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2019.01.15

クラウドサーバのメリット・デメリットを解説|トラムシステム

インターネットを利用したサービスを提供する際、これまではオンプレミスで自社内にサーバーを構築するケースが一般的でしたが、最近では専門の業者が運用するサーバーをサービスとして利用するケースが増えてきています。この記事では、これからサーバー構築を検討している方でオンプレミスにするべきか、クラウドサーバーにするべきか悩んでいる方向けにクラウドサーバーの特徴やメリット、デメリットを詳しくまとめていきます。

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クラウドサーバーの構築とは

クラウドサーバーは、クラウドサービスの提供者が用意した環境をインターネット回線を通じて利用するものであり、これまですべて自社で構築する必要があったコストの削減とセキュリティの技術進歩により実現した新しい利用形態のサーバーになります。クラウドサーバーは、その利用範囲によって3つに分類されます。

SasS(Software as a Servie)

インターネット経由でソフトウェアを提供するサービスであり、従来はパソコンごとに必要なソフトウェアをインストールして利用できるようにする必要がありましたが、SaaSを利用することでインストールしなくてもサービス利用ができるようになりました。ID、パスワードを利用することで、インターネットが繋がる環境があればどこでも利用ができるということで、現在までにかなり多くのサービスが提供されています。

代表的なサービスとしては、Dropboxなどのオンラインストレージサービスや経理業務、グループウェアや解析ツールなどがあります。

PaaS(Platform as a Service)

インターネット経由で自社が必要とするアプリケーション環境を開発するためのプラットフォームを提供するサービスであり、あまり馴染みがないサービスにはなりますが、代表的なサービスとしては、Google App EngineやWindows Azureなどが該当します。

IaaS(Infrastructure as a Service)

インターネット経由でハードウェアやネットワーク回線などのインフラを提供するサービスであり、契約者がOSやハードウェアの性能まで自由に選択ができます。共用サーバーを提供しているレンタルサーバー業社が提供するクラウドサービスを同じものと考えればそれほど間違いはないでしょう。

メリット

サーバー構築の初期費用を削減できる

サーバーを構築する場合には、サーバーを調達して組み立てて設定を行ったり、サーバーを設置するネットワークや回線の契約など、機器の調達費用に加えてそれを使える状態にするための稼働費が必要になります。サーバー環境を構築するためには、数ヶ月の期間が必要になることから、稼働費もかなりの金額になってしまいます。

クラウドサーバーでは、既にサーバーは使える状態になっており自社に必要な環境を設定して組み立てていくことになります。そのため、かなり短期間の稼働で作業を終えることができるため稼働費の削減やそもそもの機器調達が不要になるため、初期費用を大きく削減できます。

サーバーの保守運用が不要になる

自社でサーバーを構築した場合、当然にはなりますがその後の運用保守も自社の社員が対応する必要があります。監視やセキュリティ対応などの業務に加えて、何かあったときに対応ができるように24時間体制で保守をするメンバーを準備しておく必要もあることから、運用保守費用も積み立てるとかなりの金額になってしまいます。

クラウドサーバーでは、運用保守はクラウドサービス業社が代わりに行いますので、運用保守に必要な人員を割く必要がなく、業務に専念することも可能になります。

短期間で必要な環境を利用できる

自社内にサーバー環境を構築するためには、要件整理から設計、構築、テストからリリースと言った一連の業務を回す必要があり、少なく見積もっても6ヶ月程度の期間が必要であり、運用開始までにかなりの時間が必要になります。

クラウドサーバーの場合は既に環境があることから、早ければ1時間以内に必要な環境を用意してサービスを開始できます。

バックアップ体制と復元対策ができる

自社で自然災害等の発生時に事業を継続するためのリスクを回避したり、そうならないための災害対策に対応した環境を構築することは、コストと時間の観点から相当難しいと言えるでしょう。また、東京での災害を想定した場合を考慮して大阪に分散させるなど地理的な側面を考えると同じような環境を2つ、あるいは3つ用意するのは容易ではありません。

クラウドサーバー業社のほとんどはデータセンターで管理されており、災害時にシステムが停止しないための自動で電源を切り替えたり、片方がダウンしたとしてももう片方でデータを復元したりなど、クラウドサーバーを運用するために必要な環境を用意しているため、何かあった時のリスクを比較すると自社運用よりも対策ができていると言えることが多いでしょう。

デメリット

情報セキュリティのリスク

クラウドサーバーはインターネットに繋がれているため、常に外部からの攻撃にさらされています。例えば、よくあるケースとしてはDos攻撃のような大量アクセスによるサーバー稼働率の急上昇でパフォーマンスが下がったり、SQLインジェクションと呼ばれる利用者が入力する情報と一緒に悪意のあるSQL文が挿入されて不正に個人情報を抜き取るなど、様々な情報漏洩リスクがあります。

また、意外と多いのが人為的な操作ミスによる情報漏洩リスクです。クラウドサーバー業社によっては社内のサーバー操作について厳密なルールがなかったあり、担当者の教育不足などで個人情報などの漏洩やセキュリティホールを作ってしまい、外部アタックを受ける温床になっていたりします。

そのため、クラウドサーバーを選択する場合にはこういったセキュリティ対策が万全の会社を選択することが求められます。

カスタマイズの柔軟さ

クラウドサーバーは自社で簡単に必要な環境を構築できる半面、どうしてもクラウドサーバー業社が定めるルールに基づいて運用する必要があり、細かいところまでカスタマイズを加えることはできません。自社にあった最適な環境を構築したいと考えている場合には、大きなハードルになることが想定されます。

長期的に考えるとトータルコストが高くなるケースがある

クラウドサーバーは初期費用を安くする一方で月額費用で設備投資等の費用を回収するモデルになっているため、長期的にコストを試算するとどこかで自社構築した方が安くなるケースが発生します。もちろん、クラウドサーバーを利用し続けた方がオンプレミスで構築するよりも安く仕上がるケースが多かったりしますが注意をする必要です。

まとめ

クラウドサーバーは初期費用を大きく圧縮することができることに加えて、かなりの短期間で必要なサーバー環境を構築できる新しい利用形態であり、急なキャンペーンでシステムを強化する必要があったり、セキュリティ対策を強化するための対策を施すなど、将来を的確に予測することが難しいがゆえに、柔軟な対応ができるということで最近は多くの企業で導入が進んでいます。

もちろん、オンプレミスでサーバーでを構築することのメリットもあるため、自社で運用する場合にどちらがもっとも自社ニーズに合った利用方法なのか検討した上で、適切なサーバー構築を進めていくべきではないでしょうか。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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