クラウドCTIの仕組みとメリット丨8つの比較ポイントも解説|トラムシステム
今やコールセンターやコンタクトセンターの業務運営に欠かせないCTIシステム。クラウド型のCTIシステムも登場したことで旧来システムよりも利便性が向上し、システム刷新により生産性向上やコスト削減が可能です。
この記事では、クラウドCTIシステムの仕組みや、導入メリットを詳しく解説します。
目次
クラウドCTIとは
CTI(Computer Telephony Integration)システムとは、電話やPBX、FAXなどの電話システムとコンピューターを連携するためのシステムです。CTIシステムにはシステム導入方式の違いから、オンプレミス型とクラウド型の2種類が存在します。
従来CTIシステムはオンプレミス型が主流でした。しかしオンプレミス型は自社内にサーバ等の機器を設置して構築されるため、導入にあたっては高額な費用と期間が必要となります。導入後も機能改修や保守運用に継続して費用と手間がかかるなどのデメリットもありました。
オンプレミス型CTIシステムの弱点を解消し、オンプレミス型に代わる製品として登場したのがクラウドCTIです。クラウドCTIはインターネットに接続できる環境さえあれば即座に利用開始でき、かつ全世界どこからでも利用できるため、現在は多くのコールセンターで利用されています。
クラウドCTIの仕組み
クラウドCTIは、クラウド事業者が提供するCTIシステムをネットワーク経由で利用する仕組みです。そのためインターネットに接続できる環境があれば、すぐに利用を開始できます。
センターの稼働状況に合わせて利用したい機能や、利用量(利用ユーザー数やアカウント数)を選択しサービス登録をすることで利用がスタートします。
クラウドCTIのメリット
クラウドCTIを導入するメリットを、オンプレミス型CTIとの比較をしながら3つ紹介します。
①初期導入がスピーディー
オンプレミス型のように自社内にサーバを設置しないため、サーバ選定や購入・構築にかかる費用、期間は一切不要です。サービスの利用申し込み後は各利用PCにソフトウェアをインストールするだけで利用できるので、利便性の高さや手軽さが魅力です。
利用途中で機能を追加・変更したい場合や、利用量を変更したい場合なども、クラウドCTIシステムの管理画面から自由に設定できます。事業規模やキャンペーンなどの繁忙・閑散期に合わせて柔軟に利用内容を変更できるのもメリットです。
②自社でのメンテナンスが不要
システムは一度導入して終わりではなく、継続的なメンテナンス作業が不可欠です。オンプレミス型の場合は保守・運用要員を自社内に確保するか、外部ベンダーに発注するかが必要になります。対してクラウドCTIではシステムメンテナンスはクラウド事業者側で実施します。そのため、メンテナンスにかかる費用が削減できるので大きなコスト削減が可能です。
また、近年高度化・巧妙化するサイバー攻撃に対してもオンプレミス型の場合は自社でのセキュリティ対策が必要でした。クラウドCTIの場合はセキュリティ対策もクラウド事業者側で実施されるので、セキュリティ対策費用が削減できるのもメリットといえるでしょう。
③利用場所を問わない
オンプレミス型の場合は、物理的なシステム設備に対してアクセス可能な場所からでないとCTIシステムを利用できません。そのため、拠点移動やテレワーク対応を進めたい場合も、一度設置した場所以外からの利用は困難です。
クラウドCTIの場合はインターネットに接続できる環境さえあれば、国内外どこであってもCTIシステムを利用できます。テレワークではオペレーターの勤務管理が課題に上がりますが、クラウドCTIでは管理者画面からオペレーターのステータス(応対中、待機中、離席中など)を把握可能です。
テレワーク中でも稼働状況の管理やセンター運営が問題なく行えるのも、クラウドCTIが選ばれている理由です。
クラウドCTIシステムの比較ポイント
クラウドCTIは現在様々な事業者から多くの製品が発売されています。センターの稼働状況や利用目的などを踏まえて複数の観点から製品を比較検討することが重要です。
ここからは、効率的にシステム選定を進めるためのシステム比較ポイントを紹介します。
業務の課題・問題点が解消するか
クラウドCTIと一口にいっても、各社製品機能は様々です。導入・利用目的を明確にした上でシステムを取捨選択するようにしましょう。
例えば、新型コロナウイルス感染予防として早期にテレワーク環境を立ち上げたいのであれば最低限の機能を搭載しつつ、スピーディーに利用開始できる製品を選びます。
応対品質向上を目的とするなら、CRMやSFAとの連携機能や着信呼自分配(ACD)・自動音声応答(IVR)の機能が搭載されたシステムを選択します。
オペレーターの業務効率化になるか
オペレーターの業務効率化を進めるのなら、CRMやSFAと連携した顧客情報・トークスクリプト自動表示機能などオペレーター支援機能の有無を確認します。
オペレーターはクラウドCTIの画面を見ながら業務をすることになるので、画面レイアウトは分かりやすいか、直観的に操作できるかなど、操作性の高さも重要です。オペレーターによっては、新規システムに馴染めず業務効率や応対品質の低下に繋がります。
トライアルで操作感を確認できる製品もあるので、ぜひ積極的に活用してみましょう。スモールスタートで順次展開を進めたり、研修やマニュアル・サポート窓口などのフォローアップ体制を充実させたりと、スムーズに導入するための対策も重要です。
管理者業務が効率化するか
応答率など各種KPI指標の改善や、オペレーターの教育など管理者業務の効率化を目的とするのであれば、モニタリングやレポート機能が充実しているシステムを選びましょう。
モニタリングとはリアルタイム、もしくは録音で通話を録音するための機能です。二次対応をスムーズにしたり、通話録音から課題点を抽出しオペレーターへのフィードバック・研修に活かします。
レポート機能はリアルタイム、または日次・月次など定期的な分析・レポートをするための機能です。センターの稼働状況や生産性を把握することで、業務改善やコスト削減に繋げます。
様々な条件・角度からの分析、分析結果の見やすさ、HTML・Word・Excel・CSVなどの型式で分析結果を出力、など機能ラインナップや使い勝手を比較ポイントにしましょう。
導入までの期間
導入期間としてどれくらいの期間を見込んでいるのかを明確にしましょう。早急にクラウド化が必要であれば、機能や操作性は二の次にして申し込みから利用開始までの期間を最優先にシステムを選定します。
期間に余裕がある場合は導入までのスピード感は重要ではありません。利用したい機能は網羅されているか、コスト・サポート体制はどうか、などの様々な観点で自センターに最適な製品をじっくりと比較検討します。
必要な機能が過不足なくあるか
CTIシステムの機能は幅が広く、コールセンターの種類や業務内容によっても必要となる機能は異なります。全ての機能が網羅されている製品を導入できれば良いですが、コストが高額になってしまうため必要な機能に絞って利用するのが基本です。
具体的に利用想定のある機能を洗い出し、製品パンフレットや営業担当者へのヒアリングから、必要な機能が過不足なく搭載されているかを確認していきましょう。
カスタマイズ性はあるか
クラウドCTIは一度導入した後、中長期にわたって利用することになります。そのため、将来的な機能追加や利用規模の増減を考慮することが大切です。
特に機能追加については、費用と期間をかければ自由にカスタマイズできるオンプレミス型と比較すると、クラウドCTIのカスタマイズ性は制限付きです。
利用したい機能が明確であれば事前にベンダーへ確認するのはもちろん、将来的な機能拡張計画や、社内外システムとの連携に制約があるかどうかなども確認しておきましょう。
コストは適正か
クラウドCTIでは、サービス利用料として利用ユーザー数やアカウント数に応じた月額利用料をベンダーに支払う仕組みです。利用機能や利用期間、利用規模によって必要となるコストは変わるので、事前に費用シミュレーションをしておきましょう。
どれくらいの期間を利用するのか、利用規模はどれくらいかを明確にした上で、複数ベンダーから相見積もりを取ります。あまりにもクラウドCTIの利用料が高くなってしまう場合はオンプレミス型での導入も視野に入れて、CTIシステムの選定を進めましょう。
サポート体制・実績は十分か
導入後のサポート体制も忘れがちなポイントですので注意しましょう。問い合わせやトラブル発生時の対応範囲、対応窓口の稼働時間、対応スピード、対応品質など、センター業務内容やコストに見合ったサポートが受けられるかを確認します。
また、システム選定にあたっては導入実績を確認することも大切です。多くの企業、コールセンターで導入実績があれば、導入事例やトラブル対応ノウハウも豊富です。自社の業種・業界に近い企業での導入実績があるかどうかを確認しましょう。
おすすめクラウドCTIシステムの紹介
コールセンターシステムの核となるCTIシステムは豊富な機能だけでなく、高い品質と信頼性が求められるシステムです。
CTIシステムでトラブル発生すれば、コールセンター業務に大きな損害を与えます。そのため、多くの導入実績があり、高い音声品質・安全性を持つシステムを選ぶことが最も重要です。
ここからはおすすめのCTIシステムとして、国内3,000社以上もの導入実績を誇るトラムシステム株式会社の「UNIVOICE ACCS/BCCS」を紹介します。
インバウンド業務におすすめ
インバウンド業務をメインで行うコールセンターにおすすめなのが、UNIVOICE ACCS。電話システムにおいて世界No.1シェアの誇るAvayaと、高い可用性とセキュリティ性を誇るAWSをベースに開発されたシステムです。
CTI機能はもちろん、ACD(着信呼自動分配)機能、IVR(自動音声応答)機能、モニタリング機能などの豊富な機能で、コールセンター・コンタクトセンターの効率化と強力化を図ります。
電話、メール、チャット、SNSなどあらゆるチャネル(窓口)からの問い合わせにもスムーズに応対できるオムニチャネル対応。購入履歴や過去の問い合わせでのやり取りなどを一元管理することで、きめ細やかなサポートを可能にします。
アウトバウンド業務におすすめ
アウトバウンド業務を行うコールセンターには、UNIVOICE BCCSの導入がおすすめです。
高品質な電話システムとして有名なBrekekeを採用しており、アウトバウンド業務を効率化する様々な機能を兼ね備えています。
・プレディクティブ(自動発信)機能
予め登録された番号リストに従い、電話を自動発信する機能。可能なかぎり多くの番号を呼び出し、応答があると直ちにオペレーターへつなぎます。オペレーターは会話だけに集中することができ、通話効率の向上に貢献します。
・プログレッシブ(自動発信)機能
待機オペレーターと同数の発信を自動で行う機能。効率的に営業電話を架けられ、CRMなどと連携することで事前に顧客情報やトークスクリプトをポップアップ表示しながら対応することが可能に。
・プレビュー機能
CRMなどのアプリケーション画面から、オペレーターがクリック操作をすることで、発信が行われる機能。クリックコールとも言われます。お客様の情報を予め知った上で発信ができるため、よりきめ細かい応対が可能になります。
UNIVOICE ACCS、BCCSは共にクラウド型での提供なので、スピーディーな導入、容易な設定変更、ロケーションフリーで利用いただけます。シンプルで明快な料金体系も選ばれている理由です。
まとめ
コールセンターの生産性向上や応対品質向上を実現するCTIシステムも、闇雲に導入しては狙った効果が出せません。複数のクラウドCTIを比較し、導入目的や利用機能、コストなどの複数の観点から総合的に判断することが大切です。
この記事で紹介した比較ポイントやおすすめシステムを参考に、クラウドCTIの導入検討を進めていきましょう。

WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。