オムニチャネル・コンタクトセンターシステム|SMS(ショートメッセージ)|トラムシステム
目次
SMSを使った応対業務とは?
国内ではテキストメッセージングサービスとしては、LINEが広く浸透していますが、SMSも特定の用途としては非常に有効活用されているコミュニケーション手段です。
スマホで新しいアプリをインストールした後にSMSで認証番号が送付されてくる、Facebookにメッセージが来ていることを通知として受ける、というのはスマホを利用している方であれば誰もが経験していることです。
また、クレジットカード会社などのプロモーションにもメッセージ送信されているケースを見かけることがあります。プロモーション内容自体はSMSで送られてきたリンクをクリックすることで確認ができます。
格安スマホではメールアドレスが無いなどの理由からメールに比べて圧倒的に到達率が高くなっています。
個人対個人のコミュニケーションというよりも、企業から個人への通知・案内という使い方が多いようです。
【SMS配信数と増加率】
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP451378_Y7A710C1000000/
企業から個人への送信数の実績は、2015年度1億1140万通、2016年度2億2460万通と倍増し、その後も年率50%以上の成長で2021年度には26億8800万通になると予測されています。
企業から個人顧客へのメッセージ送信と言えばいわゆるメルマガ配信でした。QRコードから顧客のメールアドレスを獲得しメルマガを配信することで、自社サービスの情報を顧客に伝達していました。しかしながら、2011年よりSMSの携帯キャリアの相互接続が開始され、各キャリアへのメッセージ送信が可能となったことでSMSの活用が見直されてきたと言えます。
【企業のメリット】
企業から顧客に対してのSMSを使ったコミュニケーションを活用するメリットは以下です。
大量一斉配信ができ、業務効率が高いこと。
メルマガ配信同様に一斉に配信が可能な為、電話やダイレクトメール比べてと格段にコストが安い為、業務効率が高いと言えます。
到達率が非常に高い
メールの場合、メールアドレスの変更停止などにより不通となるメールが一定量かならず存在しますが、電話番号を変える個人は圧倒的に少ない為、電話番号だけで送信可能なSMSの場合、到達率が非常に高くなります。
開封率が100%に近く、また遅延も少なく通信業務インフラとして信頼性が高いこと。
メールの場合、メールソフトにログインして確認するというステップを経る為、メールの内容を確認する開封率は低くなります。一方で、SMSの場合、スマホの待ち受け画面上に表示される設定をしている顧客が多いことからその開封率は100%に近くになるメリットがあります。
顧客にとってのSMSのメリットとしては、メールアドレスを知らない場合でも電話番号さえ知っていれば、ちょっとしたメッセージを伝えたい場合に100%の到達率で送ることができるメリットでしょうね。電車遅延でアポイントに少し遅れる様な場合を考えると一目瞭然です。
では、次にSMSを使ったコンタクトセンターのシステムはどの様に構成され、導入する上でどのような考慮が必要になるかについて解説していきます。
【オムニチャネルシステム】
まず、オムニチャネルの業務を支援するシステムについて、チャットを含めて以下の様なチャネルを有機的
にコントールし、お客様とオペレータとのコンタクトを効率的に運用システムシステムが想定されます。
・電話 :モバイルを含めたPSTN網からのデジタル電話、IP電話の受電
・メール :インターネット経由で企業のメールサーバにて受信したメールの取り込み
・チャット :Webサイトまたはモバイルからリアルタイムでのテキストチャット送受信
・SNS :Twitter,Facebookへの投稿に対する支援投稿
・SMS :SMSプロバイダを介したリアルタイムショートメッセージ送信
・FAX :FAX受電、FAX送信
・LINE :LINEでのテキストメッセージ送受信、LINEでの通話
・WEBRTC :Webサイトまたはモバイルからのリアルタイムビデオチャット送受信
【SMS対応機能】
SMSを使ったコンタクトセンターからのSMS送信システムの機能は大きくわけて3つあります。
①一斉・個別送信利用
企業が伝えたいメッセージを顧客に一斉に送信できることはもちろん、企業が選別した顧客に対して個別に送信できる機能です。実際の利用例としては、コールセンターでの問合せ終了後に、顧客満足度調査の目的からアンケートの案内を一斉又は個別に送信したり、キャンペーン案内を送付したりする用途です。
SMS自体は、キャリアサービスとなりますのでSMS送信プロバイダーのサービスを利用して一斉送信することが一般的なシステム利用形態になります。
注意点としてはSMSを送信するためには顧客から同意を得る必要があります。無作為に携帯電話番号を取得して、メッセージを送ることは禁止されていますので、注意が必要です。
②SMS認証利用
先の通り、スマホアプリのインストール、登録やログインにあたり、よく利用される方法です。アクセスがロボットでないことを証明するためや、利用者本人によるログイン操作であることを認証するために、一時的に発行されるパスワードをSMS宛に送信できます。プライバシー情報にアクセスするアプリを提供している企業や金融機関などが中心に活用されています。
③IVR連携利用
SMS送信サービスは音声ガイダンスと連携させることができます。コールセンターが混雑していた場合にSMS送信を選択することで、問合せ商品のマニュアルのURLを顧客にSMSで送信するような使い方が多いようです。特に夏にエアコンメーカーへの問合をする様な場合、問合せが集中しますのでマニュアルやFAQをSMSメッセージにて通知する様な運用は効果的なようです。
【SMS送信システム設計の論点】
ソーシャルCRMシステムを導入する上では、以下の様な観点での事前検討が必要です。
①SMSメッセージ送信の目的・期待する効果
マーケティング施策の一環としてSMSメッセージ送信するのか、コールセンターの混雑時の回避策としてSMSを利用するのか目的を決めます。
②SMSメッセージ送信方法
一斉送信を行う場合には、SMSプロバイダーのサービスを利用することになります。対応しているキャリアの確認、キャリア毎の文字数制限、メッセージ本文に含まれるURLを短縮し、SMS開封状況の確認などが主要機能の対象となります。
また、顧客と企業の双方向でのやり取りができる送受信SMSとするのか否かも重要なポイントです。
③応対画面
SMS送信するメッセージはCRMシステム応対画面から入力でき、管理者が確認できた上で送信する運用が必要です。また、SMS送信メッセージに対して返信・質問を受ける想定の場合には、SMS受信メッセージをCRMシステムに取り込む必要がありますので、上記のSMSメッセージプロバイダーとのシステム連携が必要となります。
④IVR連携の場合のコールフロー設計
電話が混雑している場合、コールセンターでの応対を待たずにFAQサイトや製品マニュアルのURLを案内することで呼損率を下げる施策を検討する場合、どの問合せに対して・どのくらい待ちがj発生した場合に・どのURLをSMSメッセージとして送信するのか、顧客の立場になってコールフローの設計をする必要があります。
⑤運用体制
電話でのスキル定義同様に対応商品や問合せ内容に応じてスキルを定義し、スキルルーティング出来る設計が必要です。
⑥回答テンプレート
顧客へのメッセージ送信だけの一方通行であれば不要ですが、顧客からの返信・質問をSMSで返信された場合にはSMSを通じた応対業務が発生します。
メールと違い文字数制限がありますのでそれを意識した応対方法を予め決めておく必要があります。
最後に
今後、SMS送信サービスは顧客とのコミュニケーション方法の一つとして当たり前に使われるようになってきています。先に挙げた様に、スマホでのSMSメッセージは確実なコミュニケーションとして、業界や業種を問わず活用できる場面が多いサービスですので、利用目的を絞り込んだ上で活用を検討してみてはいかがでしょうか。
WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。