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2019.03.28

チャットボットを人間に近づけるには丨機械学習・AIの課題|トラムシステム

私達の日々の生活に定着したチャットボット。AIを搭載した人間のような会話ができるチャットボットも開発され始めていますが、まだ課題が多いことも事実です。この記事では、チャットボットが文章を認識する仕組みや現状の課題、応答の精度を高めるために必要な要素について解説します。

チャットボットとは

チャットボットとは、チャット(会話)とボット(ロボット)を合わせた言葉です作成されたプログラミングを利用することで人間と会話をすることができます。

チャットボットはLINEやFacebookなどの普段から利用しているアプリで気軽に利用できるのが魅力の一つです。お天気用、賃貸物件用等の用途別に開発されることが多く、ユーザーは話しかけることで情報を収集することができます。

チャットボットの仕組み

チャットボットはアプリ、プラットフォーム、ボットサーバーの3つの要素で成り立ち、それぞれ以下のような役割を持ちます。

アプリ
ユーザーが実際に入力や閲覧をするインターフェース。入力されたメッセージをプラットフォームへ展開します。

プラットフォーム
ネットワークを通じてアプリとBOTサーバーの中継を行う。

BOTサーバー
プラットフォームから受け取った情報をもとにユーザーからのメッセージの解釈、応答メッセージの整形を行う、チャットボットの「脳みそ」となる部分。整形したメッセージは再びプラットフォームを通じてアプリに返される。

この流れを「友達と一緒に北海道旅行」で問い合わせをした場合を例に詳しく解説します。

1.ユーザーはアプリに問い合わせ内容を入力。アプリは各アプリのプラットフォームに展開

2.プラットフォームは、企業が開発するボットサーバーの受信側API(アプリケーションプログラミングインターフェスー)へ、誰が何のメッセージを入力したかを送信

3.プラットフォームから受信した、ボットサーバーは問い合わせの情報を解析してキーワードに分類

友達 / 北海道 / 旅行 に分類

4.ボットサーバーは、分類したワードを元にメッセージを整形

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5.「4.」で整形した情報を、アプリが受け取ってくれる情報に整理してプラットフォームの受信APIに送信

6.プラットフォームからデータを受信したアプリは、画面上に応答のメッセージを表示

なお、チャットボットは応答の方法で「ルールベース」「機械学習ベース」の2つに分類されます。

ルールベース

ルールベースは、一問一答形式で人間と会話をします。あらかじめユーザーの問い合わせ内容を想定し、質問とそれに対する答えのシナリオを登録します。ユーザーから質問を受けたチャットボットは、登録内容を検索し問い合わせがマッチしたら紐づいている答えを返します。

人間と違って思考することはなく、ルールに則った応答をします。そのためFAQ対応に適しており運用にそぐわない回答をすることは無いメリットがある一方で、表現の揺らぎにも対応が必要な場合、登録する内容が多くなるというデメリットがあります。

例えば、「元気ですか?」に対して応答する内容が登録していたら応答することが可能ですが、「元気?」に対する応答内容の設定が無い場合は応答することができません。

機械学習ベース

機械学習ベースは、受けた問い合わせの内容を解析し、解析結果と回答の候補を照らし合わせ、一番正解率の高いと思われる答えを返します。機械学習は事前に大量の教師データ(一般的に多い質問と答え)をインポートする必要があります。

機械学習ベースは、ルールベースよりも柔軟な回答ができるというメリットがある一方、誤った回答が頻発する場合には教師データの見直しや再学習が必要というデメリットがあります。

チャットボットが言葉を理解する仕組み

チャットボットは、自然言語(人間がコミュニケーションで使用する言葉)を解析し、適切な行動を決定、ユーザーが理解できる言語で応答します。これらの能力を総称して「自然言語処理」と言います。

チャットボット向けのAPI/サービスの自然言語処理には2つの概念があります。

インテント:その発言の意図をカテゴリー分けしていく概念
発言の意図をカテゴリー分けし、実行するアクションを決定します。

エンティティ:その発言の中の意味を持った単語をカテゴリー分けしていく概念
アクションに対して必要な情報をエンティティから抽出します。

例えば、「桜の名所を教えて」とユーザーがチャットボットに話かけたとします。この場合、まず「教えて」というインテント(意味)の文章であることを認識します。次に「教えて」というアクションに対して意味ある単語「桜」「名所」を探し出します。最後に回答の候補を出し、統計的に確率の高い答えをユーザーに返します。

機械学習ベースチャットボットの課題

人間と同じような会話の実現が期待される機械学習ベースのチャットボットですが、実用化にはまだ課題も残されています。

・会話が長くなるほど精度が低下する
会話が長くなるにつれて、回答が的外れのものになってしまったりと精度が下がってしまいます。また、チャットボットは人間の会話のように「この前聞いた話だ」といったように過去の会話を振り返り、回答をすることができません。

・オープンドメインのチャットボットは高い技術が必要
ユーザーとの会話のトピックが日常会話のように広範囲にわたるものをオープンドメインの会話といいます。オープンドメインの代表例がSNSなどで使われているチャットボットで、この場合はどのような話題の会話が行われるかの予測が不可能であるため、より広い範囲の前提知識が必要とされます。

オープンドメインの会話に対して、企業やお店のサービス内容の問い合わせなど、分野を特定した会話のことをクローズドドメインの会話と言います。

・継続的なメンテナンスが必要
ユーザーの求める回答ができるチャットボットを作成し、その状態を持続させるためには継続的なメンテナンスが必要です。回答の見直しやデータの更新、誤りの修正など、会話品質の向上のためのこれらの作業はメンテナンス、チューニング、再学習と呼ばれます。

また、利用頻度が乏しいとデータの取り込みが少なく適切な会話ができず、継続的にユーザーに使ってもらうためのチャットボットそのものへの親やすさや使いやすさも重要です。

・教師データの不足
実用に耐えるチャットボットの開発にはその元となるデータが重要である一方、独自のFAQデータを持っている企業であっても、チャットボットの学習に十分なデータを持っている企業は少なく、まず教師データを準備をするところから始める必要があります。

チャットボットの会話品質を向上させるためには

現在もチャットボットをより人間に近づけるための研究が行われています。チャットボットの会話品質を向上させるためのポイントとは何なのでしょうか。

意図認識と文脈理解がポイント

チャットボットがユーザーが入力した言葉をより正しく理解するためには、意図認識と文脈理解をより深めることがポイントです。

意図認識
人間が発する文章や単語から、関係の深い情報を引き出し意図や意味を理解する能力。
これにより、長い文章や複雑な文章にも適切な言葉で対処できるようになります。

文脈理解
会話にでてくる様々な要素(時間、場所など)を組み合わせ、会話全体の要点をつかむ。
文脈の理解を向上させることで、正確な会話を続けることが可能となります。

アノテーショントレーニング

文字列からその言葉の意味や検索者の意図・感情を読み取るため、チャットボットはそれぞれの言葉に対して意味付け(アノテーション)を行っています。この意味付け(アノテーション)の精度が上がることでチャットボットはより人間の言葉を適切に理解できるようになり、このためのトレーニングのことをアノテーショントレーニングと言います。

アノテーションにはいくつか種類がありますが、以下の2つがチャットボット学習においては特に重要です。

エンティティアノテーション
エンティティアノテーションとは、文章内の人・物・場所・事象・概念・サービスといった対象物を同一のカテゴリでまとめることを指します。
例として「中国食堂の回鍋肉が好き」という言葉が入力された場合、「中国食堂=店名」「回鍋肉=料理名」「好き=趣向」といったように書く言葉に対して意味づけを行います。一方、「中国は人口が多い」という言葉からは「中国=国名」という言葉を学びます。このようにその言葉が使われる状況、前後の言葉などからその言葉の意味を学んでいきます。

言語的アノテーション
言語的アノテーションは、文章の意図を認識させることを言います。ユーザーの感情を分析し、適切な対処をすることも対象となります。

まとめ

業務効率化などが期待され、すでに多くの企業で活用されているチャットボットですが、人間のような自然な会話を行うためにはまだ多くの課題が残されています。現時点ではルールベースのチャットボットが主流ですが、今後AI(人工知能)研究が進むことで機械学習ベースのチャットボットも普及していくことでしょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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