主要サーバ解説|データベースサーバ|トラムシステム
パソコンを利用するには、サーバーの活用が不可欠です。サーバーには様々な種類がありますが、webサーバー、アプリケーションサーバー、データベースサーバーの3種は特に重要なサーバーとなります。この3種を含む複数のサーバーに処理を振り分けし、負荷分散を行うことで、サーバーは安定して機能します。
本記事では、そのうちの一つであるデータベースサーバーについてまとめました。アプリケーションサーバーとは何か、他のサーバーとの違い、用途、ソフト、主要サービスを分かりやすく解説します。サーバーについても簡単に説明しますので、ぜひ参考にして下さい。
サーバーとは
携帯電話のSIPサーバーに関しては、下記の記事で解説しています。興味のある方は、こちらも併せてどうぞ。
▶︎SIPサーバーとは|SIPサーバーの仕組みを解説
▶︎SIPサーバーの構築と通信方法|呼制御プロトコルデータのやりとりを解説
サーバーとは、ホームページの閲覧やメールの送受信など、インターネットを介してユーザーのリクエストに答える役割を果たすコンピューターの事です。メールの送受信を行うメールサーバー、ファイルの送受信のためのFTPサーバー、webサイト閲覧に欠かせないDNSサーバーなどが存在します。インターネットに限らず、駅の券売機やコンビニのATMなどもサーバーを利用してサービスを提供しています。サーバーには、物理的に設置する物理サーバーとクラウド上に設置する仮想サーバーの2種類があり、現在は仮想サーバーが主流です。
webサーバー、アプリケーションサーバー、データベースサーバーは、webサイトの利用に関するサーバーです。この3つで、多くのwebサイトが採用している3階層システムを構成しています。OS(オペレーションシステム)とアプリケーションソフトウェアと中間に入るため、ミドルウェアと呼ばれることもあります。各サーバーのそれぞれの役割は以下の通りです。
・webサーバー~ユーザーがブラウザからリクエストした内容を処理する。
・アプリケーションサーバー~webサーバーからのリクエストを処理する。
・データベースサーバー~webサイトに関する情報を保存する。
3階層システムを利用してwebサイトを構築すると、2つのメリットがあります。1つ目が、システムを変更する際にコストが安くなることです。1階層の場合、多少の変更でもシステム全体に影響が及びますが、3階層なら最小限に抑えられます。2つ目が、パフォーマンス面でのメリットです。3つのサーバーに処理を分担させることで、スピードが向上しエラーも起こりにくくなります。以前はアプリケーションサーバーを除いた2層構造が主流でしたが、処理速度に問題があったため現在の形になりました。
データベースサーバーとは
アプリケーションサーバーは、3階層システムを構成するサーバーの一つです。3階層システムの最下層に当たるポジションであり、データベース管理システムが作動しているサーバーを指します。
データベースサーバーの役割は、主に2つに分けられます。1つが、データの保存です。システムが扱うデータの管理、保存、更新、削除、バックアップを行います。ただし、従業員や顧客の個人情報、ゲームのIDや課金情報のような数字とアルファベットで構成される情報に限ります。音声や動画は、データが大きくなりがちなので向いていません。
2つ目の役割が、アプリケーション層との連携です。通常、webブラウザからのリクエストはアプリケーションサーバーが対応します。しかし、データベース管理システム内の情報が必要な場合は、データベースサーバーにもリクエストが届くのです。リクエストに応じて情報を提示したり、書き換えや削除を行うのもデータベースサーバーの重要な任務です。
データベースサーバーが最も活躍するのは、数字やアルファベットで構成される顧客データを保有している会社です。IDナンバーや暗証番号などの保有が珍しくない現代、データベースサーバーのどこかに私たちの個人情報が記憶されていても不思議ではありません。
そのため、サーバーの中でも特にセキュリティや堅牢性が求められると言えます。大規模なシステムの場合は独立して運用され、大容量のストレージ装置を内蔵したコンピュータで稼働しています。システムエンジニアはデータベースサーバの管理に力を入れており、処理速度を向上させるチューニングを欠かしません。
おすすめのデータベースサーバー
最後に、おすすめのデータベースサーバーを紹介しましょう。データベースサーバーの構築には①専用の機器を購入して設置する②ネットワーク上のレンタルサーバーを借りる2つの方法があります。機器を購入した場合、安全性は高まりますが、費用が高くなりメンテナンスに手間がかかります。レンタルサーバーの場合、安全性は低下しますが、費用は安くなり24時間メンテナンスを行ってくれます。導入する場合は、保存するデータの性質や重要性を考えながら行いましょう。
Oracle Database
堅牢性に定評があり、様々な企業で利用されるデータベースです。米国のオラクル社が開発したシステムで、大企業が重要な機密情報を保護するのに向いています。Oracle Databaseの特徴は以下の通りです。
①行レベルロックにより待ち時間を提言
②排他ロックを受けずにデータを読み取る
③データベース遠隔複製機能により、情報流出を防ぐ
④ほとんどがC言語およびJavaで構成されており、移植性が高い
2018年には最新バージョンがリリースされるなど、さらなる発展を遂げているシステムです。
My SQL
多くのレンタルサーバーで利用され、人気の高いデータベースサーバーです。オープンソースで公開されており、低コストで導入できるのが特徴となります。世界でもっとも普及しているデータベース管理システムの一つです。
My SQLの特徴は以下の通りです。
①用途に応じたストレージエンジンを搭載できる「マルチストレージエンジン」を搭載
②マスタスレーブ方式のレプリケーション機能を備え、堅牢なストレージを構築可能
世界で80%、日本で60%のシェアを誇り、今後もデータベースサーバのスタンダードとして活躍すると予想されています。
PostgrsSQL
オープンソースのデータベース。低コストながら、大規模データベースと同じ機能を持ち人気が高まっています。My SQLに次ぐシェアを誇っており、その差は年々縮まっているとされています。PostgrsSQLの特徴は、以下の通りです。
①関数により処理のまとまりを定義できる
②全文検索、文字列検索が可能
③データベース・オブジェクトの追加が容易
スケーラビリティ、更新速度がアップデートにより急速に進化しており、今後のスペック向上が期待されるデータベースサーバーです。
まとめ
データベースサーバーは、アプリケーションサーバーと連動しクライアントPCからの命令を処理します。単にデータを保存するだけでなく、データを処理する速度にも関わってくるので重要なサーバーです。データベースサーバーを適切に管理し、PCの最適化に繋げましょう。
WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。