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2021.06.04

業務効率化 / 事例 / 比較 / AI / 音声マイニング / 活用 /

音声マイニング基礎講座丨コールセンターの活用メリットと比較ポイント|トラムシステム

コールセンターやコンタクトセンターの業務効率化や品質改善に効果的な最新技術である音声マイニング。国内外でも多くの成功事例が報告されており、自社センターにも導入を検討されている担当者もいらっしゃるでしょう。

この記事では、音声マイニングとは?の基礎知識を解説するとともに、メリットや効果、選定・比較ポイントも詳しくお伝えします。

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音声マイニングとは

音声マイニングとは音声データをテキスト化し、様々な情報を抽出するための技術です。

音声データをテキスト化する「音声認識」と、テキスト化されたデータを整理・体系化して知識化する「テキストマイニング」の技術を併せ持つ技術全般を指します。

音声マイニングは、特にコールセンターでの活用が進んでいます。日々蓄積される大量の音声データを分析するために音声マイニングを導入することで、業務効率化や応対品質向上、お客様の声(VoC)収集などさまざまな効果・メリットが期待出来ます。

音声認識とテキストマイニングの違い

音声認識とは音声データをテキスト化するための技術です。人間の話し声などをコンピューターに認識させ、文字起こしをします。AI(人工知能)技術の発展とともに急速に成長してきた分野で、Appleの「Siri」や、Amazonの「Alexa」などにも採用される技術です。

対して、テキストマイニングは文章(テキスト)データから有益な情報を抽出するための技術です。人が日常的に使う言葉をコンピューターに処理させる技術(自然言語処理)を用いて、テキストデータを単語に分解し、使用頻度や傾向・相関関係などの特徴を分析します。

それぞれ異なる技術ですが、音声データを分析対象として有益な情報を抽出するための技術を指して「音声マイニング」とよばれています。

コールセンターが音声マイニングを活用するメリット

音声マイニングは日々大量の音声データを扱うコールセンターと相性の良い技術です。

通話録音データを人手で1件ずつ書き起こし・確認するのは困難ですが、音声マイニングであれば大量の音声データを自動的に分析できます。効率的に音声データを整理・分析することで多くのメリットが期待できるでしょう。

ここからは、コールセンターで音声マイニングを活用することで得られる効果やメリットを5つ解説します。

オペレーターの業務効率化

リアルタイムで応対内容をテキスト化することで、オペレーターの顧客応対業務を効率化できます。

例えば、応対終了後には顧客とのやり取りを残すための履歴登録業務を行う必要があります。やり取りを思い出しながら1から手入力するのは大変な手間ですが、音声マイニングがあれば、自動でテキスト化された情報を加筆修正するだけで登録作業が完了します。

また、FAQやトークスクリプトを管理するシステムと接続することで、応対途中で自動的に問い合わせ内容に関連する回答内容を自動で表示させることも可能です。

履歴登録や問い合わせ内容の確認などに時間がかかっていた場合、音声マイニングの技術を導入することで大きな生産性アップが狙えるでしょう。

応対品質の向上

応対品質の向上を目的に通話録音をSVや品質担当者などがチェック(モニタリング)するコールセンターも多いのではないでしょうか。

しかし人手での確認には限界があり、全件確認ではなく数件のサンプル確認となってしまうのが現実です。サンプリングから漏れてしまえば、改善すべき応対は見逃されてしまい、応対品質は一向に改善しません。

対して音声マイニングを導入した場合、設定次第では全ての通話を確認可能です。

・コンプライアンス違反となる応対がなかったか
・利用NGとしている単語を用いていないか

上記のような観点を機械的に分析することで、コールセンター全体の応対品質改善に効果が見込めます。また、SVや管理者によるモニタリング業務の負荷軽減が可能です。音声マイニングで創出できた余剰時間を別の改善活動に充てることで、更なる品質向上が期待できるでしょう。

ノウハウの蓄積

音声マイニングを利用することでベテランオペレーターの応対内容から「スムーズに応対を進めるコツ・ノウハウ」が明らかになります。

これらのノウハウを他のオペレーターに共有したり研修カリキュラムに組み込んだりすることで、センター全体で応対品質の底上げが可能です。業務を標準化させることもできるので、担当者の固定化や属人化を防ぐ効果も期待できます。

さらに、コールセンター業務のノウハウを蓄積していくことで入社したばかりの新人オペレーターの研修にも活用できます。現場ですぐに役立つノウハウ・ポイントを押さえた研修ができるので立ち上がりが早く、研修期間の圧縮・早期戦力化に効果が期待できるでしょう。

将来の需要・傾向の予測

お客様の入電理由やトレンドを分析することで、コールセンターに寄せられる問い合わせの需要や傾向をある程度予測できます。予測した結果に応じてオペレーターのシフトを組み替えたり、応対マニュアルの変更・修正したりと対策が可能です。

最低限の人数でスムーズに応対ができるので、コールセンター全体の人件費などコスト削減にも繋がります。

VoC(顧客の声)の分析・活用

応対途中でお客様からいただくお客様の声(VoC)はコールセンターだけでなく、商品開発や営業・マーケティング部門にも活用できる宝の山です。

担当者が気づいていない問題点やお客様の関心事・トレンドを分析できるので、新商品・サービス開発に活用したり、販売戦略の策定に役立ちます。しかし、人手で書き起こし・収集するのは時間と手間がかかるのが課題でした。

音声マイニングを導入することでVoCを手間なく短時間で収集可能です。商品・サービス、営業・マーケティング戦略の改善はもちろん、顧客満足度の向上や他者との差別化などさまざまな良い効果をもたらします。

音声マイニングツールとは

音声マイニングツールとは、音声マイニングを手軽に導入するために開発されたシステムツールです。音声データの分析に必要な機能を網羅し、豊富な分析手法や使い勝手・操作性を追及しています。

従来自社で必要なサーバ機器を選定~構築・開発をするオンプレミス型のシステムツールが主流でした。近年では初期費用を抑えつつ短期間で導入できるクラウド型の音声マイニングツールが登場し、多くの企業で音声マイニングの活用が進んでいます。

音声マイニングツールの仕組み

音声マイニングツールは以下のような3つの機能から構成されています。

・音声認識(音声データの入力と蓄積、テキスト化)
・分類、分析(テキスト化されたデータを分類し、会話の内容を分析する)
・共有、活用(分析結果をSVや他オペレーター、他部門担当者へ即座に共有し活用する)

多くの製品は同じような構成であり、データ収集から活用までをワンパッケージで提供されます。コールセンターの業務効率化につながる課題抽出、要因分析、改善策立案・実行、効果測定の改善サイクルを繰り返すことで、確実な業務改善が可能です。

音声マイニングツールの比較ポイント

音声マイニングツールの導入を検討する場合、どのような点に留意して選定すればいいのでしょうか。

ここからは音声マイニングツールの比較ポイントを3つ紹介します。自社センターの状況や導入目的などを踏まえて、検討時の参考にしてください。

分析精度

音声マイニングツールは万能ではなく、誤認識や認識漏れなどが発生します。特にコールセンターではお客様とオペレーターの会話が分析対象となるため、声の大小・高低、方言、周りのノイズなどの要素をシステム的に正しく判断するのは難しいといわれています。

分析精度は製品によって大きく異なりますので、製品資料や営業担当者へのヒアリング、導入実績・口コミなどを参考によく確認しましょう。

また、音声認識は音声認識辞書を元に実施する仕組みです。商品名やサービス名や業界特有の専門的な用語、トレンドワード、略語などは一般的な辞書には登録されていません。どのような辞書機能が搭載されているか、辞書の追加・削除は簡単にできるかなども重要なチェックポイントです。

必要な機能が搭載されているか

音声マイニングツールと一口にいっても、搭載されている機能は各製品大きく異なります。音声認識、テキストマイニングの基本機能に加え、以下のような機能が搭載される場合もあります。

・自動応答機能やリアルタイムでのリスク通話確認などの業務効率化機能
・豊富な分析機能
・見やすさ、分かりやすさにこだわったレポート機能
・顧客管理システム(CRM)など社内システムとの接続機能
・セキュリティ機能

まずは自社の導入目的や解決したい課題を明らかにした上で、音声マイニングツールに求める機能を洗い出し、検討対象の製品を比較しましょう。使い勝手や操作性は実際に触ってみないと分かりにくいところなので、無料トライアルを積極的に活用するのがおすすめです。

運用のしやすさ(メンテナンス、費用)

音声マイニングツールは導入して終わりではなく、導入後も継続してメンテナンスが欠かせません。

例えば分析精度を上げていくためには、定期的なチューニング作業が必要となります。社内に専門知識やスキルを保有する担当者がいなければ、購入後も設定・分析のサポートが受けられる製品を選択したり、チューニング画面が直観的で分かりやすい製品を選んだりと、中長期的な「運用のしやすさ」を確認します。

また、コスト面にも注目しましょう。オンプレミス型、クラウド型でコスト構成は異なりますが、初期導入時の費用、導入後にかかるサービス利用料、保守開発・カスタマイズ費用、運用費用などを総合的に考慮して導入検討を進めます。

まとめ

近年、音声マイニングはAI(人工知能)技術の進化によって大幅に分析精度が向上しました。既に多くのコールセンターで導入が進んでおり、業務効率化や応対品質向上などコールセンターのさまざまな問題解決に役立ちます。この記事を参考に、前向きに音声マイニングツールの導入を進めてください。

トラムシステム株式会社
トラムシステム株式会社では高い技術力で全メーカーの商品を取扱っています。ご予算・ご要望に応じて、新品から中古品、特殊機能を備えた機種まで御社に最適なビジネスフォン・電話交換機をご提案します。

WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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