ダイヤルアップ接続とは?仕組みや速度を光回線と比較しながら解説|トラムシステム
ダイヤルアップ接続とは、インターネット回線黎明期の1990年代に流行した接続方法です。速度や利便性に優れる光回線サービスの普及により次第に利用数が減り、ついに2020年にサービスの終了が発表されました。
この記事ではダイヤルアップ接続について、速度や仕組み、現在の主流である光回線と比較しながら解説します。
目次
ダイヤルアップ接続とは
ダイヤルアップ接続とは電話回線を用いたインターネット接続方法です。1990年代に電話回線さえあれば利用できるインターネット回線として普及しました。
初期の速度は300bps~1200bpsと低速で、現在は簡単にできる操作も非常に時間がかかります。また3分10円の利用料が発生する従量課金制で、頻繁に利用すると毎月数万円の出費となりました。接続中は電話回線を占有してしまうため、電話を利用できないのもネックです。
このような欠点がありながらも利用され、1990年代後半からISDNやADSLが登場するまでの主流でした。
ダイヤルアップ接続の仕組み
電話用の回線を間借りしてインターネット接続を行うのがダイヤルアップ接続の仕組みの基本です。同じ原理で画像データをやり取りするFAXを思い浮かべるとイメージしやすいのではないでしょうか。文字通り電話のような感覚でインターネットに接続する技術です。
まず、LANケーブルを用いてパソコンにモデムという機器を接続します。モデムとは、パソコンのデジタル信号を電話回線のアナログ信号に変換する機器です。モデムには電話回線も接続されており、変換したアナログ信号をそのまま電話回線へと中継する役割を担っていました。
その後、インターネットプロバイダや企業内ネットワークが用意している接続先電話番号(アクセスポイント)にダイヤルし、電話回線経由でインターネットに接続します。
アクセスポイントには、当時流行したパソコン通信のホストコンピューターやインターネットと常時接続している回線が用意されていました。現在の無線LAN(Wi-Fi)のような存在です。スマートフォンのように常時インターネットに接続する機器が希少だった時代、アクセスポイントはダイヤルアップ接続に欠かせないツールでした。
ダイヤルアップ接続の通信速度
今ではほとんど利用されていないダイヤルアップ接続、具体的な通信速度はどれほどなのでしょうか。現在主流となっている光回線と比較してみましょう。
ダイヤルアップ接続も技術が向上し、理論値で56Kbps~128Kbps ほどの速度となりました。ただし、これでも非常に低速です。インターネット接続をやりすぎて速度制限を受けた4G LTEスマホの速度が128Kbpsなので、速度制限中のスマホとほぼ同等となっています。
【128Kbpsでできること】
・LINEなどテキストメッセージのやり取りは可能
・Googleマップも利用できるがWiFi環境下が望ましい
・Skypeをはじめとする音声通話は途切れがちとなる
・SNSやネット検索は読み込みに数分かかる
・動画の視聴はほぼ不可能
現在のインターネット環境での利用は困難といえるでしょう。
一方光回線の通信速度は、理論値で最大20000000kbpsにも登ります。これはダイヤルアップ接続の370万倍もの通信速度です。ADSLと比較しても4000倍の速度となっています。約30年間で技術の進歩が急速に進み、ダイヤルアップ接続では太刀打ち不可能な状況となりました。
現在は光回線が主流
現在のインターネット回線は、ISDNやADSLの時代を経て光回線が主流となりました。ダイヤルアップ接続だけでなくISDNやADSLも提供終了が告知されており、一般家庭でも乗り換えが進んでいます。
光回線とは
光回線とは光ファイバーケーブルでインターネットに接続する回線です。光回線は電磁波の影響を受けにくいという特徴があり、通信速度が速く、非常に安定しています。
テレワークやオンラインゲームの普及によりデータ使用量は増加傾向にあるため、業務・プライベート両面で光回線は欠かせない存在です。日本ではNTTの光回線「フレッツ光」やフレッツ光の回線を他社が借り受けて販売する「光コラボ」がよく使われています。
光回線のメリット
光回線には以下のようなメリットがあります。
1.通信速度が速く安定している
他のインターネット回線と比べて圧倒的な速度を誇り、電気信号のノイズの影響を受けにくく、遠距離でも安定してデータを送受信できます。
2.Wi-Fiによる無線接続に最も適合している
他の回線では不安定になりがちなWi-Fiルーターによる無線接続でも、高速な通信速度を保持します。
3.安価な光電話が利用できる
アナログ電話の基本料は1,600円ですが、光回線を利用した電話サービス光電話は500円と安価です。アナログ電話の番号も番号ポータビリティで引き継げます。
4.アンテナなしでテレビ放送を見れる
光回線にテレビサービスも提供されており、オプション契約すればアンテナなしで地上デジタル放送・BSデジタル放送を視聴できます。
OCNがダイヤルアップ接続サービスの終了を発表
主流が光回線に移り変わった後も、NTTが運用するインターネットプロバイダOCNでは 「OCN ダイヤルアップ接続サービス」が提供されていました。
しかし時代の波には抗えず、2020年10月19日にサービス提供終了を発表しています。11月2日には新規申し込みが終了し、2022年2月28日で完全にサービス終了となる予定です。
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クラウドPBXとは、ベンダーがクラウド上に設置したPBX(構内交換機)にインターネットを通じてアクセスすることで内線・外線などの電話機能を利用するサービスです。
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【クラウドPBXのメリット】
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・スマートフォンを内線端末として利用できる
・複数拠点を持つ企業の場合、国内外問わず拠点間の通話をすべて内線で行える
・物理的な機器をオフィスに設置する必要がないため、地震などの自然災害時に破損する危険性がない
・機器のメンテナンスやセキュリティ対策を自社で行う必要がない
・回線の増減や設定などもブラウザから簡単に行うことができる
これらのメリットにより、個人事業主・中小企業から大企業まで様々な企業で普及しています。
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まとめ
時代の変化に伴い役目を終えつつあるダイヤルアップ接続は、インターネット黎明期に一般人の手に届くインターネット回線として、確かな足跡を残しました。今後インターネット回線がさらに進化しても、ダイヤルアップ接続の功績は語り継がれ記憶されていくでしょう。
WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。