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オムニチャネル・コンタクトセンターシステム|WebRTC|トラムシステム

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WebRTCを使ったビデオチャット業務とは?

Webサイトからビデオチャットのチャネル(システム)を利用してコンタクトセンターのオペレータに問合せをする業務です。オペレータがビデオチャットチャネルでの問合せに応じると、顧客とオペレータとの1対1での対面でのチャットが開始されます。オペレータと顔を合わせてのコミュニケーションです。

単なるビデオチャットだけではなく、顧客とオペレータとの間で同じドキュメントを共有の上、支援をする、顧客の閲覧しているWebページをオペレータ側から操作支援するなど、いわゆるリモート支援も含めた業務です。これを実現するテクノロジーがWebRTC (Web Real Time Communication)です。

もともと、WebRTCとは、非営利団体のWorld Wide Web Consortium(W3C)が提唱するリアルタイムコミュニケーション用のAPIの定義であり、これを活用することによって、プラグインなしでWebブラウザ間のボイスチャットやビデオチャット、ファイル共有、遠隔操作などができるようになります。
Webブラウザ上でビデオチャットなどのコミュニケーションを行う方法としては、Ciscoビデオ会議やSkypeでも実現はしてきました。しかしながら、その為には専用のソフトウエアをアドオンとしてインストールする必要がありました。Webブラウザ上にプロトコルを埋め込むだけで、それを実現できる点がWebRTCの最大の魅力になります。

実際の利用例を確認してみましょう。
三井住友銀がビデオチャットを使った遠隔相談サービスではWebRTCを使っています。
住宅ローン相談等に来店した個人顧客に、ホームページ画面や資料を画面上で共有しながら、応対するサービス。非対面でも、対面と同レベルのサービスを提供することを目指す、と発表しています。
ローン相談などは対面での相談が通常ですが、専門のスタッフが店舗に居ない場合には遠隔地での相談を行うことにより、サービス提供を実現したものです。

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http://www.fina-sol.com/news/102173.htmlからの引用

三井住友海上火災保険が行っている損害調査において、契約者がスマートフォンで撮影した動画を使った損害調査サービスが行われ、WebRTCが使われています。
テレビ電話のようにリアルタイム映像でカメラを使って保険会社と会話することで、保険金の請求書類の書き方まで細かい説明に利用されています。

画面イメージ
https://webrtc.ecl.ntt.com/usecase/webrtc/msad/

【WebRTCによるビデオチャットについて、顧客のメリット】

先の例の様に、電話でのコミュニケーションでは、不十分な支援が必要な場合に専門スタッフに相談できることが、WebRTCによるビデオチャットの最大のメリットです。

契約書類やマニュアルなどを見ながら説明・入力支援

保険のコールセンターで保険契約内容の説明をする際、資料を確認しながら、説明を進める、テクニカルサポートセンターで、機器のマニュアルを確認しながら、説明を進める、といった場面において、オペレータと顧客の意思疎通が上手く進まないことがあり得ますが、同じ資料をパソコン・スマホにて共有表示し、リアルタイムにガイダンスができることで、顧客の理解度と通話時間の短縮も繋がります。

・Webでの会議/学習の実現

会議での利用は当然のこと、オンラインでの学習にも最適なコミュニケーションです

テクニカルサポートでの活用

ビデオ機能を応用することにより、顧客の状況をリアルタイムに確認することで、サポートを
迅速化することができます。機器の操作についてのサポート依頼があった場合、電話では意思疎通が
不十分なところを、ビデオ機能をつかって機器を見ながら操作、トラブルシューティングが可能となります。

【WebRTCによるビデオチャット業務の企業側の有効性】

一方で企業にとってもWebRTCを活用した業務の有効性は高いと言えます。3つの視点があります。

フリーダイヤルコストの削減

WebRTCでの通話はインターネット経由の電話番号不要のデータ通信ですからインターネット通信費用以外のコストが発生しません。未だに、フリーダイヤルを提供しているコンタクトセンターが大半ですから、WebRTCでの通話に切替えることができれば、フリーダイヤルコストの削減につながります。

PBXシステムとの連携

WebRTCは1対1のコミュニケーションを基本としています。その為、コンタクトセンターの指定したIPアドレス席を常に指定しての通信つまり、複数のコミュニケータでの対応が困難になってしまいますが、コンタクトセンターのPBXシステムとの連携をすることにより、電話同様にACD機能を使った、コミュニケータの優先着信機能を提供でき、複数のコミュニケータでの対応が可能となります。

お客様のサポートに対する満足度を高める

電話だけでは、ドキュメントの説明、機器利用のヘルプデスクの的確な問題解決につながらないことが、
あり、WebRTCを使って実際のドキュメント確認、実際の機器を見ながらのサポートを提供することにより顧客満足度の高さに繋がります。
では、次にWebチャットシステムはどの様に構成され、導入する上でどのような考慮が必要になるかについて解説していきます。

【オムニチャネルシステム】

まず、オムニチャネルの業務を支援するシステムについて、チャットを含めて以下の様なチャネルを有機的にコントールし、お客様とオペレータとのコンタクトを効率的に運用システムシステムが想定されます。

・電話:モバイルを含めたPSTN網からのデジタル電話、IP電話の受電

・メール:インターネット経由で企業のメールサーバにて受信したメールの取り込み

・チャット:Webサイトまたはモバイルからリアルタイムでのテキストチャット送受信

・SNS:Twitter,Facebookへの投稿に対する支援投稿

・SMS:SMSプロバイダを介したリアルタイムショートメッセージ送信

・FAX:FAX受電、FAX送信

・LINE:LINEでのテキストメッセージ送受信、LINEでの通話

・WebRTC:Webサイトまたはモバイルからのリアルタイムビデオチャット送受信

オムニチャネルの画像

【WebRTCシステム機能】

WebRTCをつかったビデオチャットシステムには大きく分けて、3つの機能があります。

ビデオ通話

インターネットを介した通話が可能となり、更にリアルタイムでのビデオカンファレンスも実現します。

リモートコントロール機能

WindowsのリモートデスクトップやVNCの様に、顧客の見ているブラウザの画面をコンタクトセンターの担当者が操作支援することができます。
ただし、ブラウザの中に限定され、Windows自体を操作することはできません。

アノテーション機能

1つのドキュメントやWEBページを顧客とオペレータ間で双方の画面に共有表示させ、指定場所をマーキングしたり、囲んだりして、顧客の理解の深耕や入力支援を行うことができます。
日本の顧客は、ビデオ通話をあまり使いたがらない傾向があるようです。一方、2020東京オリンピックに向けてインバウンド顧客は増え続けてます。海外の方は、ビデオ通話に慣れている文化の方が多いですから、インバウンド顧客対応の為にもWebRTCによるビデオ通話は需要が多くなると考えられます。

【WebRTCによるビデオチャットシステム設計の論点】

WebRTCは最新テクノロジーであるが故にまだ完全ではない点があります。WebRTCを稼働させるブラウザの環境です。電話であればだれもが通話できる環境にありますが、WebRTCの場合、顧客の利用しているブラウザに環境が制限されてしまいます。
冒頭でご紹介した、WebRTC規格をリードするWorld Wide Web Consortium(W3C)はGoogleがリードしており、当然にChromeの対応が直ぐに行われておりましたが、Safari(Apple)の対応は2017年後半からとなり、Internet Explorer については、完全対応が未だに行われていません。プラグインソフトウエアが別途必要になります。
その環境依存を前提として設計を考慮する必要があります。

WebRTCサポートブラウザ画像
WebRTCサポートブラウザ2018/11時点

WebRTC導入目的・期待する効果

ビデオチャット機能、ファイル共有・アノテーション機能どちらを主に使うのか

顧客によっては、ビデオ形式でのサポートを希望しない場合があります。
その場合には、電話での通信を行いながら、ファイル共有やアノテーションによるドキュメント支援だけを業務として提供することになります。

ユーザ画面

WebRTCビデオチャット流入導線の設置ページ、設置場所、デザイン、ビデオチャット有無の選択、そしてカメラ稼働確認を促すなど、サービス開始までの環境確認をどうするか

ACD機能・応対画面

先にご紹介の通り、WebRTC機能だけでは、ACD機能がありません。ACDが必要な場合、既存のPBXとの連携対応が必要となりますので、その実現性の検討が必要です。
また、コミュニケータ応対画面、管理者画面の利用メニュー検討なども必要です。

サービスレベル

対応可能コミュニケータ数に応じた対応業務の範囲、応答時間帯外の業務設計が必要です。

運用体制

電話でのスキル定義同様に対応商品や問合せ内容に応じてスキルを定義し、ACD機能を実装した場合には、スキルルーティング出来る設計が必要です
また、先の通り顧客のブラウザ環境によって正しくWebRTCが稼働できない可能性があります。その利用環境についての確認を行う、正しく利用ができない場合の回避方法について用意しておく必要があります。(通常の電話対応に切替えるなど)

管理者の支援方法

ビデオチャット対応のオペレータが回答に苦慮した場合にどの様に管理者にHelpを求めて管理者はどの様に回答支援するのか、逆に管理者からオペレータの応対進捗をどの様に管理するかの検討が必要です。

業務ツール

ビデオチャット開始時、終了時、切断時などの定型文と、業務テンプレート、スクリプトの作成が必要です。この点は通常の電話対応と同様の準備になります。

最後に

ビデオチャットは、これまで企業内での遠隔地との電話会議システムとして利用されてきました。専用のソフトウエアをインストールしたPC同士が安定した環境で活用しています。WebRTC技術により、専用のソフトウエアが不要となり、コンタクトセンター向けの サービスしての利用実績も増えてきました。
国内での利用は、保険の説明、テクニカルサポートヘルプデスクなど限定された業務に絞られていますが、東京オリンピックに向けてインバウンド顧客をターゲットとする業界ではこのテクノロジーを活用した遠隔サポートが増えてくるものと考えます。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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