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PBXとは丨市場シェア・主要メーカー・便利機能を解説|トラムシステム

内線や保留、転送機能などオフィスでの電話業務に便利な機能を利用するために必要なPBX。オンプレミス型やIP-PBX、クラウドPBXなどの種類があり、様々なメーカー、ベンダーから提供されています。この記事ではPBXの種類やメーカー、シェアについて解説します。

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PBXとは

PBX(Private Branch eXchange)とは、機内交換器と呼ばれる機器です。複数の電話回線を管理し、社内に設置してある電話機同士の内線通話、外からかかってきた電話を社内で受けたり、社内から外に発信する外線電話など、回線の制御を行います。

例えば、お客様から社内の担当者宛に電話がかかってきた場合、直接担当者の個別電話に着信が行くわけではなく、一度PBXに接続された後、適切な接続先(今回の例では担当者の電話機)に転送して着信を行います。同様に、社員Aから社員Bに内線電話をかける場合、社員Aから発呼された一度PBXに接続された後、社員Bの電話機に転送して着信を行います。

国内PBX市場シェアと主要メーカー

PBX/ビジネスホン市場は近年、250億円前後の規模でほぼ横ばいで推移しています。

その背景として、PBX/ビジネスフォンの需要は現在使っている機器の故障や寿命による買い替えが主であることに加え、PBX/ビジネスフォンがオフィス機器の中でも比較的耐用年数が長く、使用方法や頻度によっては10年以上使い続けることが可能であることがあります。

また、世界的に見ると急速に普及しているクラウドPBXも、日本においてはまだその普及率は決して高いとは言えません。アメリカのパラレルス社が2013年に実施した日本国内の市場調査によると、中堅・中小企業でクラウドPBXを利用しているのは2012年度時点でわずか3%程度にとどまっています。

これはかなり古いデータであり、現在はもう少し伸びていることが予想されますが、上述したPBXの耐用年数の長さを考えると、日本においてはオンプレミス型のシェアが高いでしょう。

日本で展開しているPBXメーカーは何社もありますが、富士キメラ研究所によると金額規模での市場シェアは以下の通りとなっております。

1位: 日本電気(NEC)
2位: 日立製作所
3位: 富士通

上記以外のメーカーを含めた、各メーカーの詳しい解説は以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

PBXとビジネスフォンの違い

PBXとビジネスフォンを同じものとして認識している方もいらっしゃるかもしれませんが、この2つにはいくつかの違いがあります。

回線の容量

PBXとビジネスフォンは接続できる電話機の台数が異なります。

PBXは大規模利用を想定した仕様になっていることから、1,000台以上の電話機にも対応することができる一方で、ビジネスフォンは比較的中小企業がコンパクトに利用できることを想定していることから100台程度までの電話機に対応しています。

内線/外線の種類

内線/外線の種類という観点ではPBXもビジネスフォンもあまり違いがなく、ビジネスフォンが内線でISDN回線を使用できない点を除けば、どちらもアナログ回線からISDN回線まで幅広く対応しています。

システムの安定性

システムの安定性は、ビジネスフォンに比べてPBXの方が高いです。

PBXの場合、CPU(中央演算処理装置)が複数利用されていることから、いずれかのCPUがダウンしたとしても稼働しているCPUで処理を進めることができ、業務を止めることなく復旧作業を行えます。

特にコールセンターでは繁忙期などに着信が集中し、CPUがクラッシュしてしまうことも考えられることから、高性能のCPUが搭載されています。

また、バッテリーの増設による急な停電による電力不足に陥ったとしても1日程度の停電であれば内蔵したバッテリーにより業務を行うことも可能です。

一方、ビジネスフォンの場合、上記のような複数のCPUや高性能化やバッテリーの登載などがないため、なんらか不測の事態が発生した際にすぐに業務に支障が出てしまいます。

購入価格

ビジネスフォンに比べてPBXの方が高性能ということもあり、PBXの方がビジネスフォンに比べて高くなっています。

求める機能や性能によって金額はかなりばらつきがありますが、一つの目安としてPBXは100万円以上かかってくるのに対し、ビジネスフォンは数十万円程度から購入できる機種もあります。

PBXの主な機能

PBXにはビジネスに欠かせない様々な便利機能が搭載されています。主な機能を紹介しましょう。

着信制御

以前のように、契約している電話回線の数に対して電話番号が割り振わける方法では、従業員の数(=電話機の数)だけ電話回線が必要になるため、莫大な月額料金が必要になってしまいます。

PBXでは契約している電話回線の電話番号を親番号として、事前に用意している内線番号に対して電話を振り分けて電話回線を有効活用しており、着信制御と呼ばれています。

例えば、営業部宛の電話であれば営業部の代表電話につなぐ、管理部宛の電話であれば管理部の代表電話につなぐなどの制御を行い、宛先に応じて電話を割り振る役割を担っています。

発信制御

外線へ発信する際、PBXではLCRとACRと呼ばれる機能が用意されています。

(1)LCR(Least Cost Routing)
LCR機能とは、入力された電話番号から受け側の電話番号に対して一番価格が安いプロバイダーを自動選択し、電話を発信する機能です。

PBX側で自動的に選択、接続が行われるため、利用者は特に意識することなく通話料を低く抑えつつ電話をかけることが可能になります。

(2)ACR(Automatic Carrier Routing)
ACR機能とは、電話を発信する際に事前に設定しておいたプロバイダーに自動接続されて発信する機能です。

LCRのような自動的にプロバイダーを選択して発信する方法では高機能なPBXが必要になるため初期費用が高額になってしまうため、初期費用をあまりかけず、でも通話料は抑えたいと考えている方向けの機能と言えます。

代表番号着信

代表電話着信機能とは、事前に設定しておいた電話機に接続する機能です。

優先順位付けにも対応しているため、例えば事前に設定しておいた電話機で誰も応答がない場合には、自動的に次の電話機に電話コールを振り分けて対応することが可能です。

転送

転送機能とは、電話を受けた電話機に対して担当者が応答しなかった場合や通話中で応答できない場合に、事前に設定した番号に転送する機能です。

例えば、担当者が不在の場合に電話をしてしまうと再度かけ直す必要がありますが、この機能を活用することで不在の場合は自動的に転送されるため、かけ直す手間を省くことができます。。

パーク保留

パーク保留機能とは、通話している最中に一度保留にした後、別の電話機で応対ができる機能です。

例えば、コールセンターでお客様から質問を受けた場合、担当のオペレーターでは判断がつかず、上長や先輩社員に替わって応対することがあります。そのような場合、担当のオペレーターがパーク保留機能を押しておけば、上長や先輩社員が別の電話機で応対することができるというわけです。

基本的な操作方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

CTI機能

CTI(Computer Telephony Integration System)機能は、お客様から電話があった際に他システムとデータ連携を行うことで過去の対応履歴や購入した商品などを対応するオペレーターの画面に表示させる機能です。

主にコールセンター/コンタクトセンターで使用される機能ですが、お客様と会話する前に状況把握ができるため、お客様満足度の向上への取り組みができるとあって、多くの企業で利用されています。

CRM機能

CRM(Customer Relationship Management)機能は、お客様を管理している自社もしくは他社のCRMシステムと連携させて、お客様情報を把握した上でアップセルやクロスセルのような販売、販促活動やお客様サポートを行う際の支援機能です。

新規のお客様を獲得するよりも既存のお客様から売上を増やす方がかかるコストが少ないということもあり、最近は特にCRMに力を注いでいる企業が増えてきており、今後更に利用が進むと考えられています。

工事不要・低価格で導入できるおすすめのクラウドPBXとは

クラウドPBXとは、ベンダーがクラウド上に設置したPBX(構内交換機)にインターネットを通じてアクセスすることで内線・外線などの電話機能を利用するサービスです。

電話回線ではなくインターネット回線を利用するため、回線工事が必要ありません。さらにビジネスフォンの主装置にあたるPBXがクラウド上にあるため、オフィス内に物理的な機器を設置することなく、インターネット環境さえあればすぐに利用開始できます。

【クラウドPBXのメリット】
・PBX(主装置)を購入する必要がないため、初期費用を抑えられる
・インターネット環境があればPBX機能を利用することができる
・スマートフォンを内線端末として利用できる
・複数拠点を持つ企業の場合、海外拠点であっても拠点間の通話をすべて内線で行える
・物理的な機器をオフィスに設置する必要がないため、地震などの自然災害時に破損する危険性がない
・機器のメンテナンスやセキュリティ対策を自社で行う必要がない
・回線の増減や設定などもブラウザから簡単に行うことができる

これらのメリットにより、個人事業主・中小企業から大企業まで様々な企業で普及しています。

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まとめ

PBXと主装置(ビジネスフォン)は似たような機能を共通で持っている一方で、規模や対応できる回線の種類、システムの安定性など異なる点もあることに留意が必要です。

また、最近はベンダーと契約をしてクラウド上にある電話設備をサービスとして利用するクラウドPBX化が普及してきています。オンプレミス型とクラウド型にはそれぞれメリットデメリットがあるため、どちらが自社の運用に合っているのかを検討しましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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