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2022.03.18

クラウドPBX / クラウド電話 /

クラウド電話とは?クラウド型電話機のメリット・機能を紹介|トラムシステム

クラウド電話とは、クラウド上のPBXを利用して通話するサービスです。ビジネスフォンと同じく内線通話や保留・転送などが可能で、さらにクラウド電話ならではの機能やメリットもあります。

本記事では、クラウド電話の特徴やメリット・デメリット、クラウド電話の活用シーン、おすすめのクラウド電話について解説します。

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クラウド電話(クラウドフォン)とは

クラウド電話とは、クラウド上にあるPBX(主装置)を通じて通話を行うシステムです。機能的には従来のビジネスフォンと同じように内線・外線、保留、転送などの電話機能が使えますが、その仕組みやシステム構成や導入方法は大きく異なります。

クラウド電話の仕組み

クラウドPBX仕組み
クラウド電話では、サービスを提供している業者(ベンダー)と契約し、そのベンダーが構築したクラウド環境にインターネットを通じてアクセスし、通話を行います。

従来の電話では、ビジネスフォンではオフィス内にPBX(構内交換機)の設置が必要でしたが、クラウド電話ではこの機能をクラウド上のサーバーによって提供します。これにより、インターネット回線で通話するクラウド電話でも、内線通話や外線通話、保留や転送などが可能です。

クラウド電話の導入方法

クラウド電話を導入するためには、サービスを提供しているベンダーとの契約が必要です。ベンダーによって料金や提供サービスが異なるため、導入の目的や必要な機能をしっかり整理してからベンダーを選びましょう。

クラウド電話のベンダーを選ぶ際は、次のポイントを意識すると選びやすいです。

1.会社規模・利用人数
2.利用する機能
3.ベンダーの導入実績
4.コスト
5.電話番号が維持できるか

無料トライアルができるなら、使い勝手や音声品質を確かめておくと安心して導入できます。

ビジネスフォンからクラウド電話への乗り換える場合は、電話番号移行の可否に注意が必要です。現在の電話番号を維持できるかは、保有している電話番号の種類や、クラウド電話のベンダーによって異なります。契約前にベンダーに必ず確認しましょう。

そして、ビジネスフォンは産業廃棄物として処理することになるため、ルールを守って処分する必要があります。処分方法は次の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

クラウド電話とビジネスフォンの違い

クラウド電話とビジネスフォンでは仕組みやシステム構成に違いがあります。それにより、具体的にはどのような影響があるのでしょうか。

ここからは主な違いや影響について解説するので、ビジネスフォンからの切り替えを検討している方はぜひ参考にしてください。

電話回線・電話加入権がいらない

クラウド電話ではインターネット回線があれば利用可能です。

そのため、電話機は電話線を必要とせず、Wi-Fi(無線LAN)やスマートフォンのインターネットを使った通話もできます。

複数の拠点のPBXをクラウド上のPBXに一本化して一カ所から管理できるのもメリットです。複数の拠点を持っている企業が移行する場合は、電話回線や電話加入権を整理し、少なくできる場合も多いです。

物理的な機器(PBX)がない

クラウド電話はPBXをクラウド上に構築するため物理的な機器をオフィスに設置する必要がありません。そのため、ビジネスフォンのようにオフィス内にPBXの保管スペースを用意する必要はありません。

物理的な機器がないため、メンテナンスやシステムアップデートなどの保守作業も不要です。保守はベンダーがクラウド上のサーバーを対象に行ってくれるため、担当者の工数削減につながります。地震や経年劣化による破損の心配がない点もビジネスフォンとの大きな違いです。

スマートフォンを内線化できる

インターネット回線を利用できるクラウド電話では、個人が所有するスマートフォンを内線端末として設定することも可能です。そのため、従来のビジネスフォンのように内線用の電話機を多数用意せずに済みます。

スマートフォンを内線化できると、社内でのフリーアドレスを実現したい場合や、テレワーク環境を作りたい場合にも便利です。

月額料金が発生する

クラウドPBXでは、通話料(電話のオプション料金含む)の他に、利用者数や回線数、オプションなどに応じたシステム利用料が毎月発生します。

これはクラウドPBXのサービス利用料に加え、サーバーの保守料金や電気代などが含まれています。従来のビジネスフォン(やPBX)の保守料金や電気代に相当するものと考えるとよいでしょう。

クラウド電話のメリット

クラウド電話はただの「ビジネスフォンの後継機」ではなく、ビジネスフォンにはない様々なメリットをもたらす最新のオフィス電話です。

導入時には、具体的にどのようなメリットがあるのかを理解しておくことで、費用対効果をより高めることができます。ここからは特に重要なメリット4つを解説します。

導入期間が短い

クラウド電話は、契約後短い期間で利用を開始できます。

ビジネスフォンでは、主装置を社内に設置し、電話回線を敷設する配線工事を経て主装置と固定電話を電話回線で接続します。クラウド上のPBXを利用するクラウド電話は、PBX装置の設置や電話回線の配線工事などが不要です。

また、ビジネスフォン用の電話機を調達しなくても、社員のスマートフォンや社内PCを電話機にできるため、電話機の購入にかける時間も削減できるでしょう。

従来のビジネスフォンを導入するなら数ヶ月程度かかりますが、クラウド電話なら1週間〜1ヶ月程度で導入して使用を開始できます。

セキュリティ対策・メンテナンスをベンダーに任せられる

従来のビジネスフォンでは、PBXの保守やセキュリティ対策は自社が主体となって行う必要がありました。そのため、ノウハウがない企業だと故障時の対応が遅い、セキュリティ対策の仕方がわからないなどの問題がありました。

クラウド電話の場合、セキュリティ対策や保守作業はベンダー側で担当します。利用する企業ではクラウドPBXの設定作業をブラウザから行うだけです。プロの技術者が保守やセキュリティを担当してくれるため、企業では運用に専念できます。

場所を選ばないコミュニケーションを実現できる

オフィス内でしか利用できないビジネスフォンと違い、クラウド電話ならインターネット回線が使用できればどこからでも通話できます。

スマートフォンからでも会社の代表番号で発信・着信できるため、個人の番号を相手先に知られる心配もありません。社外でもオフィスと同様にコミュニケーションが可能なので、営業やリモートワークと相性がよく、多様な働き方を実現できます。

通話料を削減できる

クラウド電話は、以下の例のように外線通話料が従来のビジネスフォンより安くなります。

クラウド電話通話料

※通話料は目安です。詳細は各ベンダーにお問い合わせください。

クラウド電話の通話料は、特に遠方や海外との通話においてメリットが大きくなります。また、インターネットが接続できる環境なら、スマートフォンを内線として使えば無料通話ができるため、拠点間や社員間の通話料削減にも効果的です。

クラウド電話なら転送料金も発生しないので、転送が多い場合はコストダウンが期待できます。クラウド電話での転送については次の記事が詳しいので参考にしてください。

クラウド電話のデメリット・注意点

コスト削減や業務効率化など、多くのメリットが期待できるクラウド電話にもデメリットはあります。導入する企業の状況によってはデメリットが強く出ることもあるため、検討の際は次の点に注意しましょう。

インターネットがないと利用できない

クラウド電話はインターネットが接続できない環境では使えません。事前にオフィスなどのインターネット環境を確認しておきましょう。

また、インターネット環境が不安定な場合や低速な場合、音声品質が低下することがあるので、インターネット回線の品質にも注意を払う必要があります。

利用できない番号がある

クラウド電話は緊急電話番号の警察(110番)・消防(119番)を始めとする一部の番号への発信ができません。発信不可の番号を確認し、社内で共有しておくことが大切です。

クラウド電話で発信できない番号や緊急通報については、以下の過去記事を参考にしてください。

ランニングコストがかかる

多くのクラウド電話では、利用人数や機能に応じて料金が変動します。初期費用や保守費用、通話料の面ではコスト削減が期待できますが、利用人数によってはIP-PBXやオンプレミス型の主装置を購入、またはリースした方が安い場合もあります。メリットやトータルコストをよく考え、費用対効果が高くなる方法を検討しましょう。

クラウド電話のコスト削減効果について詳しくまとめた記事です。電話周りのコストダウンに関心のある方は、ぜひご一読ください。

クラウド電話はこんな企業におすすめ

クラウド電話を導入することで大きな効果が期待できるケースを紹介します。

・オフィスの移転予定がある
NTTの電話番号の場合、管轄局外へ移転すると電話番号が変わりますが、クラウド電話は現在利用している番号を引き続き利用可能です。電話番号の変更は書面の書き換えや顧客への周知などコストがかかるため、移転予定がある企業はクラウド電話の導入でコスト削減が期待できます。

・海外に支店がある、またはできる予定
インターネット回線があれば世界中どこでも内線電話が無料のクラウド電話は、海外に支店がある、または今後展開予定の企業におすすめです。

・フロアの配置換えが多い、オフィスがフリーアドレス
ビジネスフォンでは内線番号と電話回線が紐付いており、フロアの配置換えの度に内線番号が変わったり、電話機の配置換えを行ったりする必要がありました。電話回線を利用しないクラウド電話では配線工事が不要のため、社内のどこに移動しても、同じ電話機を使うことで内線番号をそのまま使えます。

・社員の外出・出張が多い
従来のビジネスフォンは外出先からの通話に料金がかかりましたが、クラウド電話では外出先でも内線通話ができるため、社員の外出・出張が多い企業では通話料削減が期待できます。

・頻繁に代表番号から発信する
クラウド電話ではスマートフォンを内線化することで会社の代表番号からの発信が可能です。そのため個人のスマートフォンから発信する場合でも、自分の番号を事前周知する必要はありません。

・お客様からの着信が多い
コールセンターなどお客様からの着信が多い企業・部署では、コールが集中して電話に出られない恐れがあります。クラウド電話では最初にコールセンターに鳴らし、誰も取れない場合は総務部の電話機を鳴らす、といった細かい設定ができ、電話の取りこぼしを防げます。

また、自動音声ガイダンスを使い要件別に担当部署へ振り分けることも可能です。

おすすめクラウド電話7選

さまざまなベンダーがクラウド電話サービスを展開しています。提供するサービスやコストなどに違いがありますので、導入の際は把握しておきましょう。

TramOneCloud(トラムシステム株式会社)


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・初期費用:150,000円
・月額料金:1,500円(1ユーザー)
・公式サイト:https://www.tramsystem.jp/pbxcloud/

トラムシステムの「TramOneCloud」は高品質と安定性に定評のある高機能なクラウド電話です。小規模の利用から大規模企業、コールセンターでの使用まで柔軟に対応できます。

機能面でも、外線・内線電話、保留、転送、留守電などのビジネスフォン機能はもちろん、インスタントメッセージ、チャット、電話・Web会議、プレゼンスなどの機能も提供します。

TramOneCloudはアナログの電話回線からでも使用できるため、拠点の電話環境を変えることなくクラウド電話に移行できるのも特徴です。

ひかりクラウドPBX(西日本電信電話株式会社)

・初期費用:14,300円
・月額料金:11,000円(10ID)
・公式サイト:https://www.ntt-west.co.jp/business/service/pbx/

NTTコミュニケーションズ社が提供するクラウド電話サービスです。スマートフォンや外出先からでも、オフィスの番号を使って外線通話が可能です。ひかり電話と組み合わせて使うことで、高品質・安定の通話を期待できるでしょう。

NTTグループのクラウド電話サービスなのでサポートに安心感があり、企業規模の大小を問わず使いやすいです。

オンプレミスのPBXをクラウド上に置いたような、シンプルなクラウド電話を使いたい場合に適したサービスです。

出典:https://business.ntt-east.co.jp/service/pbx/

MOT/TEL(株式会社バルテック)

・初期費用:29,800円~
・月額料金:4,980円(20内線)
・公式サイト:https://www.mot-net.com/mottel

MOT/TELは累計27000社以上の導入実績を誇る、低価格なクラウドPBXです。
15年以上にわたる研究・開発により、音声品質や使いやすさは業界最高レベル。
外部CRM連携や通話録音といった機能も充実しているので、様々な業種に合わせた受電業務の効率化が可能です。品質や豊富な機能が評価され、サービスを開始以来7年連続で利用社数が純増しています。

自社の内線でMOT/TELを使いながら、同じ契約内のIDを使って社内コールセンターを構築できるのもMOT/TELの強み。
自社でコールセンターを構築したい企業との相性は抜群です。

MOT/TELには社員が自由に使えるWebカレンダーや名刺データの保管サービスなどが付属するほか、勤怠管理システムや経費精算システム、ネットfaxなどと連携し、日々の業務をもっと便利にリニューアルさせることもできます。

出典:https://www.mot-net.com/mottel

Good Line(株式会社グッドリレーションズ)

・初期費用:10,000円/内線(上限50,000円)
・月額料金:5,000円(基本料金)+1000円(内線1番号につき)
・公式サイト:https://good-line.jp/

株式会社グッドリレーションズのGood Lineはテレワーク利用におすすめのクラウド電話の1つです。アナログ電話には対応しておらず、SIP対応のIP電話機、スマートフォン、パソコンなどが必要になります。

クラウドでPBXの内線や転送などはもちろん、通話録音やクラウド電話帳、稼動状況や通話状況のモニタリングなどの機能も提供しています。

セキュリティや、システム連係などに強みがあり、テレワーク対応など業務効率化に大きく貢献してくれるでしょう。

出典:https://good-line.net/

トビラフォンCloud(トビラシステムズ株式会社)

・初期費用:33,000円
・月額料金:3,300円(内線2つ)
・公式サイト:https://tobilaphone.com/biz/cloud/

トビラシステムズ株式会社のトビラフォンCloudは、ビジネスフォンのクラウド化を手軽にできるサービスです。初期費用や月額費用が安めなので、小規模な企業や店舗でも利用しやすくなっています。

ビジネスフォンの機能や自動応答、電話帳機能など、迷惑電話フィルタなど便利な機能も多く、業務効率化にも効果的です。

対応できる内線数やチャンネル数(同時接続数)がやや少なく、追加はオプションや別プランの導入が必要です。既存のビジネス電話から移行する場合、IP電話機が必須となる点にも注意しましょう。

出典:https://tobilaphone.com/

OFFICE PHONE(株式会社ベルテクノス)

・初期費用:24,800円
・月額料金:3,400円(基本料金)+98円(1端末あたり)
・公式サイト:https://office110.jp/cloud-pbx/

株式会社ベルテクノスのOFFICE PHONEは、利便性の高いクラウド電話を低価格で導入できるサービスです。スマホ、ビジネスフォン(SIP対応IP電話)、パソコン、USBフォンなどの端末で利用できます。

通話録音やタブレット受付、インターネットFAX、IVR(自動応答)などのオプションも便利で、オフィスにおける電話以外の対応業務削減にも効果的です。無料のグループウェア機能も付属しています。

出典:https://office110.jp/cloud-pbx/

INNOVERA PBX(株式会社プロディライト)

・初期費用:要問い合わせ
・月額料金:要問い合わせ
・公式サイト:https://innovera.jp/

株式会社プロディライトのINNOVERA PBXは、場所や端末に縛られずに受電・架電を行うことができるクラウド電話です。

転送、保留、グループ着信、通話履歴、IVRなど基本的なクラウド電話の機能に加え、無料で6ヶ月分の全通話の録音・保存サービスを提供しているのが特徴です。APIを利用したシステム連携にも対応しているため、業務効率化にも役立ちます。

東京、大阪だけでなく、約40の市外局番にも対応しているので、電話番号を移行したくない場合に検討したい選択肢です。

出典:https://innov-era.com/

まとめ

クラウド電話は、インターネットに接続できる端末なら世界中どこからでも利用できます。導入時の初期費用や、通話料などの面でコスト削減が期待できる他、業務効率化にも効果的です。クラウド電話はベンダーにより、料金や機能、収容可能数などもさまざまなので、よく確認して自社に合ったものを導入しましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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