クラウドPBXは無料?トライアルがあるベンダーや利用時のポイントを解説|トラムシステム
クラウドPBXはコスト削減や業務効率化に有効で、導入する企業も増えています。導入を検討する場合、その費用が気になる方も多いのではないでしょうか。クラウドPBXの多くは無料トライアルを提供しており、サービスを実際に使って費用対効果や自社に合った機能などを確認できます。ぜひ活用しましょう。
この記事では、無料トライアルのあるクラウドPBXや、トライアル利用時のポイントについて解説します。
目次
無料で使えるクラウドPBXとは
クラウドPBXには無料で使えるトライアル期間があります。無料の場合、機能や期間などに制限があり、ずっと無料で使えるわけではありません。クラウドPBXの本格導入を前に、音質や使い勝手などを確認するためのサービスという位置づけです。
クラウドPBXそのものは無料ではない
本来、クラウドPBXのサービスは無料ではなく有料で提供されています。
クラウドPBXは従来はオフィス内に設置していたPBX(構内交換機)をクラウド上に構築し、インターネット回線を使って内線通話や外線通話、転送などを可能としたサービスです。
ビジネスフォンで機器の設置や設定、保守などに多額の費用が発生するのと同様に、クラウドPBXもサービスの利用時には費用がかかります。
しかし、クラウドPBXの場合は機器の設置や保守などをベンダーに任せられるため、オフィス設置のPBXと比較すると電話環境の構築・維持にかかる費用は安くなることが多いです。
有料版の無料トライアル・デモ版は利用可能
クラウドPBXの多くは、無料トライアルや無料デモなどの名称で一定期間使ってみることができるサービスが提供されています。
クラウドPBXは機械の設置や工事が必要ないため、従来のビジネスフォンでは難しかったお試しサービスが利用可能です。
ただし、無料トライアルの場合、提供期間や使える機能に制限があります。必要な確認ができるように、計画的にトライアルを行いましょう。
ビジネスフォンにはないクラウドPBXの6つの無料
クラウドPBXでは従来のビジネスフォンで費用が発生していた項目のいくつかが無料になります。また、契約先・請求先を減らすことができるので経理や契約管理の業務も楽になるでしょう。
以下で、クラウドPBXにした場合、どのような費用が無料になるのか解説します。
PBX(主装置)代
クラウドPBXでは、PBXをクラウド上に構築するため、PBX本体の購入費用がかかりません。
ビジネスフォンにおいてPBX代の割合は大きく、小規模事務所で20~30万円、大企業となると数百万円になることもあります。さらに接続台数が増えたり、拠点数が増えれば、それに伴ってPBXの買い替えや増設などのコストも必要です。
しかし、クラウドPBXの場合、接続台数の増加や拠点数の増加に伴うPBX本体の追加購入の必要がありません。必要な分のアカウントやサービスを追加するだけで対応できます。
電話・回線工事代
クラウドPBXは電話回線を使わないため、導入時の電話・回線工事代も削減できます。Wi-FiやスマートフォンのLTEなど、インターネットに無線を利用するなら、電話回線の工事費を無料にすることも可能です。
オフィスの開設などで回線の敷設工事が必要な場合でも、クラウドPBXならインターネット回線の敷設工事と一緒にできるので、業者も一本化でき、コストダウンにつながります。
スマホ内線化の費用
クラウドPBXはインターネットに接続できるスマートフォンを内線端末として利用可能です。そのため、外出先やリモートワーク、海外など、距離の離れた社員どうしの通話も無料にできます。
従来のビジネスフォンでスマホを内線化する場合、同じキャリアの携帯電話を会社で契約する必要がありますが、クラウドPBXを使えばキャリアが異なっていても問題ありません。従業員が持っているスマートフォンを、そのまま会社用の携帯電話として利用できます。
固定電話機代
クラウドPBXは社員のスマートフォンやタブレットなどを端末として利用できるため、必ずしもオフィスに固定電話機を用意する必要がありません。
オフィス用の固定電話機を購入するなら、1台あたり3万円前後は必要です。オフィスで、デスクや会議室ごとに固定電話機を設置する場合は設置台数に比例して費用が増え、大きなコストになってしまいます。また、電話機の台数が多ければ、故障に備えるための予備機や保守費用も大きくなるでしょう。
クラウドPBXなら、従業員のプライベート端末を業務に使用するBYOD(Bring Your Own Device)が可能で、パソコンもビジネスフォンとして利用できます。そのため、工夫次第で固定電話機にかかる費用を無料にすることも可能です。
以下の記事はオフィスの固定電話を廃止するメリットや事例について解説しています。オフィスの電話機削減に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。
転送費用
転送とは、ある場所で受けた電話を別の電話機(固定電話・スマートフォンなど)へつなぐ機能です。転送時の通話料は転送元が負担することになっているため、企業によっては転送に関する費用がかなり高くなります。
クラウドPBXの場合、基本的に電話の転送費用は無料にできます。登録されている端末へつなぐ場合、転送ではなく内線として処理されるからです。
ただし、クラウドPBXを利用するために電話転送サービスを使っている場合は転送費用が発生するので注意しましょう。
UC機能
「UC(Unified Communication)機能」とは、企業で利用される通信手段(電話、メール、チャット、電話会議やWeb会議)を統合する機能です。
UC機能を持つサービスを利用すると、連絡手段ごとにアプリを準備したり操作を覚えたりする必要がなく、スケジュールや情報共有も効率的にできるといったメリットがあります。
クラウドPBXにはUC機能を有するものが増えてきており、クラウドPBXの基本使用料内でUC機能を利用できる場合もあります。自社に合ったUC機能を持つクラウドPBXがあれば、コミュニケーションツールの導入費用を無料にすることも可能です。
クラウドPBXのUC機能については次の記事が詳しいので、ぜひご一読ください。

クラウドPBXの無料トライアルのチェックポイント
無料トライアルを利用して自社に合ったクラウドPBXを選ぶためには、必ずチェックすべきポイントがあります。「とりあえず使ってみる」だけでは、本格導入に必要な情報がそろわず、導入後にトラブルが生じることもあるので注意しましょう。
以下、無料トライアルで確認したいポイントについて解説します。
1.音声品質
クラウドPBXは以下のようなシチュエーションでの通話が可能ですが、それぞれについて音声品質のチェックが必要です。
・内線通話
・外線通話
・社内と社外の通話
・離れた拠点同士の通話
・海外に滞在している社員と日本のオフィス間の通話
時間帯によって通話品質が違ってくる可能性もあるため、業務に支障がないかを必ず確認しましょう。
また、音声品質はインターネット環境の影響も受けやすいので注意してください。複数のクラウドPBXを試してみた結果、共通して通話の多い時間帯で音声品質の劣化が見られることがあります。この場合は社内のインターネット環境の強化を検討しましょう。
クラウドPBXの音質については、次の過去記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
2.利用できる標準機能・オプション機能
無料トライアルを利用することで、クラウドPBXに必要な機能を確認できます。ベンダーによっては、オプションも無料で試せる場合もあるので、どこまで無料で試せるのか確認しておくとよいでしょう。
必要な機能を絞り込むことができれば、それだけクラウドPBXにかける費用を削減できます。必須機能を検討し、費用対効果が高いクラウドPBXを選びましょう。
3.アプリ・サービスの使い勝手
ITサービスの導入ではカタログスペックが優秀でも、実際に利用すると「使いにくい」「わかりにくい」といった問題で社員に使ってもらえないことが多々あります。
アプリやサービスの使い勝手は数値化が難しく、社員のリテラシーにもよる部分も大きいので、社員の意見に耳を傾けることが大切です。特に新しいツールに苦手意識を感じやすい層の意見を大事にしましょう。
クラウドPBXのUC機能を使う場合は、必要な機能が多くなるほど評価項目も多くなります。機能ごとに優先順位をつけて評価し、自社に最も合うサービスを選定しましょう。
4.ベンダー側の対応
トライアルでは、サービスを提供するベンダーの対応速度、応対品質も重要なチェックポイントです。
クラウドPBXにトラブルが発生した場合、ベンダーの対応スピードは業務への影響に大きな影響を与えます。導入時だけでなく、アフターサービスやフォローでも頼りになるベンダーなのか否か、慎重にチェックしましょう。
5.トライアル期間
無料トライアルを利用する場合は、トライアル期間は必ず確認しましょう。クラウドPBXを提供するベンダーによって、トライアル期間は異なりますので注意してください。
サービスによっては無料トライアル終了後、自動的に本契約になることもあります。意図せぬ形で契約が進むと、後々トラブルになってしまうため注意が必要です。
トライアル期間や契約に関するルールはしっかり確認し、検証が期間内に終わるように計画しましょう。
無料トライアルがあるクラウドPBXベンダー一覧
2022年5月8日時点で、無料トライアルが可能なクラウドPBXの主なベンダーは次のとおりです。
本契約前の確認ポイント
無料トライアルでクラウドPBXのサービスをチェックしても、本契約前には他にも確認事項があります。一度本契約すると、短期での解約にコストが発生する場合も多いため、確認は徹底して行いましょう。
クラウドPBXの本契約前の確認ポイントは次のとおりです。
電話番号の引き継ぎができるか
クラウドPBXの契約前には、現在の電話番号の引き継ぎが可能か必ず確認しましょう。
電話番号や利用ベンダー、サービスによっては番号ポータビリティを使用できるため、電話番号の変更に伴う登記内容の変更や関係者への連絡、印刷物やWebサイトの情報変更などが必要ありません。
本契約を済ませた後に、「実は電話番号が引き継げない」ということがないように、必ずベンダーに確認しておきましょう。
電話番号の引継ぎや番号ポータビリティについては次の記事が詳しいので、ぜひ参考にしてください。
コスト削減・業務効率化につながるか
クラウドPBXではコスト削減や業務効率化といったメリットがありますが、全ての企業にあてはまるわけではありません。
トライアル結果をもとに、ユーザー数や必要なオプションを含めた費用などをしっかりシミュレーションし直し、費用対効果が見込めるか再度検討しましょう。
また、業務の効率化にあたっては、クラウドPBXの導入だけでなく社内における業務プロセスの刷新や教育が必要になる場合も多いです。導入後の業務イメージや検証内容は十分か、よく考えてから本契約に進んでください。
既存の電話機が流用できるか
クラウドPBXのサービスによっては、既存の電話機を流用できず、VoIPに対応したIP電話機に限られることがあります。
既存のビジネスフォンをクラウドPBXに接続できる場合でも、クラウドPBXと従来のPBXをつなぐゲートウェイ機器が必要です。基本的にゲートウェイ機器の利用はオプションになるため、電話機を入れ替える場合と、どちらが費用面で有利かよく確認しましょう。
電話機の流用ができない場合、BYODも含めてオフィスの電話端末全体を見直してみるのも1つの手です。
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まとめ
クラウドPBXの多くで無料トライアルが提供されているため、契約前にまずお試しで使ってみることをおすすめします。無料トライアルを上手に活用できれば、機能や料金のミスマッチを防ぐことができ、自社に合った形でサービスを導入しやすくなります。
無料トライアル時はもちろん、トライアル後の本契約前にも確認すべきポイントがあります。本記事で解説した内容をもとに、賢くクラウドPBXの導入を進めましょう。

WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。