することで、それまでと異なるグローバルIPアドレスが、プロバイダによって再設定されます。

なお、LAN内の各機器に関しては、通常ルーターのDHCPサーバー機能を使用し、自動(動的に)でプライベートIPアドレスが割り振られます。

固定IPアドレスはなぜ必要?

上述した通り、自動で割り振られたIPアドレス(動的IPアドレス)は、ルーターの再起動や再設定をおこなうことで変わってしまいます。そうなると、例えば外部から社内のネットワークに入る設定をおこなっている場合、アクセスできなくなってしまうのです。

そこで求められるのが変わることのない固定IPアドレスです。

固定IPアドレスを利用することで、ルーターの再起動・再設定に関わらず常に同じ宛先を持ち続けることができます。

なお、プロバイダと契約すると与えられるグローバルIPアドレスは、通常動的IPアドレスです。

使いまわし可能な動的IPアドレスは、固定IPアドレスと比べてリーズナブルなのですが、外部からアクセスするようなサービスを利用する場合には、固定IPアドレスが必須となります。

固定IPアドレスのメリット

固定IPアドレスを使用することで得られるメリットについて解説します。

・ホームページを公開することができる
ホームページを公開する際、度々変更されてしまう動的IPアドレスでは、毎回サイトにアクセスすることはできません。

・外部から社内のファイルサーバーにアクセスできる
同様に、社内で構築したファイルサーバーに外部からアクセスする場合においても、変わることのない固定IPアドレスが必須です。

・防犯カメラの24時間遠隔監視ができる
防犯カメラについては、動的IPアドレスだけで遠隔監視していると、突然IPアドレスが変わってしまった場合に、モニターをチェックできなくなってしまうということが起きてしまいます。

・クラウドサービスのセキュリティ精度を高めることができる
オンライン上で、ID・パスワードを使ってログインするクラウドサービスにおいても、指定したIPアドレスからしかアクセスできないようにすることで、セキュリティ精度を高めることができます。

※この場合、アクセスする機器側において固定IPアドレスが設定されていることが条件です

固定IPアドレスのデメリット

固定IPアドレスについては「料金」と「セキュリティ」においてデメリットがあります。

・固定IPは別途料金がかかる
プロバイダによっては、例えばOCN光のように、月額料金に固定IPが1つ含まれているケースもありますが、ASAHIネットのように、別途月々800円支払わなければ使用できない場合もあります。

動的IPアドレスよりもコストがかかる可能性があるということを覚えておいてください。

・不正アクセスが懸念される
近年、不正アクセスをはじめとしたサイバー攻撃が増加しています。動的IPアドレスと異なり変わらない固定IPアドレスは、ハッカーによって特定されやすいことが考えられます。

もしも不正アクセスがあった場合に、IPアドレスの変更に時間がかかる点もデメリットです。

固定IPアドレスのセキュリティは大丈夫?

IPアドレスはネットワークにおける住所と同じです。ただし、IPアドレスがわかったからといって、プロバイダを契約した人の個人情報が特定できるというわけではなく、個人情報は、プロバイダによって厳重に管理されています。

それでも、固定IPアドレスが設定されているということは、いつでも、誰でもあなたのネットワークにアクセスできてしまうことを意味します。悪意のあるハッカーが、なんらかの脆弱性を突いて侵入し、顧客情報を入手したり、漏洩させたりといったことを起こすリスクがあることは理解しておきましょう。

セキュリティ事故を防ぐための5つのポイント

固定IPアドレスを使用し安全にサービス運用をおこなうためには、セキュリティ対策が必須です。データの改ざんや個人情報の漏洩を防ぐためにも、次に挙げる点はぜひ参考にしてください。

ポイント1.ファイアウォールを導入する
ファイアウォールは、インターネットを通して内部のネットワークに侵入する、不正アクセスをブロックするためのシステムです。

ファイアウォールの種類には、パケットの情報を元に通過させるか判断する「パケットフィルタリング」や、アプリケーションデータの中身を完全にチェックできる「アプリケーションゲートウェイ型」などがあります。

ポイント2.セキュリティソフトを導入する
セキュリティソフトの機能のひとつである、「ウイルス対策」によって、内部ネットワークのデータ改ざんや、個人情報の漏洩を事前に防ぐことができます。
セキュリティソフトは常に最新状態にアップデートしておくことが大切です。

ポイント3.必要なときだけサーバーを立ち上げる
例えば、固定IPアドレスが設定された社内のファイルサーバーがあったとして、24時間365日立ち上げっぱなしの場合よりも、時間を決めて必要がないときはサーバーを落としておくなどすることで、セキュリティリスクを回避できます。

ポイント4.不要なサービス(ポート)は使用しない
ポートはデータの送受信をおこなう際の道のようなものです。ルーターのポートを開くことで、外部からの特定のサービスによる接続が可能となります。

しかし中には脆弱性のあるアプリケーションもあるため注意が必要です。そのため必要ないポートは使用しない(開かない)ようにしましょう。

ポイント5.セキュリティ情報をこまめにチェックし脅威に備える
IT担当社の中でも、特にネットワークのセキュリティに関わる人は、最新のセキュリティ情報を把握しておくことが大切です。

脆弱性情報やインシデント情報をはやくキャッチしておけば、あらかじめ対策を打つことができます。(参考:IPAの情報セキュリティ

固定IPアドレスの取得方法

固定IPアドレスを取得するには、契約しているプロバイダで別途申し込む方法と、固定IPアドレスの提供会社を利用する方法があります。

例えばBIGLOBE光を利用しているなら、月額3,500円で固定IPアドレスオプションが使用できます。

また、インターリンクでは、契約している回線に関係なく固定IPアドレスが利用できるサービスがあり、月額1,100円~で固定IPアドレスの使用が可能です。

まとめ

IPアドレスといっても種類や設定方法は様々です。固定IPアドレスはWebサイト公開には必須である一方、コストやセキュリティ面でのデメリットもあります。特に企業で採用する場合は、本当に設定した方がよいのか、事前によく検討することが大切です。


プロフィール写真

WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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