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2020.10.20

コールセンター / サービスレベル / 品質指標 / 品質評価 / 応対品質 /

コールセンターの応対品質管理丨評価項目・測定方法を解説|トラムシステム

コールセンター・コンタクトセンターの品質を示す重要な指標の一つ「応対品質」。管理者・責任者が適切にマネジメントし改善策を実行することで、品質向上や顧客満足度が期待できる品質指標です。この記事では、応対品質の調査・測定方法や評価の仕方を具体的な例を用いて詳しく解説します。

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コールセンター・コンタクトセンターの応対品質とは

応対品質とは「オペレーターによる応対レベル」を表す指標です。接続品質(電話の繋がりやすさ)、処理品質(顧客問い合わせ・要望対応の正確さ)などと同じく、の品質を計るための重要な指標です。

具体的には、以下のような観点で応対品質をチェックします。

・顧客の要望、ニーズに沿った対応ができたか
・言葉遣いは適切か
・トークスクリプトに沿った対応ができたか
・ビジネスマナーは守られているか

応対品質管理は誰の担当?

応対品質は決まった管理ルールがあるわけではなく、誰が管理者になるのかも統一基準はありません。具体的には以下のような方が担当されるのが一般的です。

・SV(スーパーバイザー)
・専任の品質管理担当者
・センター管理者

また、自社センター内に品質管理のノウハウやスキルを持ったメンバーがいない場合は、外部企業に品質評価業務を委託する場合もあります。

応対品質の調査方法

ここからは応対品質の調査方法を解説します。それぞれの手法を詳しく解説しますので、特徴や活用方法を参考にしてください。

モニタリング

モニタリングとは、オペレーターの応対内容をリアルタイム、もしくは録音でチェックする方法です。言葉遣いやビジネスマナーが適切かどうか、顧客要望に応じた対応が出来ているかどうかなどを評価します。センター内の担当者で実施できるので、他の手法と比較すると手軽にチェックが可能です。また、応対時間が長くなってしまった応対のモニタリングや新人研修のOJTとしても活用出来ます。

モニタリングは自社センターの担当者同士で確認することになるので、個人的な感情を排除し、客観的にチェック・評価することが大切です。あらかじめチェックリストや評価レベルの定義を作成するなど、オペレーターと品質管理者の双方が納得できる公正・公平な評価ルールを整備するようにしましょう。

ミステリーコール

ミステリーコールとは、品質管理担当者もしくは外部委託業者が顧客を装ってに問い合わせを行い、オペレーターの応対品質をチェックする方法です。覆面調査ともいわれます。シナリオを事前に用意し顧客の立場で電話するので、モニタリングに比べて、より「顧客目線」で応対品質の良し悪しを判断することが可能です。

また、同じシナリオを使って他社に問い合わせをすることで、応対レベルの比較ができます。客観的に自社センターの現状を把握し、課題や問題点の発見に大きな効果が期待できるので、ぜひ活用してみましょう。

診断サービスの活用

診断サービスとは、外部業者に応対品質の診断を委託する方法です。診断の流れはモニタリングと同様で、録音された応対内容を外部業者に提供し、外部業者にてチェックした内容のフィードバックを受けます。リアルタイムでの診断は出来ず、結果が出るまでに時間はかかりますが、応対品質診断のプロである「品質管理専任者」による第三者目線での評価が可能です。

コールセンター全体、オペレーター個人のそれぞれで、問題・改善ポイントが明確にすることができます。委託業者から提示される報告書や診断レポートを元に、研修計画策定や業務マニュアルの拡充に活用しましょう。

応対品質管理の評価基準

応対品質評価は、業界全体で統一されたモデル・指標はなく、各社独自の評価項目を用意しています。ただし、各社似たような指標を利用しており、以下の様に複数の指標を組み合わせて評価するのが一般的です。

・応対マナー
・自社サービス、商品、手続きに対する知識力
・顧客に要望に沿った対応の正確さ、的確さ

応対マナーや知識力は実際の応対内容をモニタリングやミステリーコールなどの方法でチェックするのが有効です。

それ以外にも、応対率など機械的に算出し管理できる指標値もあります。ここからは、応対品質管理でよく用いられる評価指標を紹介しますので、センター内の品質改善にぜひ役立ててください。

応答率

応答率とは「電話の繋がりやすさ」を評価するKPI項目で、入電総件数に占める実応答件数の割合です。応答率が高い場合は、多くの入電にオペレーターが対応できており「電話が繋がりやすい」状態と判断できます。

逆に応答率が低い場合は、顧客が途中で諦めて電話を切ってしまったり、長時間待たされたりと、顧客満足度の低下に繋がる可能性のある危険な状態といえるでしょう。

応答率の一般的な指標値は、以下の通りです。

・緊急性を要する盗難・事故受付などの窓口:97%以上
・上記以外の一般的な問い合わせ、処理受付など:90%以上

後述するサービスレベルと組み合わせて応答率を分析し、指標値と大きく乖離する状況が続く場合には、オペレーターの増員やシフト見直し、教育計画の再設定など改善策を検討しましょう。

放棄呼率

放棄呼率とは、オペレーターに繋がる前に顧客が電話を切ってしまった、もしくはシステム的に切断した件数の割合です。応答率とともにの品質を評価する重要な指標として利用されています。放棄呼率の指標値としては窓口の緊急度や業務内容によって異なりますが、5~10%程度が一般的です。

放棄呼が発生する原因は様々で、オペレーターに繋がるまでの待ち時間が長く、顧客が不満に思っているほど放棄呼が高くなる傾向があります。他には、IVRガイダンスが長すぎる・複雑すぎる場合も顧客にストレスがかかるので、放棄呼に繋がります。

放棄呼率の改善は、オペレーターの増員や処理効率化、IVRの最適化などの対策が有効です。

サービスレベル

サービスレベルとは「基準内応答率」のことで、「○○秒以内に××%の入電に対応する」とあらかじめ定義した応対レベルを満たした件数の割合です。「応答率」などの項目と組み合わせて分析します。

サービスレベルが高い程、電話が繋がりやすく入電に適切に対応出来ているといえるでしょう。基準値としては「20秒以内に80%前後」の応答率が一般的ですが、入電窓口の緊急度・処理内容、顧客ニーズ、予算感などの判断基準を元にKPI値を設定することが大切です。

平均応答速度

平均応答速度とは、電話をかけてからオペレーターに繋がるまでの平均時間(ASA:Average Speed of Answer)を示す指標です。電話の繋がりやすさを判断するための指標ですが、あくまでも平均値であることに注意しましょう。

例えばすぐに電話が繋がる顧客がいたり、10分以上繋がらない顧客がいたりと、平均をとることで顧客の不満点・センターの改善点が見えなくなってしまうこともあります。応答率やサービスレベルなどの指標値と組み合わせて分析します。

平均応答速度の一般的な指標値としては、20秒以内です。他の指標値と同様にセンターの業務内容などを踏まえた指標値を設定しましょう。

一次解決率

一次解決率とは、最初の入電でコールリーズンが解決した件数の割合です。顧客からの入電をいかにスムーズに対応出来たかを判断するための指標として用いられています。

社内確認後に折り返しとなった場合や、別の部署へ転送する場合は一次解決とはなりません。一次解決率が低いと「なかなか疑問・課題が解決しない」と顧客のストレスになり、顧客満足度の低下につながります。

加えて、一次解決率がの低さは複数の部署・担当者を巻き込んで対応している状態を意味します。多くの時間・費用を消費してしまうため、多くのは生産性や品質を計る重要なKPI指標として位置づけています。

一次解決率の向上には、以下の様な対策が有効です。

・入電の多い質問に対する回答例やトークスクリプトを充実させる
・全体研修やトレーニングなどのスキルアップ施策を実施する
・IVRの適正化し、コールリーズンの明確化や適切な窓口に振り分けられるようにする

コミュニケーション力はどう評価する?

コミュニケーション力は数値で測定することは出来ません。顧客のニーズを引き出し、適切に情報提供するまでの一連のスキルであり、様々な評価項目を設定しながら顧客とのコミュニケーションのとり方を評価しましょう。

具体的には以下の様な評価ポイントが挙げられます。

・顧客と親密な関係を築こうとしているか
・顧客要望、ニーズ、悩みに共感出来ているか
・異文化、異業種、地域格差などを考慮した対応が出来ているか(質問の繰り返し確認や、言い換え)
・応対に前向きで、進んで支援しようとしているか
・話し方の好感度や印象は良いか
・言葉遣い、ビジネスマナーは守られているか

話し方、聴き方、解決方法、顧客の信頼感構築といった様々な要素を総合的に判断して評価することが大切です。どのような対応が理想であるかを各センターで検討し、チェックリストを用意して客観的に判断しましょう。

まとめ

応対品質は顧客満足度に直結する重要な品質指標です。上手く管理することで顧客満足度向上やファン・リピーターの獲得が期待できます。応対品質を一度測定・評価して終了するのではなく、定期的に測定評価・改善のサイクルを実施することも大切です。応対品質を意識して、センター内の品質向上に取り組みましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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