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2021.02.25

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GCPとは丨サービス概要と出来ることをわかりやすく解説|トラムシステム

クラウドサービスを利用した業務効率化に興味があり、GCPという名前を聞いたことがあるが、どんなものかよくわからない、といったシステム管理担当者の方もいると思います。この記事では、GCPの概要や出来ることについてわかりやすく解説します。

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GCPとは

「GCP」とはGoogle Cloud Platformの略であり、Googleが提供するサービスをクラウド上(インターネット)で利用できるものです。Googleの社内で実際に利用されている技術やインフラを使用し、効率的なWeb開発業務をおこなうことができます。

近年AWSやAzureといった、Web開発における基盤を提供するインフラサービスが登場しており、GCPもそのひとつとなります。具体的なメリットについては後ほど解説しますが、高度なデータ解析や機械学習関連の技術の使用が可能です。

クラウドサービスとは

近年よく耳にする「クラウドサービス」とは、ソフトウェアやデータなどをインターネット経由で利用者に提供するサービスです。

従来だと、自社内のサーバーからソフトウェアやデータをダウンロード、もしくはインストールすることが一般的でした。この場合、サーバーの運用・保守は自社でおこなう必要がありましたが、クラウドサービスなら障害などのトラブルがあった場合でも、ベンダーに対応を任せることができます。

また、ネットワーク機器やサーバーの購入にかかる初期費用が一般的に無料となるため、オンプレミスと比較しコストを抑えることができます。クラウドサービスなら社内に限らず、取引先や自宅など、場所を問わずアクセスできる点もメリットです。

GCPの特徴

Googleの技術を利用して開発ができる他、コスト面や利便性でも様々なメリットがあるGCP。同じようなサービスとしてAWSを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、GCPとは具体的にどのような特長・メリットがあるのでしょうか。

GCPはGoogle App Engineを中心とした下記製品群をまとめたサービスです。

・Google App Engine
・Google compute Engine
・Cloud Datastore
・BigQuery

各製品の特徴を簡単に解説します。

・Google App Engine
Google App EngineとはGoogleが提供するPaaS(Platform as a Service)のことです。Paasとは、クラウドにおける利用形態のひとつであり、アプリケーションを実行するためのプラットフォーム一式を、インターネット上のサービスとして提供するものです。

Google App Engineを使用することで、Googleの安定したインフラ上で、Webアプリケーションの開発・運用をおこなうことができます。

・Google compute Engine
Google compute EngineはGoogleが提供するIaas(Infrastructure as a Service)です。Iaasとは、情報システムの稼働に必要な仮想サーバーを、インターネット経由でサービスとして提供するものです。主要OSに対応している他、高速ネットワーキング、高いセキュリティを実現します。

・Cloud Datastore
Cloud DatastoreはGoogleが提供するNoSQLデータベースです。NoSQLとはSQL言語を使用しないデータベースを言います。Cloud Datastoreを使用することで、プロビジョニングや高負荷を気にすることなく、作業をおこなうことが可能となります。

・BigQuery
BigQueryとはビッグデータ解析サービスのことであり、元々Google社内で使用されていたDremelという大規模クエリを実行するシステムを、ユーザー向けに提供したものです。大量データでも高速処理が可能で、2.5億件のトランザクションデータを約2分半で処理することができます。

GCPのメリット

・快適な通信と高い安定性
Googleのデータセンターでは、独自に開発されたネットワーク機器が使用されており、それにより、快適で安定性の高い通信を実現します。

・急激なトラフィック増加に対応
GCPは、急激なトラフィック増加に対応できるよう設計されているため、高負荷に強いのがメリットです。

・AI・機械学習サービスが充実している
機械学習目的に開発されたオープンソースプラットフォーム、TensorFlowの他、Cloud ML Engine、APIサービス群のML APIsなどの、AI・機械学習サービスが充実しています。

・低コストで使用できる
従量課金制を導入しており、秒単位で使用した分だけ支払う形態のため、低コストでの運用が可能となります。また長期間利用することで、自動的に最大30%の割引が適用される点もメリットです。

AWSとの違い

GoogleのGCPと比較されやすいクラウドサービスに、Amazonの「AWS(Amazon Web Services)」があります。ここではそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。

GCPのメリット・デメリット

GCPのメリットは、世界最大級のデータセンター、独自のネットワークシステムを持つGoogleのインフラを利用できることです。また、BigQueryを用いたビッグデータの解析や、充実した機械学習サービスなどがAWSと比べて優位な点となります。

デメリットとしては、データセンターが設置されたエリア(リージョン)が少ないため、ディザスタリカバリ対策として懸念がある点や、日本語での情報が少ない点が挙げられます。

AWSのメリット・デメリット

AWSのメリットは、豊富なAPI・インターフェースの標準技術を持つことにより、Web開発がしやすいことです。全世界190ヶ国でサービスを展開しており、実際にAmazonで使用されている、世界中の最新技術を利用することができます。

一方デメリットは、サービスが多すぎるため設計が複雑になりやすく、専門的な知識が必要となる点です。
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GCPで出来ること

クラウド上で、Google社員と同等のインフラを使った開発をおこなうことのできるGCPでは、具体的に次の4つのサービスを提供しています。

・コンピューティング
・ストレージ
・ビッグデータ
・サービス

各項目でどんなことができるのか見てみましょう。

コンピューティング

クラウドにおけるコンピューティングとは、インターネットを通して資源を提供することを意味します。ここではGCPのコンピューティングで提供されるサービスを紹介します。

・Google Compute Engine
Google Compute Engineは従量課金で使用可能な仮想サーバー構築サービスです。Googleが実際に運用する強力なインフラ環境において、OSを載せた仮想環境をいちはやくクラウド上に構築します。

・Google App Engine
Google App Engineなら、大規模サービスにおいても、Googleの安定したインフラ上でアプリケーション運用が可能なため、アクセスの多い環境でも心配ありません。

・Google Container Engine
Google Container Engineは、Googleが開発したコンテナオーケストレーションシステム(コンテナ化したアプリケーションを管理するためのシステム)です。各役割を持つ複数のコンピューター(クラスター)を効率的に管理します。

ストレージ

クラウドにおけるストレージでは、インターネット上にデータの保存・共有が可能となります。ここでは、GCPのストレージおよび、データ管理システム(データベース)について解説します。

・Google Cloud SQL
GCPにおけるMy SQL・PostgreSQLのデータベースです。データを表形式で扱うリレーショナルデータベースの、設定・運用・管理が可能な、フルマネージドデータベースです。

・Google Cloud Storage
世界中どこからでもデータの保存・取得がおこなえるストレージサービスです。保存できるデータ量に制限はありません。安全で耐久性のある保管を考慮した設計となっています。

・Google Cloud Datastore
Google Cloud Datastoreは、サーバー負荷の状況に合わせて、クラウドサーバーの台数を増減するオートスケールに対応した、高性能なNoSQLドキュメントデータベースです。

ビッグデータ

ビッグデータとは単純に巨大なデータという意味ではなく、様々な種類の巨大データを高速処理することを意味します。GCPのビッグデータで利用可能なサービスは下記があります。

・Google BigQuery
BigQueryは1PB、10億行といった膨大なデータでも高速処理を可能とするビッグデータプロダクトの一つです。高額なイメージのあるビッグデータ解析ですが、1TBのデータでひと月20$程度で利用することができます。

・Google Cloud Dataflow
Cloud Dataflowは、大量データをリアルタイムに処理するストリームデータ処理と、一括処理するバッチ処理を、簡単におこなうフルマネージドサービスです。オートスケールに対応するため、データ量が多くてもリソース不足の心配はありません。

・Google Cloud PubSub
Google Cloud PubSubは信頼性と拡張性に優れた非同期メッセージサービスでです。スケーラブルで耐久性の高いイベント取り込みと配信を実現します。

サービス

DNSやAPIなどのインターネット経由で利用可能なクラウドサービスを紹介します。GCPで提供するサービスは次の4つです。

・Google Cloud DNS
信頼性とスケーラビリティの高いDNS機能を提供するサービスです。DNSはIPアドレスを人間の理解しやすい文字列に変換するものであり、ドメイン管理に欠かすことのできないものです。

・Google Cloud Endpoints
Google Cloud Endpointsは、API作成・共用・維持といった機能を提供する分散API管理システムです。APIの設計に関わらず低レイテンシ・高パフォーマンスを発揮します。

・Google Translate API
Google Translate APIは翻訳APIとも呼ばれるもので、言語に関係なくAPIで受け取った文字列を検出および翻訳することが可能です。

・Google Prediction API
Google Prediction APIは機械学習において様々な予測を簡単におこなうものです。人工知能の研究において汎用性・高判定性を実現します。

さいごに

サーバー運用・管理を一切気にせず、アプリケーション開発やデータベース管理が、低コストでおこなえるのがGCPの魅力です。開発に集中することができるため、業務効率化を検討する上でGCPは間違いなくプラスとなります。


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WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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