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クラウドコールセンターシステム|クラウド化のメリットと3つのポイント|トラムシステム

クラウドサービスは、ITに少しでも関わりがあれば、聞いたことが無いという方はいません。かつてのシステム開発ではコンピュータのハードウェア、ソフトウェア、データなどを、自社で保有・管理し利用していました。しかし、クラウドサービスを利用することで、これまでハード・ソフトの購入やシステムの構築、管理などにかかるとされていた手間や時間の削減をはじめとして、業務効率化やシステムコストの低減を図れるというメリットがあります。

企業システムのクラウド化の潮流は、業種・規模を問わずに急速に進んでいます。コールセンターシステムも同様の動きとなってきており、数年前までは情報セキュリティの観点からクラウドサービスに二の足を踏んでいた金融機関のコールセンターでもクラウドファーストでの採用が進み始めました。また、本年はAI元年と言われています。クラウドサービスの浸透に伴い、AIテクノロジーを活用したコールセンターAIシステムの導入に対する期待値も非常に高くなっています。

コールセンターシステムとして、クラウドサービスの導入状況、クラウドサービスを活用するメリットについてご説明いたします。

サムネイル画像

コールセンターシステム・クラウドサービス利用状況

コールセンター白書2017年度によるとコールセンターにてクラウドサービスを導入している企業は2016年度の22%から2017年の32%に増えています。検討中企業を含めると50%程度の企業がクラウドサービスに前向きです。また、採用・検討したクラウドサービスの機能区分については以下の通りとなっており、PBX/CTI基盤を中心としたクラウドサービス化が進んでいることが明白です(2016年:以下の%は絶対数)

PBX/CTI基盤(*1) ー 72%

CRMソフトウエア(*2) ー 42%

IVR・音声認識ソフトウエア(*3) ー 27%

WFMソフトウエア ー 9%

*1の対象機能 :PBX/ACD/ソフトフォン/通話録音
*2の対象機能 :応対履歴管理/CTI機能
*3の対象機能 :音声認識テキスト/IVR

今後もこの傾向は加速すると想定されますので、PBX/CTI基盤およびCRMソフトウエアを中心にクラウドサービス導入企業が増えていくと思われます。

また、AIテクノロジーを活用したソリューションは、Google、Amazon、Salesforceの様にクラウドサービスにて提供されることが一般的ですので、この点でもコールセンターシステムのクラウドサービス化を牽引すると考えます。

コールセンターシステムのクラウド化誘因

ここ数年前までは、上記の様なシステムベンダーの機能をコールセンター毎に導入することが一般的でした。いわゆるオンプレミスシステムです。しかしながら、コールセンターシステムは特殊な仕組みであることから以下の様な課題を持っていました。
・情報システム部門にはコールセンターシステムに詳しい担当者が居ないことが一般的です。そうなるとシステムベンダーと対等に設計内容や実現性について妥当性の確認が困難になっていました。
・PBX/ACD/IVRのシステム設定変更を行う場合(例えば電話のコールフローを変更)であっても導入したシステムインテグレーターに作業を依頼しなければならず、リードタイムが長く、費用も比較的に高額でした。
・コールセンターシステムは数年に1度バージョンアップが発生し、その費用は保守費用とは別途発生し、且つ高額であることが多い。

ここ数年、クラウドサービスが一般的になってきたことからコールセンターシステムについても“クラウドサービス”として提供するサービス事業者が出てきました。クラウドサービスを活用することで、上記の課題も解消されます。自社にコールセンターシステムの技術専門家を置く必要がなくなり、初期費用を抑えることが可能となり、さらにシステムの設定変更が必要な場合も、クラウドサービス事業者に依頼する為、短時間に且つサービス利用料の範囲内で変更作業を行ってくれることがあります(但し、サービス事業者により差がある)

クラウドサービスを利用してコールセンターシステムが構築できれば、柔軟にオペレータ席数を増やしたり、新しいサービスを導入する場合のハードルも低くなるはずです。今後は、一層クラウドサービスを活用したコールセンターシステムの導入が進むことになりそうです。

コールセンターシステムの定義

コールセンターシステムとして必要な機能について復習ですが。コールセンターには利用者とその対応をするオペレータ、そして管理者が存在します。コールセンターの登場人物ごとに必要となる主な機能は以下の通りです。

【利用者向け機能】

―電話番号・電話回線
―PBX/ACD
―IVR

【オペレータ向け機能】

―応対履歴管理機能
―CTI(ComputerTelephonyIntegration)機能
―FAQ機能
―電話機、ソフトフォン機能
―通話録音再生機能
―音声認識テキスト機能

【管理者向け機能】

―KPIレポート機能
―オペレータ管理機能
―通話録音再生機能
―音声認識テキスト機能
―QM(QualityManagement)機能
―WFM(WorkForceManagement)機能
―テキストマイニング機能

上記機能の大半がクラウドサービスとしても提供されています。

自社保有システムとクラウドサービスの違いを3点解説

自社保有のコールセンターシステムとクラウドサービスの違いについてQCD(QualityCostDelivery)の観点からご説明します。

自社保有

クラウドサービス

サービスレベル(Quality) システムの稼働率を想定した冗長化に限界あり 99.99%などの稼働率目標が設定されておりBCPなど1社では困難な冗長化が構築されている
コスト(Cost) 初期購入費用及び保守費用に加えて数年に1度、機器のバージョンアップ一次費用が発生する 初期費用は少なく、その後は一定金額の利用料
運用保守(Delivery) 自社で専任を擁立し運用保守を行う又はベンダーに丸投げする為、コスト発生・変更管理長い クラウドサービスベンダーが運用保守を行う。自社での作業不要。

クラウドサービスのメリット

クラウドサービスを使うメリットについて改めて記載致します。

(1)コスト面

自社保有のシステムの場合、大規模な初期費用と月額の保守費用を支払う必要があります。また、自社保有の場合には今後のビジネス拡大を見越して、コールセンターシステムについても現利用席数よりも大きな席数でのキャパシティのシステム構成とすることが多いので結果的には割高になってしまいます。

一方でクラウドサービスの場合、機器やソフトウエアを購入する訳ではありませんので、初期費用を抑えることができます。また、利用席数に応じた利用料を支払うことになりますので、過剰な投資をする必要がありません。

もう1点、クラウドサービスのコストメリットは「新サービスの導入しやすさ」にあります。上記の通り、コールセンターシステムは様々な機能が必要となってきていますが、

自社保有の場合には、新機能を購入するか否かを決定する為に、製品調査⇒POC⇒投資効果の算定⇒投資稟議⇒購入という長期間での検討を要するのに対して、クラウドサービスであれば、ベンダーが用意しているサービスを「小規模の席で導入してみる」ことが可能になりますので、短期間での検討で導入可否判断が可能です。

(2)運用保守面

自社保有のシステムの場合、コールセンターシステムの専門家を自社で用意しなければなりません。ベンダーとの要件定義、基本設計等システム稼動までの工程を推進しなければいけないからです。システム稼働後もシステム運用中の変更作業、システム監視、障害発生時の保守依頼などコールセンターシステムを安定稼動させる為の業務を全て自社で責任を持って対応しなければなりません。

クラウドサービスなら、全てベンダー保有の既に稼動しているシステムを「借りる」だけですから、システム変更、システム監視、保守全てベンダーが対応します。

情報システム部の関与は最小で済みます。コールセンター部門がクラウドサービスベンダーと直接進めることができます。

(3)高いサービスレベル

自社保守システムでサービスレベルを検討する場合には、データセンター設置・バックアップ・冗長化などをBCP対策として検討する必要があります。BCP対策はその必要性と対応範囲について各社悩んでいることが多く投資規模も莫大です。

クラウドサービスならベンダーが構築したシステム自体がBCP対策を構築済であることが多く、大きな投資をせずサービス利用料の範囲で高いサービスレベルを維持することが可能となります。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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