クラウドPBXを活用して業務フローをそのままにコストを削減
もともと使っていたPBXがかなり古くなっていたことがきっかけです。保守部品も手に入らず、だましだまし使っていましたね。交換を検討しはじめてから「UNIVOICE」を導入するまでには、5年ほどの期間がかかりました。 日々の業務に支障が出ることはないものの、メーカーからは「バッテリーに限界が来ている」と言われていたんです。もし停電が起こった場合、直ちに電話が使えなくなりますよ、と。その話を聞いて、いよいよPBXを交換しなければならないと決断しましたね。
まず、コストの問題が大きかったですね。社内のインフラに関わる部分なので、そう簡単には導入に踏み切れないというのが正直なところでした。 また、「せっかくPBXを変えるのであれば、これまでと同じものにはしたくない」と考えていたのも理由のひとつです。例えば、新しいPBXを導入したとしても、時間が経てば、また同じような問題が浮上すると思ったのです。担当者として、そういった事態は避けたいな、と。現場の社員が慣れるまでに時間がかかるため、システムが大きく変わるのは嫌だ。しかし、まったく変化がないのもそれはそれで良くない。そんな葛藤がありましたね。
導入を検討しはじめた当初は、そもそも「クラウドPBX」というサービスの全容がよくわからず、不安だったことを覚えています。「パソコンで電話を取れます」と言われても、具体的なイメージが湧かない。 「会社にかかってきた電話を携帯電話にできる?どうやって?」「どんな設備が必要なの?」……など、システムに対する理解を深めるまでに少し時間はかかりましたね。業務フローが変わることによって現場から反発が起きることも不安でした。 しかし導入前にデモを見せてもらってからは、従来の方法からは少し変わる部分はあるものの、慣れれば問題ないと実感できました。
トラムシステムさんからお話を聞く前にオンプレミスを含めて3社、聞いた後に2社、計6社を検討していました。
一番のポイントは、うちが求めているものを正確に汲んでくれたところです。それぞれの会社へは同じように「うちはこうしたいんです」という要望を伝えていたのですが、その中でもっとも真意を捉えてくださったのがトラムシステムさんでした。 もちろん、どの担当者さんも要望を踏まえたうえでシステムを提案してくれていました。しかし、どこか望んでいるものと違っているという印象が拭えませんでしたね。
基本的には、クラウドであること、社用の携帯電話を内線化できること、電話料金を抑えられることの3点です。クラウドについては、災害など非常時のことを考えて、社内に主装置を置く必要がないというのも前提でした。 また、現場からは「クラウドPBXと連携して構内放送を一括で流したい」という要望もありました。弊社の開発部門が入っている施設は3つの棟に分かれており、各棟がかなり離れています。そのため、PBXとの連携によって、すべての棟に一括で構内放送を流したかった。こういった複雑な要望を聞き入れてもらえたことも、決め手のひとつかもしれません。
当初の目的はおおむね達成できたと思います。業務フローを変えずにコストを抑えられ、「大きな変化は嫌だけれど、今までとは違うものを」という希望も実現できました。 また、コロナ禍においていつでもテレワークができるようになったことも、効果のひとつとして挙げられます。従来は電話を取れないことがネックとなり、テレワークを実施できないという事情があったんです。
導入までに足掛け5年を費やしたこともあり、ホッとしたというのが一番です。災害時などの備えが万全になり、引っかかっていたものが外れたような思いがあります。 不安だった現場の社員からの反発も杞憂に終わりましたね。もちろん操作性の違いはありますが、時間が経つごとに確実に慣れてきていると感じます。
見積もりになかった部分まで対応していただき、ありがたい気持ちでいっぱいです。導入の前には現場の社員に向けて説明会を開いたのですが、そこで使う資料作りなども徹底的にサポートしてもらえました。
今回の導入を足がかりに、BYODなど新たなシステムを広げられることを期待しています。